第91話 いやー……きついっす!

 親睦会? はそのあと軽く生徒会の人たちとお話したあと、俺も教室に戻ることにした。

 一応生徒会の人たちとは仲良くできそうだった―――


「大淀君、何かあったらすぐに言ってね? 必ず助けるから」

「何かあれば生徒会の名前を出しなさい」

「定期的に大淀君のクラスを巡回するように風紀委員と協力して、守るからね?」

「これ、私の連絡先。何かあったら連絡して?」


「「「抜け駆けするな!!」」」


「雪君、また明日勧誘に来るね♪」


 といった具合に、生徒会との関係は良好だ。

 そのまま、俺は教室に戻……るのもなー。今から戻っても中途半端だろうし……

 俺は教室の前を通らない通路を選び、適当に歩いた。

 やがて、校内の自販機が大量に並んでるコーナーに辿り着いたので、なんとなく寄ってみた。


 ジュースでも飲むか……えっ!? 全部ジュースかと思ったらホットスナックの自販機があるんだけど!? 焼きおにぎり、たこ焼き、フライドポテト、からあげ、ホットドック……めっちゃ食べたいんだが!? 学校にホットスナックの自販機があるってなんだよ! 最高かよ!

 ここ、テーブルもあるから昼食にも使われる感じか。

 明日はここで昼食にするか!

 いや、でも、今食べたいな……時間は……授業が終わるまでまだ時間があるな……

 いつ食べるか? 今でしょ!!

 俺は財布を取り出し、ホットスナックの自販機にお金を投入した。

 さて……ここはやはりたこ焼きだろ。

 俺はたこ焼きが出来上がるまでその場で待つことしたのだが……


「そこで何をしているんです?」


 …………タイミング悪すぎだろ。

 振り向くとそこには―――


「り、理事長」

 

「はい、そうです。よく覚えていましたね、大淀君」


 バッチリ名前覚えられてらぁ……

 そりゃそうだよな。入学式で挨拶したし、理事長も挨拶してたから、その場に居たし……あれ、俺詰んだ? 怒られるやーつだよね?

 理事長の見た目は……ちょっと気が強そうな……年配の方だろうか? 化粧が濃くてちょっとわからん。


「……す、すみませんでした。ちょっと物珍しくて思わず買っちゃいました」


「確か男の子はこの時間、生徒会と親睦会のはずですね?」


「えぇ、親睦会で他の男子生徒が帰っちゃったので、私も適当なところで生徒会の方に挨拶して抜けちゃいました」


「生徒会の人たちとは仲良く出来そうですか?」


「はい、それは問題ないと思ってます。ただ生徒会に誘われてるので、そちらはどうするか検討中ですが」


「ほう、そうですか……貴方は他の男の子とは随分違うようですね?」


「……よく言われます」


「でしょうね。クラスの女の子とは仲良く出来そうですか?」


「えぇ、それはもう大丈夫かと」


「それは良い事ですね。時に……どのような女性を妻にしようとしてますか?」


「……特に決めてませんが」


「そうですか、妻は何人まで決まっていますか?」


「今は二人です」


「なるほど……何人まで妻にするつもりで?」


「……十人以内にしようと考えています」


「そうですか。では予約しておきますね」


「予約?」


「貴方の妻候補として」


「……はい?」


「貴方が結婚する相手を集めれなかった場合、私が妻になるように男性保護省に立候補しておきます」


「……何故ですか?」


「貴方は他の男と違い、まともに会話ができ、貴方となら普通の生活をおくれそうですから、貴方の種が欲しくなりました。私はこれでも理事長ですからお金は持ってますよ? 何不自由ない生活をおくらせてあげれます。海外旅行なんていかがですか? 月一で一週間ほど行かせてあげれますよ? 今のうちに妻にしませんか?」


「出来るだけ同年代で妻を探そうかと考えてますので……」


「……そうですか、残念です。では、結婚相手が集まらなかった時は、よろしくお願いしますね? ではまた」


 理事長はそれだけ言い残し、その場から去って行った。

 ……えっ? 結婚相手集まらないとあの人と結婚することになるの?

 ……いやーーーーーーさすがにきつい!!!

 種が欲しいって何だよ! 金は持ってるかもしれないけど、さすがに嫌なんだが!?

 いくら女神様で色んな女性相手に慣れたとはいえ、さすがに嫌なんだが!?

 ……なんとしてでも結婚相手を見つけないと!!


 キーンコーンカーンコーン


 ……チャイムなっちゃったよ。

 とりあえず、たこ焼き持って教室に帰るか。

 俺は来た道を戻り、教室に向かう。

 教室に戻ると、すぐに時雨と桜と愛羅がやってきた。


「ユッキー、お帰り!」

「お帰りなさい雪君!」

「お帰り雪、それは?」


「あぁ、自販機コーナーに寄ったらホットスナックがあったから思わず買ったんだ」


「真っ直ぐ帰ってきなさいよ。とりあえず、ひとつ頂戴な」


「おう、明日はホットスナックで昼飯食おうぜ」


「ほんと、ジャンクな物が好きね」


「ユッキー! あーしも一個頂戴!」

「雪君、お姉ちゃんも一つ欲しいなぁ?」


 俺は三人にあーんでたこ焼きを食べさせ、残りの授業を終えた。

 そして、今日はさっさと家に帰り、海と時雨と晩御飯の準備をするが……今日は母さんも一緒だ。

 晩御飯を作り終え、みんなでいただきますと宣言した後に母さんから話があった。


「雪、男性保護省からあなたの結婚希望者の報告があったわよ」


「結婚希望者?」


「えぇ、雪が結婚相手を見つけれなかった場合、結婚する相手よ」


「……もしかして、学校の理事長?」


「そうよ。何か話あったの?」


「……学校で求婚された」


「お兄ちゃん、理事長の年齢がいくつか知らないけど、ストライクゾーン広すぎない?」

「誰にでも愛想振りまくからよ」

「お母さんよりも年上の人と結婚すると関係性が……でも、お金はあるでしょうから将来安泰と考えれば有りなのかしら?」


「なしだよ! さすがにきついよ!」


★********★

タイトル回収を加速させると言ったな? 

あれは嘘だ……!! (すぐ寄り道したくなっちゃう。もはや病気)


今日はもう一つも更新します! よかったら見てね!


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