第81話 女神様と試練☆


「いやいやいや……冗談ですよね?」


「冗談じゃないよ? ずっとここで私と一緒に住みたいならそれでもいいけど☆」


「……マジ?」


「大マジだよー☆ ちなみに、私からは手を出さないから☆」


「えっ?」


「積極性もないから、それも養ってもらおうと思ってね。いつもは海ちゃんや、時雨ちゃんが積極的に君を襲ってるけど、君にも女の子を襲う度胸をつけてもらいたいからね☆」


「…………」


「雪君は私の見た目どう見えてるかな?」


「それは……すっごく美人だと思います」


「あはは☆ そんな美人を雪君の好きにしていいってなったら、雪君はどうしたいのかな?」


 ……普段の俺はどうなんだろうか? 目の前に美人がいたら……仲良くしたい? ……仲良くしてどうしたいんだ? ……どうもしないな。やる目的で仲良くしてるわけじゃない。それに見た目が良くても、中身が酷かったらお断りだ。中身もよかったら……今は恋人がいるからな。ただその子と楽しく過ごしたいから仲良くするだけだろう。

 だが、やりたいかと聞かれれば……YESと答える。

 この質問はそう言うことなんだろうな。

 やることが目的でないとは言え、やれるならやっちゃいましょうってことだろう。

 それがこの試練か。


「うんうん☆ 何も無理やりやれとは言ってないからね☆ チャンスがあれば、君には積極的になって欲しいだけだから☆ もちろん、君が考える中身をみてからでもかまわないよ?」


 チャンスか……なぜ俺は手を出さないのか……

 下手なことをして関係が崩れるのが嫌だからだな……

 それで嫌われるかもしれないから恐れているんだ。

 じゃあ相手が求めているなら……?

 いいのだろうか……?

 少なくとも求められている以上やったとしても、嫌われることはないか。


 俺は恐る恐る女神様の腰に手を回し、自分の方へ引き寄せた。


「うふふ☆ それでどうするのかな?」


「……キスしてもいいですか?」

 

「もちろん☆」


 俺は女神様の唇に軽く唇を重ねて様子をみてみた。

 すると女神様は―――


「それだけ?」


 キョトンとした顔でそう告げてくる。


「ただのジャブですよ」


 俺は意を決して、海や時雨とする時と同じように、女神様の口の中に舌を入れ貪り始めた。


「んん……れあっ……んっ……あむ……んむ……」


 女神様も待ってましたと言わんばかりに、俺の舌に自分の舌を絡めてくる。

 あぁ、わかるぞ。俺は既にソロキャンを始めている。

 そのまま俺は女神様の胸も遠慮なく揉みしだくことにした。


「んんっ……ふふふ☆ どうかな? 神様のおっぱいは?」


「……最高です」


「うふふ☆ そっかそっか! あぁ、それとね?」


「? なんですか?」


「最初は戸惑いながらも、時間経ったら私に慣れてくるだろうから、途中から姿を変えるからね?」


「はい?」


 すると女神様は一瞬眩しく発光し、俺は反射的に目を閉じた。

 そして、目を開けると……


「……桜?」


 先ほどまで女神様がいた場所には桜がいた。


「見た目だけね☆ こうすれば、君は簡単には慣れないだろうからね☆」


「そこまでするんですか……」


「言ったでしょ? 君の貞操観念を破壊するって☆ まぁでも、最初は私を満足させて欲しいかな☆」


 そしてまた、女神様は一瞬だけ発光し、元の姿に戻っていた。


「……随分と意地悪な試練ですね」


「そうかな? そうかもね☆ まぁ、嫌ならここに一生住んでもらうだけだから☆」


「……海や時雨はどうなるんですか?」


「どうにもならないよ? 君がただ消えるだけ☆ そしたらきっと、海ちゃんと時雨ちゃんは、ずっと君を探してることになるだろうけど☆」


 …………やってくれたな。


「ふふふ☆ 本当はこんなことする気なかったんだけどね。君が時雨ちゃんや海ちゃんに愛を教えたのを見て、君に可能性を見出したんだ☆」


「……可能性?」


「君が女の子と仲良くすることで、周りの男の子も感化されて、他の男の子ももう少しだけ積極的になる可能性をね☆」


「……俺を女の子慣れさせて、親しくしているところを他の男にも見せて焚きつけようってことですか」


「ふふふ☆ でも、君にとって悪いことじゃないよね? 君は死ぬとき、どう思ってたかな?」


 ……俺は死ぬとき『もっと積極的に女の子と関わろう、そして……恋人を作って今度こそ童貞を捨てよう。』と考えていた。そして今、恋人を作って童貞は捨てた。


「そうだね☆ でもその前にもっと積極的に女の子と関わろうとも思ってたよね? 以前の君の人生がどうだったか詳しくは知らないけど……君は後悔していたんじゃないかな? 女の子との関わりが薄かったことに」


「……そうですね」


「今でも一歩引いた節があるよね? 女の子がアピールしても知らない人には、俺は興味ありませんみたいな。桜ちゃんや愛羅ちゃんみたいに関わりがある子は別だろうけど……本当は興味津々なのにね☆ おっぱいとかチラチラ見てるでしょ? あとふとももとかも☆」


「…………」


「前世とこっちは別なんだから、もっと君の欲望をさらけだしてもいいんだよ? 逆にそっちの方が君にとっても、私にとってもWin−Winなんだから☆」


「……そうなんですかね?」


「うんうん☆ だから手始めに、私で練習しよ? 雪君のしたいこと、私で試したらいいよ☆ ダメな時はダメって言ってあげるから☆ それに以前海ちゃんや時雨ちゃんが言ってたじゃない。体の相性で結婚相手を探してもいいって☆ 仮に子供出来ちゃっても平気平気☆ いずれあの子たちにも子供授けるんだから、問題なしなし☆ とりあえずこれは、その練習だと思えばいいから☆」


 子供が出来ても平気平気って……

 ……まぁ、やるしかないんだろうな。

 どのみち、海と時雨を人質に取られているようなもんだ。

 二人を泣かせたくはない。


「ふふふ☆ 雪君は優しいね☆ じゃあ好きにしていいよ? 私にやって欲しいことがあったら遠慮なく言ってごらん? 考えは読めるけど、あえて口に出さないとやってあげないからね☆」


 ―――そして俺は、女神様に手を出した。


 どれだけやっていたのだろうか?


 やって疲れては休んでを繰り返し欲望をさらけ出した。

 数日その空間にいたんじゃなかろうか? 正直、こんな試練だからやりっぱなしになるかと思ったけど、疲れたら俺を休ませるように、優しくしてくれたのは意外だった。

 そして、女神様に抱きしめられながら寝ることで時間の感覚がわからなくなっていた。


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