第136話 隠れてイチャイチャ


 お風呂から上がったあと、4人で俺の部屋でのんびりしたあと、寝る時間になったのだが……


「……さすがに4人で寝るのは厳しいと思うんだ?」


 寝ると決まって俺が横になると即行で時雨と桜が俺の両脇を固めて、出遅れた海が俺の上に寝転んでいる状況だ。


「海、さすがに重いらしいわよ?」

「海ちゃん、雪君が重い重いって」


「重くないもん!」


「というか、海もうつ伏せで寝るのはきついだろ?」


「きつくない」


「……素直に俺が両脇抑えられて寝返りも打てないからあきらめないか?」


「あきらめたらそこで試合終了って聞いた」


 寝るんじゃなければ嬉しい状態だが、この状況で寝るのはさすがに無理だ……さて、どうしたものか……あっ!


「そういえば、今日桜が来る時に賭けしてたよな?」


「「…………」」

「賭けって?」


「姉が来てどれぐらい早く俺が姉と仲良くできるかって賭け。海が初日にイチャイチャするで、時雨が1時間後だったか?」


「したかな~?」

「覚えてないわね」


「何を賭けたの?」


「夜の俺との時間だな」


「「…………」」

「……へぇ~?」


 俺の発言に海と時雨が渋顔をし、桜は満面の笑顔になった。


「時雨ちゃんはアウトじゃないかな~?」


「私がアウトなら海もアウトでしょ」

「なんで巻き込むのさ時雨姉!?」

「どう考えても私より遅くにイチャイチャするって賭けしてるじゃない」

「違いますー! 今日中だから出会った瞬間からですー!」

「それは範囲が大きすぎでしょ」


 なんか海と時雨で子供みたいな言い合いが始まったな……


「ま、まぁ、あれだ、今日は桜が来たんだし、桜に譲ろうぜ? 明日からは順番で一緒に風呂入ったり、寝たりで平等に! なっ!?」


「……ちゃんと構ってくれないと許さないからね?」

「明日は目一杯甘えるから覚えてなさい」


 ぐぬぬ……とした表情でそれだけ言い残すと二人は渋々各々の部屋に戻っていった。


「ふふふ、じゃあ寝ようか?」


「あぁ、お休み桜」


「お ね え ち ゃ ん !」


「お休み、桜姉」


 俺は苦笑いしながら言い直すと―――


「お休み、雪君」


 桜は俺の頭を自分の胸に抱きしめ、額にキスをして眠りについた。

 いつもは海や時雨を抱きしめながら寝ているが、抱きしめられながら寝るのもいいものだな……


**********


 ―――朝目が覚めると、俺の頭は桜の胸に抱かれたままだった。

 目覚めたはしたが、正直この柔らかさから離れるのは難しい。


「スー……スー……」


 桜の寝息も聞こえるので、俺もこのままもうひと眠りしようかと思ったところで、俺の後ろで静かに誰かが寝転んだような気配を感じた。


 眠気に抗いながら後ろを向くと、ニンマリと笑みを浮かべた海がいた。


 海は自分の口に人差し指を当てシッーっとしたあと俺を抱きしめる桜の腕をそっとどかして、桜から俺を剥がして抱き寄せるとそのまま俺の唇に海の唇が重なってきた。


 いつもなら舌を入れて激しく蹂躙を始めるが、今回は音を立てないようにゆっくり舌を入れて絡めてくる。

 いつもと違う海の攻めに、俺の意識も徐々に浮上してくる。

 それに釣られて俺のソロキャンプも準備されるが、海は何も言わず目を細めて俺のソロキャンプに手を入れて、片付ける手伝いをしてくれる。

 海のテントを折りたたむ技術は上がっており、上へ下へと行くだけでなく、テントを支える先もグリグリと弄ってくる。

 

 海の攻めに俺自身も興奮し、いつの間にか手は海の胸を揉んでいた。

 下から服の中に手を入れて、グニャグニャと揉みしだくと次第に我慢が出来なくなってきた海から少しづつ艶のある声が漏れ始めた。


「んっ………んむ…………お兄ちゃ…………」


 そんな状態が暫く続くと俺自身が限界を迎え始めるが、散々折りたたんできた海は俺の状態を把握してキスをやめ、俺のテントに顔を寄せてズボンを脱がして、テントを支えていた棒を咥え、さらに刺激を加えることで俺のテントが折りたたまれた。


 折りたたまれたテントから出た内容物を、海は喉を鳴らしてコクコクと飲み込み、俺に向かってニッコリと微笑むと俺の腕を引いて、ベッドから起こし、ゆっくり部屋から外に連れ出された。


「おはよう海。そしてありがとう」

 

「おはよう、お兄ちゃん! 気持ちよかったでしょ?」


「あぁ、腕を上げたな」


「ふふーん!」


「というか、桜は起こさなくてよかったのか?」


「起こすと混ざるからダメ! ほら、トレーニング行こ?」


 そういって海は俺の手を引いてトレーニングルームに向かった。

 軽くトレーニングしていると時雨が合流し、一緒にトレーニングしたあとは軽くシャワーを浴びて、3人で朝食の準備を始めた。

 準備が終わる頃には母さんと、桜もやってきて美味しく朝食を頂き、着替えて海と別れて学校に向かった。

 いつもは時雨と二人で学校へ向かうところだが、桜がいるのは新鮮だ。

 いつも通り学校へ向かう途中―――


「おっはー! あれ!? サクサクいんじゃん!」


「おはよう、愛羅」

「おはよう」

「愛羅ちゃん、おはようございます!」


「もう大丈夫なの?」


「激しい運動しなければ大丈夫です!」


「そっか! 連絡なかったから心配したし!」


「すみません、携帯壊れてて連絡できませんでした。昨日連絡しようと思いましたが、バタバタしてて忘れてましたね」


「壊れてたならしゃーないね!」


「ふふふ、ご心配おかけしました」


「昨日バタバタって何してたの?」


「引っ越しをしてました!」


「引っ越し? 学校の近場に引っ越したの? あっ! ユッキーの家の近くに引っ越したんだ?」


「はい! 雪君の家に引っ越しました!」


「ユッキーの家に引っ越しかー……いやいやいや! どうゆうこと!?」


「ふふふ、すぐにわかりますよ」


「???」


 桜の発言に困惑する愛羅も通学に加わり、学校へ歩いていく。


★********★

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