変態の手記①何かムラムラするなと思ったら

 ナスビンが泣いていた…

 何かあったのだろうか?

 う~む、癪だがあの2人に頼るとしようか?


 虹の騎士団…騎士団じゃないし名前がダサいし…まぁそれはともかく、各ギルドから冒険者ギルド経由で虹の騎士団へ派遣される時に取り決めた事がある。


――宿屋の部屋を別にしろ――


 3人とも同じ条件だった。

 何故かと言うと俺達3人には理由があるからだ。

 呼び出されて聞いた『とにかく強い女』というクソみたいな募集要項のせいだ。

 きっとハーレムでも作りたいんだろうな、若いし。

 勇者という超希少職業という事で王国やギルドもいやいや従った。


 しかし残念ながら集まった3人がな…俺は、相談すべくババアの部屋に行く。

 

「なぁババア、聞いてくれよ」


「うるさいね、またポコ◯ン女への悩みかい?」


 伝説の大魔道士の高弟〜魔道士のシェラスコ…というのは世を忍ぶ仮の姿。

 俺の眼の前にいるのは、その伝説の大魔道士シェラハ本人である、弟子のフリしてやってきたが齢は100を超えるお婆さんだ。

 このババアは頭がおかしい、性欲が強過ぎるから弟子に逃げられる、女の弟子は取らない、どうかしている。

 魔力で20代後半のブリンブリンな身体に見せているが、実際は皺くちゃのババアだ。

 本番中に変身が解ける店頭写真トラップ以上の悪質なやり口、俺は違法経営風俗店と呼んでいる。


「お?また私の推し、ナスビンの事か?」

 

 そして話に入ってきた、元王国騎士団【スピカ】団長〜聖騎士アザス…長身で、出る所は出ているウェーブのかかったブロンドヘアー、吟遊詩人の詩では、騎士団の麗人と言われた20代前半の美女だ。

 そんなアザスは元宝塚ファンで男性が触ると蕁麻疹が出る、そして女性か大好きだ。

 しかも聖騎士と言う処女性を神聖化している職なのでハーレムパーティー対策に髭が生えている、カイゼル髭だ。


 世を忍ぶ仮の姿ではないが、コイツはコイツでそのやり口は俺から見ると頭がおかしい。


 ちなみにいきなり宝塚という単語が出たが、俺とアザスは転生者だ。


 転生者…現代日本からこの世界に流れ着いた記憶だけ引き継いだ人間…残念ながらチートとかはない。


「ナスビンが廊下で泣きながら歩いていた…」


 ババアが高笑いしながら酒を煽る。


「ヒヒヒ!勇者にフラレちまったんじゃないかい?」

 

「今がチャンスだ!マジカルチ◯ポをトコロテンチャンスだぞ!ドキドキするぅ♥」


「お前ら…俺は真面目に…」


 俺達3人はいつもこんな会話している、そんな俺とナスビン…そして7人の物語だ。

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る