第109話 眠り姫ピュアラ

 俺達は四人で軽くシャワーを浴びたあと、寝室に向かった。

 寝室はお風呂場の反対側のドアだ。近くて助かるな。

 ベッドは4つあり一つ一つがそれなりに大きいので、部屋全体が狭く感じる。 

 その中で適当にベッドを選び、俺はベッドに寝転がった。


「ふぅー……さっぱりしたな」


「えぇ、汗かいたまんまだと気持ち悪いから、ちょうどよかったわ。他の子たちは着替えるしかできないでしょうけど、シャワーを浴びれたのは雪のおかげね」


 時雨も俺の腕を枕に俺のベッドに寝転がってきてたので、抱きしめようとしたが反対側の腕は―――


「えいっ♪」


 桜が反対側の俺の腕を枕にしたので出来なくなってしまった。


「俺、勝手にこのベッド選んじまったけど、よかったか?」


「どれでもいいわよ。一緒に寝るから好きなのにしていいわ」

「うんうん、雪君の好きなベッドを選んでいいよ! お姉ちゃんも一緒に寝るから!」


 この部屋にはベッドが4つあるが、すべてシングルサイズのベッドだ。

 何が言いたいかというと……さすがに3人は狭いんだが……


「家のベッドなら大きいからいいが、このベッドで3人はさすがに狭いぞ……」


「桜はダメよ。ここは私の場所なんだから」

「時雨ちゃんったら、たまにはお姉ちゃんに譲ってくれてもいいんじゃないかな?」

「実の姉ならまだしも、自称姉に譲る気はないわね」

「雪君の家族にも、時雨ちゃんの家族にも認められたから、もう自称じゃないもーん」

「法的に違うから無しよ、無し」


「まぁ、まぁ。とりあえず、みんなでマッサージでもするか? ほら、ピュアラもマッサージしようぜ?」


 愛羅はシャワーを浴びただけなのに茹でダコみたいに顔を真赤にしてベッドに仰向けで倒れていた。

 4人でシャワーを浴びる時なんだが……俺は前を隠さなかった。

 時雨も隠さないし、桜はちょっと恥ずかしがりながらも裸だったが、愛羅だけはタオルを巻いてお風呂に入ってきた。

 二人が俺を洗うのを見て、マネしようとしていたが、俺の建築されたビルを生で見て顔から湯気が出ていた。

 以前の俺なら前を隠すようにしていただろうが、女神様とやりまくった時に、愛羅にも変身していたし、俺に抵抗なんぞない。

 なんで建築されているかって? 美少女3人がお風呂にいる状況で高層ビルが建築されない方が俺の中では異常だと思う。

 ちなみに桜は俺の前を洗おうとしたが、時雨に全力ブロックされていた。


「ピュアラは放っておきなさい。今動けなさそうだから」


「そうか……なら3人でマッサージするか。第一炊飯場に行くまでまだ1時間以上時間があるし」


「そうね。先にやってあげるわ」

「ふふ、お姉ちゃんが気持ちよくしてあげるね?」


「んじゃ、よろしく!」


 そのまま俺は足を中心に時雨と桜にマッサージしてもらい、俺のあとは時雨、桜とマッサージをやり、終わったあとは時間がくるまで3人でベッドで横になりながら、おしゃべりをしていた。


「……さて、そろそろ第一炊飯場に向かうか」


「そうね」

「そうしましょう!」


 時雨と桜がどいてくれたので、俺も起き上がり愛羅の方を見ると、愛羅は寝ていた。


「愛羅ー? そろそろ行くぞー?」


 俺は愛羅の肩を軽く揺すり、起こそうとするが……


「んー……もーちょっと……」


「それ朝やると絶対寝坊するやつだよな? ほら、愛羅、愛羅?」


 俺はさきほどより強めに、体を揺すると愛羅が目を薄っすらと目を開けた。


「んー……ユッキー?」


「おう、おはよう」


「……もうちょっと」


 そのまま愛羅はまた目を閉じてしまった。


「ダメだこりゃ」


「愛羅って雪と同じで、一度寝るとなかなか起きないのね」

「愛羅ちゃん可愛い!」


 このまま放置する訳にもいかないし……背負うか。


「時雨、桜、愛羅を背負うから手伝ってくれ」


「しょうがないわね」

「お姉ちゃんが背負おうか?」


「大丈夫、任せてくれ」


 二人は愛羅を両側から掴んで、俺の背中に愛羅を乗せたので、ロッジを出ることにした。

 玄関で靴に履き替え、第一炊飯場を目指して三人で歩き始めた。

 ちなみに愛羅の靴は時雨が持っている。

 

「今から晩御飯作るんだよな?」


「そうよ。何を作るか知らないけど」


「何がきてもお姉ちゃんが頑張るから大丈夫だからね、雪君!」


「桜って確か花嫁修業で料理もそれなりに出来るんだっけか?」


「うん! 和食、洋食、中華は色々作ったかなー?」


「すごいな」


「ふふふ、今度雪君に作ってあげるね? 和洋中で何か食べたい物ある?」


「食べたい物かー……食べ応えのあるハンバーガーかな」


「和洋中って言ったよね!?」


「雪の体はジャンクで出来てるのよ。食べたい物を聞いたらジャンクな物しか出てこないわよ」


「雪君、体に悪いよ?」


「ファーストフードのハンバーガーは体に悪いかもしれんが、手作りのハンバーガーなら野菜とかも好きに入れれるし、健康にもいいんじゃないか?」


「うーん……わかった! 今度ベジタブルバーガー作ってあげるね! ハンバーグを豆腐ハンバーグにしたら雪君の体にも良さそう!」


「それも美味しそうだけど、肉たっぷりなやつも頼む!」


「ふふふ、じゃあ今度両方作ってあげるね?」


「やったぜ!」


★********★

☆1600突破しました!

☆をつけて頂き、ありがとうございます!


大変申し訳ございませんが、一週間ほどお休みさせて頂きます。

詳細は近況ノートにて。


次回更新は8/3日を予定してます。


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