第77話 やればできる子!


 俺は海と時雨の攻めに耐えれることなく、俺のテントが愛羅を押しのけようと張り始めた。


「へっ……?」


 ……愛羅が気づいてしまった。


「なんか、お尻がめっちゃ温かいんだけど……? あと硬い……」


 俺がテントを張ったことを察した海と時雨は耳舐めヘブンをやめてくれた。


「あら、早かったわね」

「お兄ちゃんもうビル建築しちゃったんだ? 思ったより早かったね」


「えっ、これってそういうことだよね? え、やば! マジで温かいんだけど!」


 愛羅はおしりで俺のテントを上から圧をかけたり、挟もうとしたりしている。


「ちょ、愛羅、勘弁してくれ! ギブアップだ!」


「あらあら、楽しそうね? お姉ちゃんも混ぜてもらいたいなぁ?」


「あの……まじで勘弁してもらえないでしょうか……」


「ユッキー、ドキドキした?」

「しました……」

「これであーしも大人の仲間入り?」

「……中学生ぐらい?」

「……一旦それで。あーしも恥ずかしい」


 愛羅は顔を真っ赤にしながら俺から離れてくれた。

 そして俺はすかさず両手で前を隠しながら服を着始めた。


「建築は出来たし、一先ずここまでにしましょうか」

「そうだねー」


「爆破はしないんですか?」


 桜はやる気なのか……?


「それは私たちのお楽しみよ」

「桜姉はお預け!」


「ケチ!」


 正直危なかったな……色々と……

 それから皆服を着始めて、俺の部屋で晩御飯の時間まで適当に過ごした。

 あったことと言えば……

 桜が俺のベッドでゴロゴロしてマーキングしたり、愛羅が海が持っているそういう本を見て顔を真っ赤にしたり、みんなでゲームをしたりして遊んだ感じだ。


「よし良い時間になったし、晩御飯作るか。愛羅いくぞー」

「あーい! ユッキー先生ご指導お願いしまーす!」


「私たちもリビングに行きましょうか」

「軽く運動しとこうかな」

「お姉ちゃんも軽く運動したいです!」


 俺と愛羅は料理、時雨はリビングで待機、海と桜はトレーニングルームに向かったようだ。

 俺と愛羅は手を洗い、準備を進めていく。


「とりあえず愛羅は米炊いてくれ」

「りょ! 研げばいいんだよね?」

「だな。その間俺は、鳥の下処理だ」


 俺と愛羅はそれぞれの調理を行っていく。


「ユッキー、研いだよー!」

「そうか、なら炊飯器にセットしようか」


 愛羅に炊飯器の使い方を説明しながらセットした。

 これで米は大丈夫だな。


「んじゃ、次はサラダ用に野菜切ろうか」

「りょ!」


 なんか不安だな……一応どんか感じか見ておくか。

 愛羅はキャベツを千切りに切ろうとしているが、苦戦している。


「なんか難しいねこれ、漫画とかテレビのCMとかだとトントントンって切ってるのに」

「あれは慣れないと無理だよ。とりあえず、ゆっくりでいいからやってみよう。コツは―――」


 愛羅に手の使い方、包丁の動かし方などを説明しながら、キャベツ、トマト、ネギの切り方のお手本を見せ、実際にやらせることにした。


「うんうん、いい感じだぞ。とりあえず、その調子でキャベツとトマトとネギを切ってくれ」

「りょ! あんがとユッキー!」

「役に立てたようで何よりだ。ゆっくりでいいからな? 怪我だけはしないように」

「気をつける!」


 さて、愛羅はこれでいいとして、俺の方だな。

 下処理を終えたので、あとは油で揚げていく。

 じっくりと揚げている間に片手間にソース作りでもしておくか。


「ユッキー、こんな感じでいい?」

「お、できたか」


 どれどれ……いいんじゃないか?


「うん、完璧だ。ありがとう愛羅!」

「ニシシ! ユッキーが教えてくれたおかげだよ!」

「教えてちゃんと出来るんだから愛羅の力だよ。よく頑張ったな」


 俺は子供を褒めるみたいに愛羅の頭をよしよしと撫でてあげた。


「ふぁぁぁ……あーし、初めて頭撫でられたかも。そっか、こんな感じなんだ」

「そうなのか? また撫でてやるから、料理頑張ろうな?」

「……りょ! 次何したらいい?」

「それじゃ次は―――」


 俺は愛羅にたまごスープの作り方を教えながら、鳥を揚げ、油淋鶏決めてのソースを作る。


「よし、出来たな」

「できたー!」

「愛羅は料理しないだけで、やろうと思えばちゃんとできるじゃないか」

「ユッキーがちゃんと教えてくれたおかげだよ! あんがと!」


 俺はまた愛羅の頭を無意識に撫でていた。

 愛羅は嬉しそうに目を細めている。


「あぁ、また料理しような」

「うん! またユッキーと料理する!」


 愛羅は満足そうに優しく微笑みながら、俺に返事をした。


 さて、料理ができたのでみんなを集め、夕食の時間にした。


「「「「「いただきます!」」」」」


「へぇ、美味しいわねこれ」

「うん! お兄ちゃん美味しいよ!」

「雪君はお料理も上手なんですね」


「愛羅が手伝ってくれたからな」


「ニシシ! 頑張ったよ! またユッキーと一緒に料理するから!」


 満足な晩御飯を終え、少しのんびりしたあと桜と愛羅は帰っていった。


 そして、宣言通り爆破の時間がきた。

 入学祝いと合わせて派手な爆破の時間が―――


★********★

そろそろタイトル回収加速させます!

次話でいよいよ……


1週間に1度執筆意欲が0になる日があるせいでストックが減ってくぅぅ


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