第35話 3人でショッピング行こうぜ!
学校に行き初めて、数日が経った。
海や時雨と仲良くしつつ、平穏? を過ごしていた。
あの技術本を手に入れてからは、毎日誘惑されては理性を壊され、練習に付き合わされている。正直、俺の理性の脳内天使が闇落ちして堕天しそうなんだが?
毎回3人でお風呂に入って誘惑されたら、そら無理って話ですよ。
他にあれから変わったことと言えば、朝は汚れてもいい私服姿で3人で筋トレに交じるようになり、あとは―――
「お兄ちゃんも護身術習うの?」
「習うって言うか、海や時雨に教えてもらえればいいなって程度だけど、ダメか? 最近何かと心配されるし、念のため習っておこうかと思ったんだが」
「まぁ、外に出たら何があるかわからないし、いいんじゃないかしら?」
「なら教えてくれ、というか二人はどこで護身術とか習ってるんだ?」
「学校の部活で習えるわよ」
「そんな部活あるのかよ……」
「あるわよ。護身部って言って、男性と近しい人とか、自分の身を守りたい人とかが入ったりしてるわね」
「学校以外で習おうとすると意外とお金が掛かるからね。割と入る人は多いよ」
「へぇーそうなんだな」
「じゃあお兄ちゃんにも教えてあげるよ」
「おう、よろしく頼む!」
「お任せあれー!」
と言った流れで、海や時雨から護身術も習っていたりする。
そんな数日が過ぎ、土曜日になった。
以前話していたトレーニングウェアを買う為、出かけようとしていたのだが……
「それで、どこに買いに行くんだ?」
「あー……この辺で男性用の服が売ってる場所だと……」
「あの大型ショッピングモールしかないんじゃないかしら……?」
「やっぱりあそこかー……」
「え、何か問題あるのか?」
「小学3~4年頃だったかしら? 雪が迷子になって大学生のお姉さん数人に保護されてチュッチュされてトラウマになったのよねぇ……」
リアルお姉ショタじゃんそんなん……今の俺がその状況になったらご褒美だな。
「まぁ、迷子になったらすぐに二人にBeamで連絡いれるから大丈夫だろ」
「そもそも迷子にならないように、傍にいるから大丈夫よ」
「あ、お兄ちゃん、私にもBeamのID教えてよ」
「おうよ。で、そこしか男性用の服ないんだよな?」
そう言いながら、俺の携帯を海に手渡した。海も慣れた手つきでIDの登録をし、俺に返してきた。
「多分ないわね。もしかしたら、他にもあるかも知れないけど、人が多いところの方が安全でしょうから、ここに行った方がいいわね」
「んじゃ、準備してそこ行くか。けっこう遠いのか?」
「車ならそんなに時間かからないけど……まさか歩いて行くつもり?」
「ダメか?」
「はぁ……まぁ、いいわ。どうせ私達がいるから大丈夫でしょうし、歩いて行きましょうか」
「お兄ちゃん歩くの好きだよね」
「運動は大事だぞ? 健康な体を維持するには運動が必要だからな」
「言いたいことはわかるんだけど……出歩くのは私達がいる時だけにしてね」
「わかってるよ。ほら準備していこうぜ」
そして俺と海と時雨は出かける準備をして、母さんに行き場所を伝え、家の外に出た。
一応クレジットカードのことも母さんに聞いたが、無駄使いしなければ使っていいと聞いているので、金銭面ではあまり心配していない。
「いやー、天気がいい日に歩くと気持ちがいいな。寒い中、太陽の光を浴びてポカポカするぜ」
「お兄ちゃんって寒いの得意なの? 私的にはもっと暖かくなって欲しいんだけど」
「そうね、まださすがに寒すぎるわね」
「なんだ二人共、寒いのは苦手か?」
「私は暑い方が好きかなー」
「私は寒い方が好きだけど、秋ぐらいの寒さがいいわ」
「ほーん、海は暑いほうが良くて、時雨は、肌寒いくらいがいいのか」
「お兄ちゃんは寒い方がいいの? 暑いの苦手なの?」
「あぁ、昔部活中に暑さでぶっ倒れたことがあって、それからどうも暑いのは苦手なんだよなー。冬とかなら体動かしてけば、寒さなんて吹っ飛ぶからな」
「へぇーお兄ちゃん部活してたんだ。何してたの?」
「バスケだな。小学から高校までやってたぞ」
「そうなんだ! じゃあ今度3人でバスケするのもいいかもね」
「3人って中途半端だな、あと1人誰か欲しいとこだけど」
「交代交代でやったらいいじゃない。適度に休憩も挟めて楽しめるわよ」
「それもそうだな。というか、バスケできる場所なんてあるのか?」
「どうかしら? 今度調べといてあげるわよ、ついでにボールも買わないとね」
「サンキュー!」
「にしても、冬は手がかじかんで嫌になるなー」
海を見ると両手を擦り合わせて、息を吹きかけ温めているようだ。
「寒いのか? ほれ、手でも握るか? 少しは温かいぞ」
そういって、俺は手を差し出すと、海は驚いた顔をしながらおずおずと俺の手を握り、笑みを浮かべた。
「えへへ、お兄ちゃんの手温かいね」
「そうか? ならよかったよ。時雨もどうだ?」
平等に接することを忘れないように、時雨にも空いている手を差し出す。
その手を見て時雨は、満足そうに微笑みながら、俺の手をとった。
「ちゃんと私のことも考えてくれてるようで、安心したわ」
「時雨のことだって大切するつもりだし、ちゃんと考えるさ」
「……ふふふ、そう」
両手に花で外を出歩くとは前世では考えられなかったな……
「そういえば、時雨姉は今日は何持ってきたの?」
「別に大した物はないわよ」
「……縄とボールギャグは大した物だからね?」
「……なんで縄とボールギャグを持ってきてるんだ? 時雨はそんなもの持って来て何に使うんだよ……」
「今日はボールギャグは持ってきてないわよ。縄と手錠だけよ」
「「…………」」
この世界では縄を持ち歩くのは普通なのだろうか……
そんななんとも言えない感情を抱きながら、ショッピングモールへと向かった。
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