これからも僕達は 外伝3

春渡夏歩(はるとなほ)

これからも僕達は 外伝3

その先へ

エヴァの物語1

 僕はエヴァン・ブルー。みんな僕をエヴァと呼んでる。


 僕には二卵性双生児の姉ノヴァスがいて、ノヴァと呼ばれている。僕の父さんの名前は、ディープ・ブルー、母さんはエリン・ノーマン・ブルー。ふたりともドクターで、父さんは小児科クリニックの院長、母さんは精神科医だ。

 

 僕は手のかかる子供だったらしい。ノヴァより低体重で生まれた僕は泣いてばかりいて、双子の常で、どちらかが泣き出すともうひとりも泣き始めるから、母さんは寝る時間もゆっくり食事する時間もなかった。父さんとのふたりだけでは、とうていやっていけなかったという話だ。


 以前、父さんが冗談まじりに、頭の上がらない相手がふたりだけいると言っていた。

 ひとりは母さんで、もうひとりはラディおじさんだ。別の意味で、僕とノヴァもこの人の言うことを素直に聞く。いつもとてもお世話になっているからだ。

 

 僕らが生まれる時、父さんが不在だったから、急に破水した母さんを病院に連れて行ったのはこの人だ。

 父さんは出産に立ち会いを希望していたので、おじさんがパートナーだと勘違いされて、もう少しで分娩室へ連れて行かれそうになり、仕事で遅れてきた父さんがギリギリ間に合ったという話とか、いろいろなエピソードがある。

 忙しい父さんの代わりにいつも父親役をしてくれた。


 ノヴァは友達から父親がふたりいると思われて、「どっちが本当のお父さん?」と聞かれたことがあるらしい。

 まわりからも、そしておじさんに懐いているノヴァ自身も、父親はおじさんの方だと思いこんでいたときがあった。


 

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