第79話 いざ、試練へ
体きっつ……あれ、俺今起きたんだよな?
体が重い。さすがに、はしゃぎ過ぎたか……
とりあえず、水が飲みたい……
俺の両隣には海と時雨が生まれたままの姿で眠っている。
俺は二人を起こさないようにベッドから起きて、海が着替えて戻ってきた時に飲み物持ってきていたからそれで喉を潤す。
ふぅー……
さて、俺はやるべきことがある。
女神様と数日以内に会わないといけない。
数日以内だから明日でもいいんだろうけど、こういうのはさっさと終わらせておくべきだと思うんだ。
夏休みの宿題で言うと、前半にさっさとやってしまい、後半楽するタイプだ。
と言っても、さすがに起きてすぐ動く元気はないので、軽く食事でもするか。
部屋から出てリビングに行くと、そこには母さんがいた。
「あら、おはよう雪」
「あぁ、おはよう母さん」
「ゆうべはお楽しみでしたね?」
「……えっ?」
「やったんでしょ? 海と時雨ちゃんと」
「……聞こえてたの?」
「実際の声は聞いてないわよ。昨夜やるって聞いてたから、私と干菜さんは外出してたんだから」
「まじかよ……」
母さんたちのことも計画に入ってたのか。
「その様子からすると、疲れてるでしょ? 朝ご飯作るわ。適当にご飯と味噌汁使った軽い物にするわね」
「ありがとう母さん、できれば肉も食いたい」
「ふふ、ならウインナーも付けるわね」
そう言うと、母さんはキッチンに移動し調理を始めてくれた。
俺はテーブルに向かい、椅子に座ると上半身を机に預けるように倒れ込んだ。
すると、階段の方から誰かが降りてくる音が聞こえた。
音の主はそのままこちらの方へ近づいてきたので、俺は顔をあげて挨拶を交わす。
「おはよう、時雨」
「おはよう……体が痛いわ……主に下半身が」
「初めてはそんなもんなんだろ。俺も腰が痛い」
「そうね……痛みが止むまで少し控えるわ。二、三日位」
「よかったよ。あの様子から今日もって言われると思ってた」
「気持ちとしては今日もやりたいわよ。あれを知ってしまったら、もう戻れないわ」
「まぁ、それには同意するよ……」
一応時雨は昨日の衣装と違ってちゃんと寝巻きに着替えて降りてきている。
「おはよう、時雨ちゃん。時雨ちゃんも朝食食べるわよね?」
「おはようございます、秋さん。食べたいです。よろしくお願いします」
「ふふ、ちょっと待っててね。海は降りてくるかしら?」
「えぇ、多分降りてくると思います。ちょっと小鹿みたいになってましたが」
「うふふふふ、そうなのね。じゃあ海の分も準備しておくわ」
時雨は俺の隣の席に着き、ピッタリと椅子をくっつけて、俺に覆いかぶさってくる。
「重たい」
「うるさい」
甘えたいんだろうな……
そのままボーっとしていると、時雨同様着替えた海がリビングにやってきた。
「おはよう……」
「おはよう、海」
海は壁に手を当てながらヨロヨロと俺に近づき、時雨の上から覆いかぶさってくる。
「おもっ……」
「重いわよ」
「じゃあ少しずれて」
俺と時雨は半歩分ズレて、海の座るスペースを作ってあげると海はそこに座り、横から俺に抱きついてくる。
「あらあら、仲良しね。ご飯出来たわよ」
「ありがとう、取りにいくよ。ほら海、時雨、ご飯食べるからどいてくれ」
海と時雨はダウンしているので、代わりに俺がみんなの料理を並べて……今日は母さんの隣に座るか。
「「いただきます」」
「いただきます……」
「いただき……ます……」
海と時雨はいつもと違い、モソモソと食べ始める。
「昨日よっぽどだったのね。いつもの元気がないじゃない」
「初めてなので、ちょっとはしゃぎすぎました……」
「加減考えないと、やばいねこれ……」
「うふふ、そう。なら今日は私が雪にあーんしてあげるわね。雪、あーん?」
「あーん……んん、おいしいよ、母さん」
「ふふふ、よかったわ」
「雪、今日はゆっくりするでしょ?」
「あー……今日は軽く外歩きながら神社に行こうと思ってる」
「えぇー……家でゆっくりしないのー……?」
「あぁ、今日のうちのやっておきたくてな。と言っても、すぐには行かないが……海と時雨は家に居てもいいんだぞ? きつそうだし」
「お兄ちゃん一人で行かせれる訳ないでしょ」
「雪一人とかダメに決まってるじゃない」
「変装したら大丈夫だろ」
「それでもだよ」
「そうね、一緒に行くから……せめてお昼過ぎまで休ませて頂戴な」
「わかったよ。二人来るなら変装しなくても良さそうだしな」
そのまま、皆で食事を終え……俺と海と時雨はお風呂に入ることにした。
母さんが俺たちが降りてくる前に入れておいてくれたのだ。
さすがにこのまま出る訳にはいかないからな。
「ふぅ……気持ちいいわねぇ……」
当然だが、3人一緒に入っている。
今回は海が後ろで時雨が前だ。
「あぁ、そうだな」
「ところで、なんで神社に行くの?」
海の質問にどう答えるべきか……あぁ、そうだ。
「ほら、以前神社でお参りしようって言ったじゃないか」
「……なんかしたね、そんな話」
「あぁ、思い立ったが吉日なんて言葉もあるし行こうかなって」
「ふーん」
そして、俺たちはお風呂から上がり、昼過ぎまでのんびりしたあと、神社に向かって家を出た。
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