第88話 顔合わせ In 生徒会①
「それじゃ雪、いい子にするのよ?」
「ユッキー、お迎えに来るから大人しくしててね?」
「それでは先生、家の雪のことよろしくお願いしますわ」
「だから子供かよ!」
それだけ言い残し時雨、愛羅、桜が帰っていった。
「ふふふ、随分と仲がいいんだね? 高校に入って仲良くなったのかい?」
「いえ、中学卒業して高校入学する間の期間に出会って、仲良くなりました」
「そうなのか! 彼女たちも妻にするのかい?」
「……したいなとは思いますが、まだもう少し仲良くなってからですかね? 二人ともいい子なのはわかってますけど、まだ出会ったばかりですし」
「もうベッドに連れ込んで、既成事実でも作っちゃえばいいのに」
「いきなりそんなことして、嫌われたくはないですよ」
「どうかな? 愛羅さんはわからないけど、お姉さんの方は喜んでベッドに入ってくれると思うよ?」
ありえるのか……? ありえそうだな。
「ありえそうですが……まぁ、流れに任せますよ。その流れになったら遠慮はしませんけど」
「ふふふ、そうかい? もう童貞じゃないんだろ? 未来に備えて私で練習するかい?」
「友梨佳先生って、そこまでしてくれる立場なんですか?」
「立場的な話ならNOだね。そこまでは許されてないよ。でも、私個人の意思なら別……雪君なら特別に相手してあげるよ♡」
そう言いながら俺に笑顔でウィンクしてアピールする先生……
以前なら適当に誤魔化してたけど……
「なら、近い内にお願いしてもいいですか?」
「おや! いいのかい!? ぜひともお相手しようじゃないか! 本当は今から相手してあげたいところだけど……今は都合が悪いからねぇ……うん、近い内に必ず相手してあげると約束しよう! その時に色々教えてあげようじゃないか♪」
友梨佳先生は知らない……俺が女神様で散々練習したことを……
返り討ちにしてやるぜ!
「えぇ、楽しみにしていますよ。ところで、今から何が行われるんですか?」
「あぁ、同じ学年の男子の顔合わせと、生徒会の紹介だね」
「んん? なんで生徒会の紹介なんですか?」
「男の子がクラスにいると色々と問題が起きるからね。男の子側も女の子側も……例えば、女の子が男の子に強引にせまったりだとか、逆に俺の物になれって女の子に言いよる子だとか……そういう問題が起きた時に即座に対応するのが生徒会なんだ」
「ふーん? そういうのって風紀委員の役割かと思ったんですけど、違うんですね」
「最終的には生徒会まで話が行くからね。風紀委員も忙しいだろうから、男女間のトラブルは生徒会の仕事らしいよ」
「そうなんですね」
「あぁ、じゃあ中に行こうか。生徒会の人達と何人かの男子が既に待っているよ」
「わかりました」
そう言って、友梨佳先生に案内され保健室の奥に行くと、中学の時と同じようにひとつの扉があった。
友梨佳先生は扉を開けて中に入っていくので、俺もあとをついていく。
そこは中学の時と同じように窓の無い空間で、中央に大きなテーブルが置かれており、そのテーブルの周りに生徒会の人っぽい人達が5人と、男が3人座っていた。
「男の子がもう一人きたよ。あと一人で全員だね」
「えぇ、出迎えありがとうございます。友梨佳先生」
そう返答したのは紗理奈先輩だ。
紗理奈先輩は俺に気付くとニコッと笑顔を向けてきたので、俺は微笑みながら会釈しておいた。
「じゃあ、こっちに座ってくれるかな?」
俺は友梨佳先生に案内され、席に着いた。友梨佳先生は俺を案内すると、また保健室の方へ戻っていたので、俺は周りの人たちを見渡す。
生徒会の人たちは、紗理奈先輩以外目つきが少し鋭く感じる。
無駄に怖いな……こんな人たちに囲まれて生徒会の仕事なんて息が詰まりそうだ。丁寧にお断りをすることにしよう……
他の男子は……物静かそうな感じだな。三人とも下を向いて俯いて……あっ、携帯でゲームしてるだけだわ。
ゲームか……最近は時雨と海が一緒にいるから全くしてないな……
ソシャゲしてた頃が懐かしく感じるよ……
こういう時の事考えて俺も何かしておくか? 自分の金じゃないし、課金は……一万くらいならいいか……? 宝くじ当たったし……
いや、携帯でできる有料ゲームの方が安く済むか。
俺も他の男と同じように、携帯を取り出し……いや、こんな生徒会が睨んでる状況で携帯ポチポチするのもなんか嫌だな。
友梨佳先生と駄弁ってようかな。
俺は友梨佳先生と駄弁るために立ち上がろうとしたところで、扉が開かれた。
「最後の一人がきたよ」
そう言って、友梨佳先生のあとから一人の男が入ってくるが……
体格はそこまで大きくはないがデカい。何がデカいって腹がデカい。
その年でその腹はやばいと思うぞ?
男は友梨佳先生に案内されると、ドカッ! っと音をたてながら椅子に座った。
「全員集まったみたいなので、始めさせてもらいますね? 顔を上げてもらえますか?」
紗理奈先輩がそう発言するが……一人は顔を上げるが、他二人は顔を上げない……
「聞こえませんでしたか? 始めますので、顔を上げてください」
紗理奈先輩が呼びかけるが……ガン無視かよ。
「おーい? 始めるらしいぞ?」
俺が声をかけると、携帯を弄っていた二人が目を見開いて、俺を見たあと生徒会の方を向いてくれた。
「……それでは、親睦会を開始しましょう」
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