ノヴァの物語1
メディカルスクール在学中のエヴァは、この前、何かの賞をもらったらしい。(ごめん、難しくて研究内容もその賞の名前も覚えてない)
今日、そのお祝いをするので、もうすぐ帰ってくるはず。
「ただいま、母さん」
エヴァは母さんをハグして、
「はい、これ」
小さな花束を渡す。母さん好みの可愛いらしい色あいで、母さんはニッコリした。
「ありがとう、エヴァ」
こういう心遣いはあたしにはできない。コイツは絶対モテるだろうと思う。
「エヴァ、お帰り。おめでとう」
「ありがとう、父さん。ラディおじさんも、ノヴァも元気そうだね」
あたしはおじちゃまとひとまとめで一緒かと心の中でツッコミながら、一応笑顔で、
「お帰り、エヴァ」そう言っておいた。
「お帰り。また背が伸びてないか?」そう言うおじちゃまに、
「さすがにもう伸びないと思うけど」エヴァは笑う。
おじちゃまの言う通り、エヴァの背が伸びはじめたのは遅くて、母さんより少し濃いスミレ色の瞳で、今ではあたしを見下ろすようになった。
痩せっぽちで、泣いてばかりで、しょっちゅう熱を出していたくせに。生意気な奴。あたしの双子の弟。
でも、あたしはコイツに救われた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます