第121話 久しぶりに全力で甘える時雨

 さて、ドッチボールで勝ったが、このまま終わりではなく、チームを変えて続きが行われた。

 なんだかんだ、動いてそれなりに楽しんだあと、お風呂に入って夕食の時間、今日の夕食は外でバーベキューの予定だ。

 今日も四人でお風呂に入ったあと、着替えて第一炊飯場に移動した。

 第一炊飯場に着くと、テーブルの上には食材が既に載っており、飲み物もお茶やジュースのペットボトルとグラスが置いてあった。

 クラスの面々も揃っており、軽くクラスの子達と話していると、七橋先生が話し始めた。


「今日の夕食はBBQですので、クラスの子とお話しながら自由に食事をしてください。同じ班の子とお話してもいいですが、違う班の子ともお話するようにしましょう! あと、大淀君の班はこちらで食事をしてください」

 

 七橋先生に言われて指定の場所に行くと―――


「はーい、大淀君はここに居ますので会話したい人は順番に並んで、次の人がいることも考えてお話するように! それではグラスを持ってください」

 

 なるほど、絶対に人が集まると思ってるからここってことね。

 桜がグラスにジュースを注いでくれたので、それを受け取り―――


「皆さん持ちましたね? それでは―――カンパーイ!」


「「「カンパーイ!」」」


 乾杯の合図と共にジュースを一気に飲み干す。

 社会人の時はビールを一気に飲んでいたのでちょっとだけ物足りないが、仕方ない……


「ほら、雪、そこに座りなさい」


 時雨に言われて席に着くと、時雨は俺の膝の上に横向きで座ってきた。


「おい、この状態だと焼けないんだが?」


「メイドとかコック長が焼いてくれるでしょ。もしくは桜か愛羅に焼かせましょ。それよりちゃんと私の相手して頂戴」


 そう、ドッチボールの交渉によって時雨が全力で甘えん坊モードになっている。

 お風呂に入る時も、先に歯を磨いてお風呂に入り、お互いに洗いあったあとはずっとキスをしながら抱きついてきて、入浴するような状態だった。

 まぁ、好きにしていいと言った以上従おう。

 別に嫌なことされるわけじゃないしな!


「今日寝る時はお姉ちゃんとだからね!」

「シグシグのべったり具合がドイヒーだよ……」


「乗務員すべてアブダクションしたあとに、雪を貸してあげるわ。寛大でしょ?」

「半分は残してくれても良くない?」

「良くないわ。雪の乗務員は私の物よ」


「その状態で食べんの? 食べづらくない?」

「こうやって雪に食べさせてもらうのよ」

「シグシグ甘えすぎでしょ……」

「雪を好きに出来るのよ? なら、思う存分有効活用しない訳には行かないわ」


「いつも好きにさせてるじゃないか?」

「いつもは海が居たり、桜が邪魔してくるじゃない。独占できる時間が短いのよ」

「左様ですか」

「左様よ。ほら、メイドかコック長に料理を頼んで食べさせて頂戴な」


 時雨に言われて、辺りをキョロキョロするとメイドっ子と目が会い、メイドっ子が駆け寄ってきてくれた。


「如何なさいましたか? 御主人様」


「悪い、見ての通りの状態でな。ここから動けないから、俺達にも料理を持ってきてくれないか?」


「かしこまりました。持ってきたあとは直ぐにご対応出来るように、御主人様のお傍にお仕えしても?」


「はは、そうしてもらえると助かるよ」


「承知しました。ではそのように」


 メイドっ子がニコっと微笑んだあと、料理を取りに行ってくれた。

 この状況なら助かるな……マジでメイドさん欲しくなる……

 メイドっていくらで雇えるんだろうか? 今度調べてみよう。

 甘える時雨を抱き寄せながら、そんなことを考えながら待っていると、メイドっ子が皿に料理を持ってきてくれた。


「お待たせしました、御主人様。こちらをどうぞ」


「ありがとう! 悪いな、持ってきてもらって」


「御主人様のお役に立てるなら問題ございません」


 そのままメイドっ子は俺の傍に立って控え始める。


「近くに居てくれるのは嬉しいけど、食事しなくていいのか? 一緒に食べようぜ?」


「お心遣いありがとうございます。私は後ほど頂きますので、お構いなく」


「雪、料理がきたんだから食べさせて」


「はいはい」


 皿から一本串を取り、時雨の口まで持っていくと、時雨が食べ始める。


「モグモグ……ん、美味しいわ、雪」


「そいつはよかった。ほら、どんどん食べな」


 甘える時雨にご飯を食べさせていると、俺の口元にも串が二本差し出された。


「雪君、あーん?」

「ユッキーも食べなよ!」


 桜と愛羅だった。


「あぁ、ありがとう、頂くよ」


 そのまま桜と愛羅の串から一口ずつ食べる。

 うん、うまいな! 炭火の良い香りと味がする!


「雪くーん、私のも食べてー!」

「雪様、私も焼いて参りましたので、ぜひ!」

「お兄様! 食べさせあいっ子!」

「我が伴侶よ。宴を楽しんでいるか?」

「ご主人様、こちらもどうぞ」

「雪、晩餐会楽しんでるかしら? このあと私とダンスしてもらいますわよ?」


 クラスの子も次第に集まり出したので、そこからは時雨を甘やかしながら、クラスの子達と色々お話をしながら過ごした。


★********★

長くなりそうだったから少し巻きで話を進めました。

次から物語が進んで行く……予定!


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