第85話 おまけは3等賞☆
俺のMySonは海と時雨に長時間弄ばれた。
完全に憂さばらしだ。
二人ともまだ痛いらしいので主に上半身で弄ばれ、流石のMySonもダウンした。
「何も飲んでなかったら、これぐらい爆発すれば建築しなくなるのね」
「んー、今回はだいぶじっくりとやったからね。ぱっぱとやろうと思っても1時間位は時間かけないとダメかな? さすが絶倫の民だね」
「……その研究はいるのか?」
「また勝手に雪が外に出るかもしれないから」
「お兄ちゃん、今度鎖も買っとくね? プラスチックのやつじゃなくて、ステンレスか、鉄のやつ」
「ステンレスも鉄も絶対高いだろ……そんな金どこにあるんだよ……」
「お兄ちゃんが社長雌猫から貰ったお金で」
「まだ貰えると決まった訳じゃないのに……」
「え、雪? 金額の交渉とかしたんでしょうね?」
「してない」
「お兄ちゃん何やってるのさ! 抱き損じゃん!」
「抱き損ってなんだよ、初めて聞いたわ」
「はぁ……普通金額決まってからやることになるのに……」
「お兄ちゃん、ちゃんと連絡先は聞いてるよね? ちゃんと金額は一億円って言うんだよ?」
「完全に詐欺じゃねぇか! いいよ今回は。いい値にしとこう」
「今回ね……次回もあるような言い方ね?」
「えっ? いや、あるかどうかは知らないけど、よくある話なんだろ?」
「……そうね、次回する時はちゃんと十億円って言うのよ」
「そうだよお兄ちゃん、金額交渉する時は最初は強気に百億って言うんだよ?」
「二人のインフレ具合がひどい……実際はいくらぐらいでやってるもんなんだ?」
「さぁ? お金持ちの人しかそんな交渉しないって聞くし、安くはないんじゃない?」
「結婚もしてない一般の人が生命の神秘合体する機会なんて、お金か男性側の妻探し以外だと犯罪でしか聞かないわよ」
「そんなLvなのかよ……」
「そんなLvよ。だからもし次があれば千億といいなさいな。次があればね」
「そうだねー。次は1兆って前もって言うだよ? 次があればね」
次の機会なんて訪れるのだろうか……というかそんな国家予算払えるやついるのかよ……
「さっ、そろそろご飯食べよう! お兄ちゃんのMySonいじめすぎて、おなか空いちゃった」
「そうね。あぁ、そうそう、今日はテレビで宝くじの抽選発表が行われるわよ」
「ん? 何の話?」
「貴方が言って買ったんじゃない。桜が空から落ちてきたから、宝くじ買ったら当たるんじゃないかって」
「……そんな話あったな」
「空から落ちてくるって何? 雌猫桜はどこぞの有名なヒロインなの? 天空の城に導く石回収した? 私あの機械の兵士欲しいんだけど?」
機械の兵士を手に入れて何するつもりだよ……
海に桜との出会いの話をしながら、俺たちはリビングに降りて晩御飯の準備をし始める。
今日は……豚の冷しゃぶだ! 俺はせっせと大根を摺りおろすだけの男になり、海と時雨にメインの作業をしてもらう。
「あら、もう晩御飯の用意してたのね」
母さんもリビングにやってきたようだ。
「うん、お母さんの分も作るから座っといて」
「ふふ、そうさせて貰うわね」
そして、料理を作り終わり、リビングのテーブルに料理を並べた。
「「「「いただきます!」」」」
大根おろしにポン酢をかけて、それを薄切りの豚肉で巻いてパクリ……最高!
そんな中、時雨はテレビを付けて、宝くじの抽選が行われるチャンネルに合わせる。
『さぁ、いよいよスプリングビッククジの当選発表の時間です!』
『億万長者は誰のものになるのかーーー!?』
「これってけっきょく、一等だといくら貰えるんだ?」
「五億って書いてあったわよ」
「五億かー! 夢があるな!」
「えぇ、ちなみに二等は一千万ね」
「金銭感覚バグりそうだけど、一気に金額下がるよな」
「そうね、それでもかなりの大金だけど」
そして、時雨は宝くじ券10枚……三千円分を取り出すと机の上に置いた。
『それではまず組番号から―――ルーレットスタート!』
テレビではスタッフが並べられたルーレットを順番に回し始め、止まった数字が番号になるようだ。
『組番号は……19193! 19193です!』
「最初から違うじゃない。最初で違うとどうでも良くなるわね」
「俺たちの組番号はなんだったんだ?」
「19192よ」
「おしかったな」
「おしかった分余計にムカつくわね。あとで雪に補填してもらうわ」
「……どーして」
そのまま番組は進んでいき……もう時雨は興味なさそうだな。
『そして番号は―――200721! 200721です!』
「えっ?」
「どうした海」
「番号一緒じゃん」
そう言われて宝くじを見ると……確かに番号一緒だな?
「番号が一緒で組が違うとどうなるんだ?」
「えぇ? 確か裏に……」
時雨は宝くじをひっくり返し、内容を読むとそのまま固まった。
「……3等ね」
「3等? いくらなんだ?」
「……百万よ」
「「「…………」」」
ヒャ、百万!? なんとなくで買った宝くじが百万!?
……あれ、もしかしてこれがおまけか? 今夜期待しててって言ってたし。
「あらあら! 良かったわね! たまには何か奢ってもらおうかしら! 旅行にも行きたいわねぇ」
「あぁ、みんなでおいしい物食べに行こう!」
「良かったわ。これで安心して雪用の良い手錠買えるわ」
「手錠?」
「やったー! これで鉄製の鎖買えるよ! 何本か買っちゃおう!」
「おい、何に使う気だ」
時雨と海は早速と言わんばかりに携帯で検索し始めた……
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