第7話 キッズの敵 ―― お巡りさん

 Q界隈のキッズ達には「敵」が居た。

 1つはお巡りさんだ。俺達はカラオケ店にも飲食店にも夜11時以降には入れない。もちろん10時以降に働くことも禁止だ。お巡りさんは違法行為をしている店がないか、徹底的に見回る。結果、俺達は路上にしか居場所がない。本当なら路上に居ることも「深夜徘徊」として県の条例違反になる。

 俺達は度々「補導」された。だが「補導」は、「早く家に帰りなさい」と口頭で注意されるだけだった。俺はあまりのあっけなさに最初は驚き戸惑った。

 お巡りさんの仕事は、脱法ドラッグや葉っぱの使用の有無を確かめることにあった。そういうブツは、裏社会とつながりのある半グレ集団しか入手できない。お巡りさんは俺達をそういう裏社会から守る防波堤の役割をした。

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