第74話 Re:合コン定番のゲーム☆①


<SIDE 時雨>


 私たちは一時的に海の部屋にきて作戦……と、言うよりも合図を決めないとまともなゲームにならない。そうならないようにするために、すり合わせをする必要がある。


「それで、この人数でどうするの? 海だけならうまく連携出来たけど、さすがにこの人数じゃ厳しいんじゃないかしら?」

「うーん、そうなんだよねー。何か合図が必要だよね」


「海ちゃんも時雨ちゃんもよく乗り気になりましたね? てっきり拒絶するかと思いましたが」


「まぁ、私たちには私たちの考えがあるのよ」

「うんうん、今日だけ特別」


 そう、桜と愛羅を参加させるのは……今日は別に構わない。その方が雪も喜ぶでしょうし、利用させてもらいましょう。


「今日だけ特別って、今日何かあるの? 入学祝いのパーティとか?」

「そんなとこよ」


 パーティ……あながち間違ってはないわよね。


「ふーん? ところで、前回ってどんなことしたの? あーしやったことないから、男の人と仲良くする為のゲームとしか知らないんだけど?」


「……愛羅はそもそも、王様ゲームがどんなゲームか知ってるのかしら?」

「知らない!」

「……王様ゲームって言うのは、王様と書かれた棒と数字が書かれた棒があって、それを各々が引いて王様が番号を言って命令するのよ。例えば、1番と2番がキスをするとか」

「キ!? キキキスって!? えっ、待って、前回何したの!?」


「前回は異性の好きな部位を聞いて、指とか耳舐めたりとか、胸に抱きしめたり、二人で雪を抱きしめたあとに首に痣が出来るようにキスしたりしたわね」


「は、はぁぁぁ!? 王様ゲームってそんなことすんの!?」

「そうよ。全部雪にやってあげたわ。お子様の愛羅には難しいでしょうけど」

 

 言ってて思うけど、実際の合コンで行われる王様ゲームってこんな感じなのかしら?

 見たことないから雪が興奮するように過激にしてるつもりだけど、普通の男にしたら嫌がられそうよね……


「お、王様ゲームってそんな感じなんだ……! あーし出来るかな……いや、ここでやらないとまたユッキーにバカにされる!」


「そこまでしてるんですね……お姉ちゃん頑張ってみるね!」

「いつまでお姉ちゃんって言ってるのさ? 認めないからね?」

「もう雪君のお母様と時雨ちゃんのお母様には認めてもらいましたよ?」

「はぁぁぁ!? ちょっと、どういうこと時雨姉ぇ!?」


「私に言われても困るわよ。お母さんたちが勝手に認めたんだから」


「ぐぬぬぬ……私は認めないから! 雌犬桜!」

「犬より猫の方が好きなので猫でお願いします!」

「雌猫桜!」

「どうせなら、時雨ちゃんと同じように姉もつけちゃいましょ?」

「つけるか!」


「ほら、それより作戦を練るわよ。合図は―――」


 私たちは合図を決める。これさえあれば雪を簡単にコントロールできる。

 今日はあれをするから雪を―――


**********


<SIDE 雪>


 4人が戻ってきた。4人の顔を見ると……海や時雨はいつも通りだが、桜は決意した顔してるし、愛羅はガチガチに緊張した顔をしている。

 あれを桜と愛羅もやるのか……?


「……もう一度言うが本当にやるんだな?」


「やるわよ」

「やる!」

「やりましょう!」

「……や、やる!」


 時雨、海、桜、愛羅がそれぞれ返事をする。

 ……理性の天使よ、頼む。最近君が闇落ちしてるのは知ってるが、今日だけは久しぶりに仕事してくれ……他の日は好きにしていいから。いいな? 本当に頼むぞ?


「―――さぁ!」


「「「「王様ゲーーーーム!!! イエーーーーーイ!!!」」」」


 ドンドンパフパフーーー!!!


 海、時雨、桜、愛羅がそれぞれ小さな太鼓、パフパフラッパ、タンバリン、ハーモニカで開催の音を鳴らした。

 それを準備するために作戦タイム求めたわけじゃないよね?


 ―――そして海が前回と同じように棒を取り出し、それぞれが棒を引いていく。


「それじゃ、いっくよー! 王様の命令はー?」


「「「「「ぜったーい! 王様だーれだ!!!」」」」」


 俺は……王様ではなく、3だ。


「私です!」


 桜が王様のようだ。


「まずはかるーくですよね。かるーく」


「そうだな」


 さて、桜はどんな命令をするのか……

 そして、桜は皆を見渡して、命令を下した。


「1番と3番は今後私のことをお姉ちゃんって呼ぶこと!」


「「はぁ?」」


 1番と3番は俺と海だった。

 ピンポイントに俺と海を指名するとか、これがお姉ちゃんパワーかよ……


「雌猫桜……」

「んー? 王様の命令はなんでしたっけ?」

「……雌猫姉」

「お ね え ちゃ ん」

「……桜姉」

「はーい! お姉ちゃんですよー? ほら、雪君は?」


「はぁー……わかったよ。桜姉さん」


「うんうん! もう満足したから終わる?」


「「終わるか!」」


 俺と海はすぐに否定する。


「ほら、雪と海を、次やるわよ」


「俺も王様になりたいな」

「……絶対桜姉にギャフンと言わせてやる!」


 ……せめて何か一太刀入れたいものだ。


★********★

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