第142話 呪縛
朝起きて、軽く運動してから朝食を頂いた。
昨日は不機嫌そうにしていた海も時雨も今日は普通にしている。
機嫌が直ってよかった……
昨日は家に帰るまで終始不貞腐れていたが、ようやく受け入れたか。
さてさて……
三人と遊ぶ約束しているが、遊ぶ内容はほんのりと濁すような感じで聞いている。
具体的には―――
『全員集まりましたら、軽めの昼食しましょう。場所は決めてありますのでご心配なく。そのあとはカラオケかボーリングなどいかがでしょうか? 軽く運動したあとは、休憩する為に静かなお部屋に移動します。そのあとは流れで』
みたいな感じで清香からBeamで聞いている。
うん、流石にわかる。
3人からはちょくちょく俺と合体したい的なことを聞くし、こんなあからさまな静かな部屋に移動したあと、あとは流れみたいなこと言われたら期待するしかない。
女神様の試練でもクラスの子には変身してなかったからなぁー。
ふふふ、楽しみだ。
楽しみ……以前の俺ならそんなこと考える余裕なかっただろうな。
女の子との接点なんてまったくなかったから、ただただどきどきしてたと思う。
前世でヤリチンと呼ばれてた人達は女の子と遊ぶ時こんな思いをしていたのだろうか?
この世界に来てなんだかんだ、色んな人抱いたよな?
海と時雨、女神様に、透花、凪さん、桜。
その他にも女神様の変身で愛羅、友梨佳先生、梓さん、その他知らない人多数……
……これは俺も立派なヤリチンなんじゃなかろうか?
まぁ、何でもいいか!
みんな幸せそうだし、WIN-WINだな!
朝食を食べたあとはシャワーを浴びてしっかり歯も磨く。
……本当は香水なんかもつけた方がいいんだろうが、持ってないな。
今度、いや、どうせなら今日行った時に皆に聞いて選んでもらおうかな。
カラオケかボーリングの前か後に行けるだろ。
頭の中で予定を組み立てながら着替えて、部屋を出て玄関に行くと三人の女の子が笑顔で立っていた。
「海、時雨、桜。そろそろ行こうと思うけど、誰かついてくるか?」
「うんん、行かない」
「えぇ、大丈夫よ」
「お家にいるよ!」
「……そうか!」
誰も付いて来ないとなると……まぁ、駅までだしこのままでいいだろう!
誰も付いて来ないってことは、あの三人と好きにしていいってことだろ?
明日学校だからなー……流石に帰るようにはしよう!
俺は意気揚々と靴を履こうと三人に背を受けて靴を履こうとしゃがもうとしたその時――――
ガチャン!!
「……えっ?」
俺の両腕には手錠がつけられていた。
手錠から伸びる鎖は海と桜がニコニコしながら持っていて、時雨はスタスタと俺に近づくとポケットから携帯を奪っていく。
「あの、えっ?」
「お兄ちゃんも行かないよね?」
「雪君もお家だよ?」
「……この手錠は?」
「昨日私が買ってきたの!」
「そうか、桜が買ってきたのか……なんで?」
「お ね ぇ ち ゃ ん! 弟を躾けるのはお姉ちゃんの役目だから!」
「躾けるってなんだよ! 俺はクラスメイトと遊ぼうとしてるだけだぞ!」
「ねぇ、雪、これは何かしら?」
時雨の方を向くと時雨が俺の携帯を見せてきた。
携帯の画面にはBeamの賛美のバストアップ画像が表示されていた。
「あ、あぁ、賛美が毎日バストアップしてるから成長の記録を送ってきてくれるんだ」
「そう。やっぱり工藤さんとBeamの交換してたのね。あとは三井さんと春夏冬さんね」
「お姉ちゃんの目を盗んで3人も釣るとか……メッ! だよ?」
「3人も発情した雌猫を釣るとかお兄ちゃん正気?」
「釣るってなんだよ釣るって! 普通に遊ぼうとしてるだけだろ?」
「ふーん。普通に遊ぶねぇ? ねぇ、雪。春夏冬さんの『軽く運動したあとは、休憩する為に静かなお部屋に移動します。そのあとは流れで』ってあるけど?」
「……運動したあと休憩するんだろ?」
「これ、そのまま3人に食べられるわよ?」
「上等だな!」
「そう。元気が有り余ってるのね。なら搾り取ってあげる」
「お兄ちゃん今日は限界を越えてみようねー」
「雪君! 安心安全なお薬も実家から貰ってきたから!」
「待て待て待て待て! 俺今から遊ぶ予定なんだが!?」
「大丈夫よ。連絡しておいたから。ほら」
時雨が俺の携帯を見せてくる。
そこには清香とのBeamの画面が表示されているが―――
『雪は今から限界まで搾り取るから、行かせないわよ。3人で静かな場所に行って発情した体を慰め合いなさいな』
「おいいいいいいいいい! 勝手にキャンセルの連絡するなよ! というかさっきから搾り取るってなんでだよ!」
「元気が有り余ってるようだから相手してもらうだけよ」
「あ、お兄ちゃんが干からびないようにスポーツドリンクも買ってあるよ!」
「お姉ちゃんも頑張ってミルク出すね!」
「いやいやいや! なんでだよ! クラスメイトと遊ばせろよ!」
「ダメよ」
「ダーメ!」
「メッ!」
「なんで!?」
「雪、今後交友関係に関しては厳しく制限するわね?」
「お兄ちゃんを自由にさせたのは間違いだった」
「ちゃんと今後はお姉ちゃんも厳しくするね?」
「いやいやいや! だからなんで!?」
「お兄ちゃんが悪いんだよ?」
「……えっ?」
「お兄ちゃんが雌猫を発情させるたびに、こっちはイライラしてるんだから!」
「そうね。雪が悪いわ」
「雪君、お姉ちゃん達は怒ってるんだよ?」
「待て待て! 何度も言ってるが、仲良くしたいだけだろ!? それに体の相性で、妻を探してもいいって以前言ったじゃないか!?」
「「だから?」」
「お姉ちゃんは言ってないよ!」
「桜は知らないだろうけどさ! 以前言ってたんだよ!」
「はーい、話はお部屋でゆっくりしようねー」
「雪を部屋に縛り付けたらお風呂に行きましょう? 長くなるんだから少しでも綺麗にしておきたいもの」
「雪君も洗っちゃう? この鎖ステンレス製だから水に濡れるくらい平気だよ」
「じゃあ、お兄ちゃんも洗っちゃおうか! どうせするならお風呂場の方が掃除も楽だし!」
俺の意見は無視され鎖で引っ張られながら、時雨が俺の後ろに周り背中を押して来る。
「あっ、ちょ、イテテテテテ!?」
俺の抵抗は虚しくそのままお風呂場に引きずられていかれた。
**********
<SIDE 女神様>
「あー……やっぱりこうなっちゃったかー☆」
私は雪君が三人に引きずられていくのを見ながら呟いた。
まぁ、そりゃそうなるよねー☆
「この世界の女の子って愛を知らないから、愛を教えてあげて欲しかったんだけど……複数の人に愛を教えるってことは、それだけ嫉妬も増えちゃうんだよねー☆」
雪君はそのままお風呂場で鎖に繋がれたまま三人に服を脱がされていく。
「ふふふ☆ 未来は今の時点でも色々あるけど、どうなるかなー☆」
私は以前雪君に貰ったケーキを空間から取り出し、雪君眺めながら食べ始めた。
「モグモグ……こんな感じに色んな子をあま~く蕩かせて欲しいけど、恋の嫉妬を覚えてしまった子をなんとかするのも、雪君の腕次第だからねー☆ 頑張れ雪君☆」
私はケーキに舌鼓ながら雪君の動向を眺める。
まぁ、うん、今度神社に来たら、優しくしてあげよう☆
★********★
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応援、フォロー、星を付けて頂き誠にありがとうございます!
創作意欲に繋がるので応援、星を何卒・・・!
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