第73話 男性と親睦会と言えば、あれですよね!


「「「「「いただきます!」」」」」


 お昼は宣言通り、時雨と桜が作ってくれた。

 内容は長ネギとごぼうの天ぷらが入ったうどんと、天かすとつゆと青のりをご飯に混ぜ込みおにぎりに……悪魔のおにぎりだ。

 めちゃくちゃ美味しそうだ!

 俺は一口悪魔のおにぎりを口に運ぶ。


「うーん! この悪魔のおにぎり最高だな!」

「あら、悪魔のおにぎりって知ってたのね」

「あぁ、一時期よく食べてたよ」


 コンビニで販売された時はよく買ったなぁ。

 時雨はが作ってくれたやつは、それより断然うまいけど。


「うーん! これマジウマウマじゃん!」

「えぇ、おいしいですわね」


 愛羅、桜も満足のようだ。


「お兄ちゃん、あーん?」

「あーん……うん、ごぼうの天ぷらもうまいな、ほれ、あーん」

「あーん……うん、おいしいね!」


「ウミウミとも普通にあーんするんだ?」

「雪君雪君! お姉ちゃんもあーん?」


「海も大事な恋人だからな。ほら、桜、あーん」

「えっ? 恋人って複数ありなの?」

「逆にダメな理由がないだろ」

「……確かに?」


 愛羅は素直に納得してくれたようだ。


「雪君、お姉ちゃんとも恋人になる?」

「も、もう少し親睦を深めてから……」

「親睦……そうだ! あれをしましょう!」


「「「「あれ?」」」」


「男性と親睦を深めるなら……王様ゲームですよね!」


 ……それ共通認識なんだ?


「あー! なんか男性が参加する合コンではお決まりらしいね! あーしもやってみたいかも!」

「待て、あれはまずい」

「まずい? 何がまずいの?」

「以前海と時雨とやった時、大変だった」

「大変って?」

「……愛羅が大人になればわかる」

「……へぇー? じゃあ、大人になるためにやろっか?」

「おい、まじかよ」

「絶対にユッキーをギャフンと言わせてやる!」


 いかん……愛羅を焚き付けてしまった……


「雪君雪君、前回はどんなことしたんですか?」

「……その……理性がおかしくなるような?」

「なるほど……お姉ちゃん、ちょっぴり恥ずかしいけど頑張るね!」

「頑張らなくていいんだが???」


 なんで桜も乗り気なの?


「久しぶりに王様ゲームも悪くはないわね」

「そうだねー。いざとなったらお風呂かトイレ行こうね、お兄ちゃん?」


「まじで言ってるの……?」


 時雨と海が乗っかってくるのも予想外なんだが……?


「桜と愛羅が参加するのはあれだけど、久しぶりに雪とイチャイチャしながら触れ合いたいもの」

「いつもイチャイチャしてるじゃないか」

「ゲーム感覚だからおもしろいんじゃない」


 ゲーム感覚で俺の理性の天使を壊さないで頂きたい。


「お兄ちゃん嫌な感じ出しつつ、実はうれしいんでしょ?」

「……嬉しい、嬉しくないで言えば嬉しいけど、さすがに羞恥心というものがだな?」

「まぁ、私と時雨姉以外いるのは嫌だけど、おもしろそうだし、いざとなったら私の部屋に連れて行って処理してあげるよ」

「それをやめろって言ってるんだ! さすがに、桜と愛羅の前では勘弁してくれ」


 みんなの前でソロキャンプとかどんなプレイだよ……


 そんな俺の意見は華麗にスルーされ、黙々とお昼ご飯が食べられた。

 そして場所は移り変わり、俺の部屋である。

 

「へぇー! ここがユッキーの部屋なんだ! あーし、初めて男の子の部屋に入ったけどこんな感じなんだ? ゲームや漫画がいっぱいじゃん」

「私も初めて男性の部屋に入りましたけど、思ったより普通ですね? 聞いた話だと男性はあまり外に出ないから、汚部屋が多いって聞いてましたが……あっ、この間の猫耳のタペストリーも飾ってるんですね」


 桜と愛羅は初めての男部屋の為、辺りをキョロキョロしている……


「男の部屋にどんなイメージ持ってたか知らんが、俺の部屋はこんな感じだぞ。毎日海や時雨が来るし、定期的に清掃してるし、ルームスプレーも使ってるから変な匂いとかもないはずだ」


「んー、ユッキー見てると今までの男性の話が全部嘘に思えてくるよ」

「そうですね。海ちゃんや時雨ちゃんがよく部屋に来るなら如何わしいものも少なさそうですし……確かベッドの下によくあるんですよね?」


 そう言うと、桜はベッドの下を見るが当然そんなものはない。


「ないよ。あったら取り上げられてるよ多分」


「そうですか……漫画だと、弟のそういう本を取り上げて、恥ずかしがる姿があってそれを見たかったんですが……残念です」


 桜のお姉ちゃん知識は漫画由来なのか……?


「あー、それで、まじでやるのか……?」


「まぁ、いい機会ですし、やってしまいましょう。どれだけ私たちが雪を愛してるのか見せつけてあげる」

「そう言うゲームじゃないよね?」


「お兄ちゃんをデレデレさせれるのは、私たちって言うのをちゃんと理解してもらう必要があるから」

「それ本当に必要?」


「絶対にユッキーをギャフンと言わせてやるから!」

「どういうゲームか多分わかってないよね?」


「真のお姉ちゃんになるためには超えなくちゃいけない試練なの!」

「本当のお姉ちゃんはこんなゲームしないと思うぞ?」


 時雨、海、愛羅、桜の順にツッコミを入れるが聞いちゃくれない……


「と、いうことで……」


 海と時雨が顔を見合わせると、久しぶりにあの言葉が発せられた。


「「作戦たああああああああああああいむ!」」


「……王様ゲームに作戦とかないよね?」


★********★

すみません、さすがに余裕がなくなってきたので今まで1話2500文字を目安にしてましたが、2000文字を目安に更新していきます……


今日はあっちも更新です! よかったら見てね!


応援、フォロー、星を付けて頂き誠にありがとうございます!

創作意欲に繋がるので応援、星を何卒・・・!

コメントもお待ちしております!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る