第117話 合宿二日目
さて、冴えてきた頭で昨日のことを思い出してみよう。
たしか……時雨と宇宙旅行を楽しんだあと……
あぁ、そうか。
終わったあと、時雨が満足してダウンしたから桜が俺を引っ張って、桜のベッドで一緒に寝たんだったわ。
「んん……雪君、いっぱい飲んで大きくなってねー?」
「あぁ、大きくなったら世話してくれるか?」
「うん、もちろん!」
桜はそのまま俺の頭を抱きしめてきた。
地味に窒息しそうだが、これで死ぬなら本望だ……
そのまま吸い続けようとしたが―――
「ゆ、ユッキーとサクサク、何してるの?」
声がしたほうを見ると、愛羅がベッドの傍に立っていた。
「愛羅ちゃんおはよう。今赤ちゃんにお乳あげてるところだよ?」
「いやいやいやいやいやいや! ユッキーじゃん! こんな大きな赤ちゃんいないよ! というかサクサクお乳出るの!?」
「今は出ないけどね。今は」
「じゃあ、あげれないじゃん!」
「だから出るように今から雪君に頑張って貰おうとしてるの!」
「今!? ラジオ体操どうすんのさ!? というか朝からすることじゃないよね!?」
「んー、愛羅ちゃん分身して代わりに出席してもらえるかな? 朝ご飯も私たちの分食べていいから!」
「あーし忍者じゃないんだけど!?」
「じゃあ、私と雪君は体調不良と言っておいて?」
俺は二人の話を聞きながら、吸い付いていると後ろから引っ張られた。
「わかったわ。桜は体調不良って先生に言っとくから、雪は返してもらうわよ」
時雨が起きたようだ。
時雨に引っ張られてベッドから出た。
「えっ? いや? はっ? な、なんでユッキーもシグシグも裸なの?」
「昨夜、宇宙旅行に行ったからよ。宇宙は雪が白く染めたわ」
「いやいやいやいや!? 意味わかんないんだけど!? えっ!? どういうこと!?」
「ピュアラにはまだ早いから気にしなくていいわ。雪、シャワーに行きましょう」
「そうだな。さすがに汗は流しときたい」
「お姉ちゃんもいくー! 雪君が吸ってベトベトになっちゃったから!」
「アブダクションはさせないからね? 私の役目だから」
そんな会話をしながらポカンとした愛羅を残して、三人でシャワーを浴びに部屋を出た。
なお、朝から時雨にアブダクションされたとだけ報告をここに残す。
**********
シャワーを浴びて動きやすい服に着替えたあと、4人でコテージをあとにした。
総合施設の前でラジオ体操があるので向かうと、クラスの半数は既に集まっているようだった。
そんな俺の元にクラスの子が走って寄ってくる。
「雪君、おはよう!」
「雪様、おはようございます」
「お兄様、おはようございます。さぁ、朝の挨拶に妹をギュッとして下さい」
「おぉ、我が伴侶よ! 清々しい朝だな! 沈みゆく太陽も美しいが、登っていく太陽もまた美しいと思わないか?」
「ご主人様、おはようございます。体調も問題ないようですし、今日も頑張りましょう」
「雪、おはよう。よく眠れたかしら? 眠れなかったら私のところに来てもよろしくてよ?」
「はは、みんなおはよう! 今日も楽しもうな!」
「雪、朝から愛想振りまかないで頂戴」
「雪君、朝のチューとギュッをまだしてないよね?」
「みんなおっはよー!」
桜が俺に朝の挨拶を求めてきたのを時雨がブロックして、愛羅はみんなに挨拶に向かった。
そのまま、少し待つとクラスのみんなが集まり、七橋先生もやってきた。
「皆さん、おはようございます。それではラジオ体操をしましょう」
―――♪ ―――♪ ―――♪
そのまま元気よくラジオ体操を終え、次は朝食の時間だ。
クラス一同、総合施設の中にある朝食会場に向かう。
朝食会場ではバイキング形式で好きな物を取って食べるようだ。
会場を見渡すと昨日の料理長もいるから、朝食作りも手伝ったのだろう。
さて、サラダにパン、スープに卵焼きやウインナーを皿に乗せ、ご機嫌な朝食メニューにして、適当な空いたテーブルの椅子に座ると、同じテーブルに時雨、桜、愛羅が座ってきた。
「「「「いただきます!」」」」
時雨や桜、愛羅もバランスよく料理を取ってきており、美味しそうに朝食を食べている。
あ、飲み物持ってくるの忘れたわ。
俺は立ち上がり、飲み物を取ってこようとするが―――
「御主人様、お飲み物はいかがですか?」
傍にはメイドっ子がお盆にコップと水、お茶、牛乳が入った小さめのピッチャーを乗せて立っていた。
「おぉ! ありがとう、ちょうど欲しかったんだ。牛乳を貰ってもいいかな?」
「かしこまりました」
メイドっ子がお盆をテーブルに置き、コップに牛乳を入れて渡してくれた。
俺はそれを一気に飲み干し―――
「ふぅ、助かったよ」
「恐れ入ります。食後のコーヒーはお持ちした方がよろしいでしょうか?」
「え、コーヒーとかもあるの?」
「はい、理事長のコック長様が良い豆を持ってきているとおっしゃられていました」
俺はチラッとコック長を見ると既に豆を挽く準備をして、こちらをニッコリと見て微笑んでいた。
……もはや何でもありだな。
★********★
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