第78話 初めては三人で


 桜と愛羅が帰り、俺と海と時雨はお風呂に入ることにした。

 いつものようにみんなで洗いあったあと、三人密着しながら湯船に浸かっている。

 後ろに時雨、真ん中に俺、前に海並びだ。

 さすがに、それなりに風呂が広いとは言え、肩まで浸かることは出来ない。


「今日は大変だったなぁ」


「そうね。入学式のことは許せないから全力でこのあと爆破するけど」

「お兄ちゃん何したの?」

「雪ったら勝手に新入生男子代表になって、全校生徒の前でみんなと仲良くしたいって言い出したのよ。クラスでもみんなに仲良くしてくれなんて言うもんだから、学年中の女子生徒が雪目当てに廊下にまで集まってきたのよ」

「……ギルティだね」


「いいじゃないか、他の女の子と仲良くしようとしても。妻探さなくちゃいけないんだし、このまま妻が出来ずに一、二回り年上と結婚なんて嫌だぞ」


「それはそうなんだけどさぁー……やっぱ今日やることにして正解だね」

「えぇ、妻探しはわかるけど下手したら奪われそうだし、今日決行ね」


「何の話?」


「すぐわかるわよ」

「うんうん、ほらお兄ちゃん、今日はあんまり時間ないから今のうちに揉んで?」


 俺は言われた通り、海の胸をモミモミと揉み始める……慣れてきたけど、反応しなくなるのは無理だな。

 さっきの王様ゲームで俺の息子はKINGになったし、脳内天使も今日はもう性の獣とやる気満々だし、全力で楽しむことにしよう。

 俺は自らの興奮のために海の胸を味わうことにした。


「んっ、あは! お兄ちゃんもうやる気満々だね! 背中に如意棒が当たってるよ!」

「ん? あら、本当ね。雪の如意棒が伸び切ってるじゃない」


 海は背中で、時雨は直に触り俺の状態を把握したようだ。


「そりゃなぁ、王様ゲームでやられたし、明日休みだし、入学祝いにパーっとイチャイチャやろうか」


 俺がそう発言すると時雨は後ろから抱きつき、海は俺の方を向いて正面から抱きついてきた。


「言質取ったからね?」

「今日は寝かせないから?」


「さすがに寝ることは許してくれ……」


 それから俺たちは、お風呂を上がり、俺の部屋までやってきた。


「ふぅー、風呂上がりって暑くて動きたくなくなるな」


「あっ、じゃあ、冷たいもの持ってきてあげるよ。ついでに着替えてくるね」


 そう言うと、海は部屋から出ていった。


「あら、もう着替えるのね。なら私もそうしようかしら」


「二人とも何に着替えるんだ?」


「正装よ」


「正装?」


「まぁ、待ってて頂戴な」


 時雨も俺の部屋の窓から自分の部屋へと戻っていった。

 ふむ? 別にいつもの格好でもいいと思うが……高校入学ということで、何か派手にするつもりなのだろう。

 まぁ、俺もその気だし、海や時雨相手なら今更だ。存分に性の獣を放し飼いにしてやろう。脳内天使も好きにしていいぞぉー


そして、部屋のベッドの上で携帯を弄っていると部屋の扉が開かれた。


「お兄ちゃん、お待たせ」


「おう、おか―――」


 海が戻ってきたので海を見ると、かなり攻めている黒いセクシーなネグリジェ衣装だった。


「すごいな。素直にエロい」


「んふふー! 前々から準備しといたんだ!」


「お待たせ。私も準備完了よ」


 窓の方から時雨の声が聞こえたので、そちらを見ると時雨も似たような格好をしていた。大きな違いがあるとすれば時雨の色は暗めの赤と言ったところだろう。


「おぉ、時雨もエロいな。似合ってるぞ」


 二人は俺の両サイドにそれぞれ座るとしなだれかかってきた。

 俺は二人の腰に手を回し、さらに自分の方へ引き寄せる。


「ふふふ、やる気満々で嬉しいわ。はい、これ飲んで?」


 時雨一緒に持ってきた小袋から瓶を取り出すと俺にそのまま渡してきた。


「何これ?」

「栄養ドリンクよ。友梨佳先生に貰ってきたのよ」

「それを貰ってたのかよ」

「えぇ、それと男性保護省の提出に使うゴムよ」

「あぁーそういうことか。じゃあ使うか」

「今日は使わないわ。来週使うのよ」

「なるほど」


 俺は時雨に渡された栄養ドリンクを何の疑いもせず、一気に飲み干した。


「……思った以上においしくないな、これ本当に栄養ドリンクなのか?」

「嘘よ」

「はっ?」

「ねぇ、雪、覚えてるかしら? 世間的に見て、子供がいてもおかしくない年齢ならやってもいいって言ったわよね?」

「うん? うん、言ったぞ」


「お兄ちゃんさ、世間的にみて大人の仲間入りしたぐらいとも言ったよね?」

「…………えっ?」

「世間だと中学生はないけど、高校生って大人とみられたりする場合もあるよ? バイトで働いたりすることもできるし」

「待て待て、まだ未成年だろ?」


「世の中の男性は高校生になって本番する場合があるから、子供が居てもおかしくないわよ。なんなら中学生で子供いる人もいるし」

「嘘だろ……?」


「こんなことで嘘つかないわよ」

「だからお兄ちゃんが高校生になるの待ってたんだから」


 …………えっ?


「さっきのドリンクはね、性欲がない男性のビルを強制建築させる物よ」

「なんてもの飲ませやがった!」


「もう逃さないからね」

「さすがに子供は早いと思う……」


「安心なさいな、ちゃんとお薬飲んで大丈夫なようにしてるから」

「子供はもう少し大人になってからね。できなくても行為はしたいから!」


「俺……初めてなんだが……」


「私もよ」

「私もそうだよ?」

「ねぇ、海」

「何?」

「初めては私に頂戴?」

「えぇー」

「第一夫人は譲ってあげたでしょ?」

「……高くついたなー」

「ふふ、ありがとう」


 ……ここまでだな。童貞を捨てたいと死ぬ時思っていたことだし、ここまでお膳立てされたのなら、今がその時なのだろう……覚悟を決めるか!


「……やるかぁ!」


「覚悟決まったのね」

「楽しもうね、お兄ちゃん!」


 ―――そして俺は今日、人生で初めて大人の階段を駆け上がった。


★********★

※このコメント欄は紳士の方にしか見えません。

(聞こえますか……今紳士の貴方に話しかけています。)

(③を……③を見るのです……③がわからない紳士はどれかのアンケート結果を……)

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