第12話 こんばんは、おバカさん
「ぐっどない!三日ぶりですね。愛しいおバカさんたち♥」
・ぐっどない!
・おひさです
・こんばんは、おバカさん
・おう、たわけ
・その声が脳を揺さぶって仕方ない。中毒になっちゃうよね
「で、早速なんだけど……今日はゲストを連れてきました♥正体は私が昔から大好きだった動画制作者の喜楽動画製作所さんです♥」
「ど、どうもー。流石にこうしてやく……さぬきちゃんと一緒の空間で配信していると、私なんかがこうしてコラボしていいか不安になっちゃいますね」
・あまりにも謎すぎるコラボキター
・なかなか可愛いなこの子
・メスガキのくせして意外とダウナーな御主様とは性格合いそう
「ひえっ、流れ早すぎ……。さぬきちゃん以外配信自体あんまり見ないけど、これは怖いですね……」
「……さっきまでのテンションはどうしたんですか?私の部屋に来て大はしゃぎで大興奮していたのに♥……ぷぷぷ。やっぱりホントはザコなんですね♥ざぁ〜こ♥ざぁ〜こ♥」
「さぬきちゃんの生罵り……!!!脳髄が溶けるようです……!その、もっと罵ってくれませんか?なんというか、そういう気遣った感じじゃなくて遠慮なく私の人格を否定してほしいんです!」
「あ、あとでなら考えてあげますけど……流石に配信でそれやるのはレベルが高すぎるから駄目です! わかってはいますけど、本当に変態さんなんだと再認識しましたよ」
「それ、凄くイイです……。って、あ。……コホン。流石にやりすぎました。なかったことにしてください」
・情報量が多すぎる
・キマシ?
・コラボ相手にざこざこ言う御主様もなかなかにイカれてると思うけど
・どういう場面を見せられてるんだ俺達は
・ガチの変態過ぎるだろ 怪文書もほぼネタなのかと思ってたけど本気だったりします?
「全力で表現してしまうとBANされかねない部分はネタ寄りの表現にしていましたが……本気も本気ですよ?」
・さぬきちゃん、今すぐ逃げなさい
・リス、この状況はなんや?
・貞操の危機ですね
・なんかもう、一線超えたりしてない?ここまでやべーやつと知っていながら部屋に上げて平然としているさぬきちゃんもさぬきちゃんでイカレてるだろ
「一線なんて超えてるはずないじゃないですか……!!だったら今頃皆さんに自慢してますって!せいぜい、さぬきちゃんのベッドで寝かされたくらいですよ!」
「ちょ、何を言っているんですか!あれはあくまでも必要だったからです!そういうアレではないですから……!!!」
・ほう……
・意外とさぬきちゃんのほうから迫ったのかな
・ガチ恋勢なファンの女の子を喰らうメスガキとかとんでもねーぜ
・…尊い
・なんなんだテメェはマジでよ 本当にいい加減にしろよメスガキ…
・メスガキが…舐めてると潰すぞ…
「あ、いや、本当に寝かされただけで……そういう事になってくれたら嬉しかったんですけどね」
「と、ともかく、とりあえず今日は『ヴァルハラIIIリマスター』で勝負しましょう!ここ数日でミームとかができまくっててまた旬のゲームになってますからね。喜楽さんもそれに乗って再び勢いに乗っていますよね♥」
「……恥ずかしいことに、私の恋文もミームの一部にされてますけどね。対人モードでレギュレーションはキャラマッチ通常ですね?」
「ええ、それと……もう一つ条件をつけるなら、キャラは『ジャルク』でお願いできませんか?」
「……?えっと、特別強くないとは言え、一番得意なキャラですけど、良いんですか?」
「私だってリマスター版もやり込みましたし、旧作はさらにやり込みまくりましたからね。ジャルクは私のお気に入りのキャラに対して割と不利ですので、それくらいでハンデとしてちょうどよくなるのかなぁと」
「ふ、ふふふ……少し舐めていますね?ロールプレイを捨てた私の強さを知りませんね?では、受けて立ちましょうか。さきほどは罵倒で私がわからせられたので、今度はこちらからわからせてあげましょう……!!!」
「……つ、強すぎませんか!?私は対CPUにおけるぶっちぎり最強プレイヤーであるとはいえ、対人においても最強クラスなんですよ?その私から10戦中3勝をもぎ取るとか……やっぱりさぬきちゃんは神様だったんだ!」
「有利な上にメタ張りまくってこれとか、流石に最強プレイヤーの名は伊達じゃありませんね……。ふん、仕方ないのでつよつよだってみとめてあげますよ」
・雲の上過ぎて何やってるのかわからなかったけど見ごたえあった
・このゲームってこういうゲームだったのか……
・これやったことないからわからんけどさぬきちゃんってどれくらい強いの?
・上位層の中でも強いほうだと思う。条件が有利すぎたとはいえど、操作に淀みがなさすぎ
「えへへ……ありがとうございますっ!では、私が勝ったので膝枕してくれませんか?」
「え、いや。罰ゲームとかは考えてなかったじゃないですか。……それに、全然罰にならないですし」
「ば、罰にならない!? そ、それは……どういうことで?」
「……言ってあげませんよ。もう手遅れな気はしますが……まあ良いでしょう。ついでに耳かきもしてあげますよ。昔からお姉ちゃんにしてあげていたのでそれなりに気持ち良いと思いますよ♥」
「ちょっと要求しすぎたかなと思ったのに、もっとサービスしてくれるとか……さぬきちゃんすき……」
「んっ、あっ……」
「さっきから随分気持ちよさそうですね。ざこお耳さんなんですね♥」
「さぬきちゃんに膝枕されながら、そのボイスで囁きかけられるの……本当死んじゃいそうなくらい幸せです……。だいすきっ」
「ふふ、嬉しいことを言ってくれますね。では、これはどうでしょうか?締めですよ。……ふー♥」
「んーっ!?あぅっ。はぁ、はぁ……ふう。完全に沼に落とされちゃいました。またやってほしいです……」
「いいですよ。今度はもっと骨抜きにしてあげますから♥って……あれ?わ、私はなんてことを……」
暫くの間、リスナーをほっぽっていちゃついてしまっていた。
唯菜がトロンとした表情を浮かべているのもだいぶ危険だったが、それよりも……。
あまりにも怖かった。その反応が。
恐る恐るPCの画面を覗く。
・叡智すぎる
・素晴らしい
・……尊い
・謎コラボかと思ったけどこれなら毎日でも見たい
・リアルASMR……だと?喜楽さんが羨ましすぎるぞ
・これって百合でいいの?それともノーマル?
・TS百合だぞ
・ふたりとも可愛かった もっとイチャイチャしているところがみたい
「あ、う……イチャイチャとかそういうのではないですからね?これはなんというか、内なるメスガキが囁いてきて……。きょ、今日はおしまいです!明日あたり、動画のほうでもコラボのやつが上がってると思いますのでそちらもよろしくお願いします!サヨナラ!……この状況、どうしましょう」
とろけている唯菜をどうしようか悩みながら、配信を切ることになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます