第94話 海とデート
今日は休みだが、オリエンテーションで必要になるものを求めて、買い出しに街に繰り出している……海と二人で。
昨日帰ってから、海にオリエンテーションのことを話したところ……
「えー! じゃあ、お兄ちゃんと二日間も会えないの!」
「まぁ、そうなるな」
「じゃあ、明日は私と二人でデートしてよ! 時雨姉はずっと一緒にいるんだからさ!」
「しょうがないわね、ちゃんとその日の内に帰ってくるのよ」
「やったー! お兄ちゃん明日私とデートね!」
と言った流れになり、海とお買い物デートすることになった。
まぁ金はあるし、たまには海に色々買ってあげよう。いつも昼間は寂しい思いさせてしまってるからな。
ちなみに今日は海と一緒にいるから女装はしていない。
そんな状態で以前服を買った大型ショッピングモールまでやってきた。
「それで、お兄ちゃん何買うの?」
「うーん、筆記用具……クリアファイルとかを少しと服位かな? バンガロー組は暗いからトイレ行ったりするのに懐中電灯とか必要らしいけど、俺の場合コテージだから不要だし……なんか夜遊べるようにトランプでも買っとくかな」
「ふーん、じゃあ文房具屋、おもちゃ屋、服屋の順番で回ろうか」
そう言って海は俺の手を握り、歩き出した。
文房具屋で筆記用具、クリアファイル、メモ帳を購入し、次におもちゃ屋へ向かった。
おもちゃ屋へ行くなんて、いつぶりだろうか? オタク用のショップなどには行っていたが、子供向けのおもちゃが売っているお店なんて、それこそ15〜16年振りではないだろうか?
「私、おもちゃ屋に入るの初めてなんだけど、こんな感じなんだ」
「そうか、海は初めてか」
「うん」
そういや、海って普段の行いからは想像つかないが意外と壮絶な過去持ってたな……
「……なぁ、店内を色々見て回らないか? 海との子供が出来た時に、子供におもちゃを買ってやることがあると思うんだが、どんなおもちゃがあるか知ってた方がいいだろ?」
「! うん! お兄ちゃんとの子供の為に、色々勉強しとく!」
海は俺の腕に抱きついてきたので、そのまま二人で店内を散策して回った。
今のおもちゃって意外と凝ってるものが多いかと思えば、昔からあるような物まで幅広く取り揃えられていた。
そして、ぬいぐるみコーナーにやってきてぬいぐるみを海と眺めていると、小さな子供がトコトコと傍にやってきた。
「…………」
女の子は呆然と俺のことを眺めているが……
こういう時は怯えさせないように笑顔だよな?
「……こんにちは、どうかしたのかな?」
「……男の人?」
「あぁ、そうだよ」
「! ネネ、初めて男の子見た!」
この子はネネって言うのかな?
「はは、そうか! ネネちゃんは何歳なのかな?」
「んー……5!」
「五歳か! ちゃんと年が言えて偉いね」
「えへへー! お兄ちゃん遊ぼ!」
「んー、遊んであげたいけど……さすがにここだとねぇ……ネネちゃんのお母さんはどこかな?」
「ママ、迷子になっちゃった」
……逆じゃないかな?
この子迷子か。
「そ、そっか、じゃあ一緒に探してあげるよ」
「本当! ありがとうお兄ちゃん!」
「ということで、ちょっと迷子センターに行こうか海」
「うん、いいけど……お兄ちゃんその子も妻にするとか言いださないよね?」
「どこにそんな要素があった!?」
「ずっとニコニコしながらしゃべってたから」
「怯えさせないように、笑顔を意識してたんだよ」
「ふーん……別にいいけど……」
「拗ねてる?」
「拗ねてないもん」
「拗ねる要素どっかあったか……?」
「……小さい子にお兄ちゃんって呼ばれてデレデレしてた」
「デレデレはしてないんだよなー……まぁ、俺の妹は海だけだから拗ねるなよ。あとでいっぱい可愛がってやるから」
「……あとでホテルね?」
「家でよくない?」
「家だと時雨姉も参戦するもん」
「……わかったよ。買い物終わったら休憩しに行こうか?」
「うん!」
「ネネも休憩したーい! 歩き疲れた!」
「ネネちゃんはダメ! お兄ちゃんは海のお兄ちゃんなの!」
……本当に海は学年首席なんだろうか? 今確実にIQ低いよね?
今度テスト結果を見せてもらおう。
「海、ネネちゃんは意味わかってないから……ほら、ネネちゃん、俺の背中に乗るか?」
「わーい!」
ネネちゃんは直ぐに俺の背中に飛び乗ってきたので、俺はネネちゃんを背負うとそのまま迷子センターを求めて歩き始める。
「迷子センターは一階にあるらしいよ」
「そうか、そこに行くまでにネネちゃんのお母さん見つかるといいな」
「そうだねー」
「お兄ちゃん、ネネ、喉乾いた」
「えぇ? んー、なんか飲み物売ってる場所あったか?」
「ネネ、あれ飲みたい!」
ネネちゃんが指差した方向を見ると、搾りたてフレッシュジュースの看板が置いてあるお店だった。
……こういう時、買ってあげるべきなんだろうか?
迷子を拾ったことなんてないから、わからないぞ。
「お兄ちゃん、あれ有名なお店だよ! 私も飲みたいから行こう?」
二対一になったら行くしかないな。
「わかったわかった」
俺たちはお店に寄り、俺がお金を出して、それぞれが飲みたいものを注文して、お店の外にある、テーブル付きの椅子に座り、休憩することにした。
ネネちゃんも歩き疲れてたっぽいからな。
「んー! おいしい! お兄ちゃん、ありがとう!」
「有名なのは知ってたけど、実際飲んでみると有名になるのがわかる味だね」
「そうだな、確かにうまいな」
★********★
この辺から完全に寄り道です……
今日はもう一つも更新してます! 良かったら見てねー!
応援、フォロー、星を付けて頂き誠にありがとうございます!
創作意欲に繋がるので応援、星を何卒・・・!
コメントもお待ちしております!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます