エヴァの物語2
僕は小さい頃、しょっちゅう熱を出していた。
いつも最初に気がつくのは、そばにいるノヴァだ。
「母さん! エヴァがまた熱、出してる~」
熱でぼんやりしている僕を誰かが運んでくれて(たぶんラディおじさんだ)、いつのまにか着替えてベッドの中だった。アイスパックを当てたあと、頬に触れる母さんの手はひんやりしていて気持ちよかった。
僕が体調を崩すと、おじさんはノヴァを外に連れ出した。
ジュニアサッカーチームのコーチをしているラディおじさんが、試しに練習に連れて行ってから、ノヴァはずっとサッカーを続けている。
ノヴァはいつも元気で明るくて、きっと学校でも人気者なんだろう。僕は通学していない。授業を休みがちな僕はクラスになじめなくて、たくさんの子供達の騒々しさが苦手で、集団行動についていけない。オンラインで授業を受けているから、同世代の友達はいない。ネット上の知り合いはたくさんいるけど。
双子で同じように育ったはずなのに、どうしてこう違うのか、よく言われるけど、僕もそう思う。
でも、これが僕らだ。
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