変態勝利と走馬灯〜影の実力者は良い御伽衆になるのを思い出していた

「君の実力は知っている…こちらも本気でいく、それじゃ、死ね!…皆、行くぞ!」


 ハーレムと共に動き出すエイキ、姉さんの気配はするが、本当に動いてくれるのだろうか?

 どうやらエイキが先行して短刀を二刀、構えながらで向かってきた…ハーレム女の拘束した奴以外の4人は時間差でこちらに………あ、いかんな。


 俺のスキルは性質上、多人数相手に向いてない。

 何故なら暗殺を生業とするアサシンだからである。

 

 【後の先】も対象が1人だけだ、ワラワラ来ると無理だな…まぁ良い。

 とりあえずエイキだけでも…と思ったが急に攻撃をやめた。

 まるで俺の動きが分かるみたいに攻撃を止める。

 

 お?後の先が使えない?

 

「はあー?…それが噂に聞いてた【後の先】ってやつか?


「そう言うお前のスキルは未来予知の【先読】か?」


「知ってるな?そして、我ら配下の者と感覚を共有した【月読】、次で…え?」

  

 残念ながらエイキ君、スキルを自分なりに、格好良い言い方する意味不明な会話しないで一気に殺しておけば良かったのになぁ…そしたら俺だけでも殺せたのに…


「な!?」「ヒッ!?」「手!?」「イヤァッ!?」


 姉さんが動いてくれた。何故なら巨大な手が全員を胴体ごと掴んでいるからだ。

 手が4つだから4人だけど1人ならまぁ…それにババァは出てこねぇな、相変わらず気配はするけど…


 今、こいつ等、握っているのは姉さんの【絶対握ぜったいあく】だ。

 目の届く範囲であればサイズ変更可能な手で相手を握る。

 力を溜めれば溜めるほど、距離が近ければ近い程、サイズが小さければ小さい程力が増す。

 ただし姉さんの握力?は人だろうと岩だろうと七将であろうと木端微塵にする握力だ。

 普通はサイズ関係なく死ねる。

 それに姉さんのはスキルではない、生まれ持った才能だ。

 名前は誰が付けたか知らないがスキルじゃない。そう言う身体能力だ。

 つまり解除不可。


「たいん〜 つかまえたけど ころす か?」

 

 一度掴まれたら、それこそ超人的な身体能力…いや、死んでも木っ端微塵になっても平気で無い限り逃げられない。

 それが姉さんの力だ。そしてもう一つ…


「これが…七将の力…確かに王国は終わりだな…良いぜ…殺してみろよ…」


「いいこと おもいついた せんせい ふやす」


 無理矢理召喚された訳じゃない転生者、この世界で長い事生きているから、もし死ぬとしても覚悟は決まっているだろう。


「姉さん、何を考えているんだい?」


「こいつも せんせいに する」


「何だと!?くっ殺せ!殺せぇ!」


 そして1人残っている王女様風の剣士の背後に…


「エイキ様!皆!これは!?ハヒ!?」


「コイツ…私に比べれば…入れ替える…ブツブツ…」


 目が座ったアザスが残り少ない1人の首筋に細身剣を当てていた。

 スピカの女神が背後に顕現している。いよいよコイツも本気なのだろう…


 時は来た、俺は高らかに宣言する。


「エイキ…いや、皆…俺達でこの戦争を終わらせないか!?」


 その時、何か歴史が動いたような……………




 ヌリュヌリュヌリュ…………………



 俺は一瞬、夢を見ていた。

 昔の夢だ、後に新たな英傑と言われたが固辞し、この世界を放浪し強さを…強さ…?


『アンッ!♥アンアンッ!!♥♥』


 なぜ俺はこんな声を出している?


『ボクの前で他の女の名前は!名前は!!』


 この声はナス…ナスビン!?

 

『ハァハァ♥約束ミャモレ♥レロレロレロ♥』

 バッコンバッコンパンッパンッ


 俺の顔の前にアザス!?


 あっ!?♥オシリがっ♥



 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る