第34話 夜は実験台にされます。

 男の子部屋に入り、部屋にある机を並べて昼食を取ることにした。

 そこから海と時雨に根掘り葉掘り聞かれた。


「完全に油断してたわ、養護教諭ってそういうこともやってるのね」


「そうだねー。だから見た目が重要視されるのさ」


「それでお兄ちゃんはあのおっぱいにまんまと釣られた訳か」


「まぁーそのー……」


「まぁ、養護教諭ならギリセーフとしておきましょう」


「そうだねー。高校でもお世話になるなら、遅かれ早かれあのおっぱいにお兄ちゃんは襲われてるだろうし、というかお兄ちゃんが我慢出来ないだろうし?」


「はっはっは! よかったよ! 未来の奥さん達に嫌われずに済んで。代わりと言っては何だが、養護教諭が男性に奉仕する時の技術本を渡そうか? 雪君はとても満足していたようだし、今後の君達には必要じゃないかな?」


「「今回の件は許します!」」


 海と時雨は買収されたようだ。


「友梨佳先生、そんな本渡してもいいんですか?」


「男性に近しい人なら渡してもいいことになってるよ。今後の生活に必要だろうからね」


 何にせよ、俺は怒られずに済んだようだ。


「お兄ちゃん今日は実験台になってね?」

「夜が楽しみね? 雪」


「……お手柔らかにお願いします」


「ふむ、もしかして雪君はけっこう二人に搾られているのかい?」


「ここ2日間で4回搾って今日先生が搾ったから5回ですよ。お兄ちゃんやっぱりちょっとおかしいですよね?」


 友梨佳先生はその事実に目を見開いた。


「驚愕だね。そこまで性欲がある人を見たことがないよ」


「……あの、恥ずかしいんでその辺で……」


 やはりこの感じは異常らしい。女神様め……


「まぁ、なんにせよ、ちゃんと機能してるし、仲も良さそうだし、君たちは心配なさそうだね」


「あ、そういえば、友梨佳先生に聞きたいんですが」


「うん? なんだい?」


「男でも働ける仕事とかなんかないですかね?」


 俺の質問が意外だったのか、友梨佳先生は苦笑いをした。


「それはまた難しいことを言うね……強いてあげるなら……体を売るしかないんじゃないかな?」


 海や時雨と同じことを言われ俺は肩を落とした。


「やっぱそういうもんなんですね……」


「そうだねー。あぁ、雪君なら搾って出した物を男性保護省に売りまくることもできるけど……あまりおすすめはしないね」


「あれ、ダメなんですか? いざとなったらお兄ちゃんから搾りまくろうと思ったのに」


「雪君みたいに、何度も出せる人が過去にも居たらしいんだけど……そういう人は男性保護省が危険だが監視だか保護だかの名目で、何処かに連れて行ってしまうらしいんだ。だから、頻繁に売るのはやめたほうがいいだろうね。多くとも週一位にしといたほうが良いよ」


 連れ去られるってなんだよ……男性保護省こわぁ……


「それはまずいわね……将来みんなで住む為の家の資金集めに、一役買って貰おうと思ったけど、流石に雪本人が連れ去られるんじゃ意味がないわね」


「おや、将来はみんなで住むのかい?」


「えぇ、雪がそうしたいって」


「ほほぉ、雪君は間違いなく優良物件だね! あたしも唾をつけちゃおっかな?」


「先生はさっきつけたでしょ。まぁ、養護教諭ってそれなりに稼ぎ良いらしいですから、唾つけるだけならいいですよ」


「はっはっは! 未来の妻にそう言われたなら遠慮する必要はなさそうだ! これからも仲良くしようね? 雪君」


「……お、お手柔らかに」


「お兄ちゃん変なところで弱気だよね」

「もう少し強気でいてもいいと思うわよ」


「うーむ……ぜ、善処はする」


「さぁさぁ、お昼ご飯も終わったことだし、そろそろ戻った方がいいんじゃないかい?」


「そうですね、そろそろお暇します」

「お兄ちゃん、本当にいい子にしててね?」


「いい子にしてただろうが」


「下半身が暴れてるじゃない」

「お兄ちゃん説得力ないよ」


「……反省します」


「はっはっは! あたしも怒られないようにほどほどにするから許してあげてくれ」


「友梨佳先生……!」


「まったく……じゃあ帰りに迎えに来るから」

「お兄ちゃん、晩御飯私も作るからスーパー寄ること覚えててねー」


 そう言って二人は保健室から出ていった。


「ふぁー……」


 昼ご飯食べたせいか、眠気が襲ってきた。このまま真面目にプリント出来るかだろうか……


「軽く昼寝でもしたらどうだい? 眠いまま問題解こうとしても効率が悪いよ」


「んーですけど、みんなが今から授業で頑張るって言うのに俺だけだらけるのはどうも……」


「雪君は真面目だねー。そういうのが許されるのが男性なんだからいいんだよ。それに、急いでやったところでプリントの量が増える訳でもないからね。のんびりと解いたらいいさ」


「ははは……じゃあ、お言葉に甘えて少しだけ昼寝します」


「うんうん、そうしよう!」


 友梨佳先生はそう言うと、俺の手を引いてベッドへ歩みを進める。


「えっ?」


「添い寝してあげるよ。添い寝をするとオキシトシンが分泌されてメリットがたくさんあるんだ!」


「まぁ、一度襲われてますし、お願いします」


「ふふふ、いい子だね」


 友梨佳先生はベッドに寝転がると両手を広げて、こちらを迎え入れる態勢で待っているので、俺は迷わずそこに飛び込んだ。

 

「はい、いらっしゃーい」


 友梨佳先生は俺が飛び込んでくるとこちらを包み込むように抱きしめてくる。

 海や時雨の場合は抱きしめていたけど、抱きしめられる感覚っていうのはまた違った感覚だな……

 友梨佳先生の胸に埋もれて……あぁ……本格的に眠くなってきた……

 

「少ししたら起こしてあげるから、安心して眠るといいよ」


 その言葉を聞いて俺は、意識を手放した。



************


 ―――あれから完全に眠ってしまったが、唐突に目を覚ました。

 目を開けると胸があった。友梨佳先生に抱きしめられたまま眠っていたようだ。

 顔を上げると友梨佳先生の顔があった。友梨佳先生もそのまま眠ってしまったようだ。こういう場合、起こすのが正解だろうか? それとも寝かせておくのが正解だろうか?

 ……まぁ寝かせておくか。

 俺は抱きしめられている腕を解き起き上がり、両手腕を上伸ばして背筋も伸ばす。


「おや……先に起きたみたいだね」


 友梨佳先生の方を見ると眠い目を擦りながら欠伸をしていた。


「えぇ、おかげさまでぐっすり眠れました。ありがとうございます」


「んふふ、それはよかったよ。あたしも思った以上にぐっすり眠ってしまったよ」


「はは、みたいですね」


「さーて、じゃあ午後も頑張ろうか!」


 そこから、友梨佳先生も起き上がって自分の仕事に戻ったようなので、俺も残ったプリントをやることにした。

 仮眠したことで頭がスッキリしている。

 そこからまた真面目にプリントを取り組んでいた。

 そして、けっこうな時間が経ったのだろう。扉をノックする音が聞こえ、扉が開くと時雨と海が顔を出した。


「お兄ちゃん帰ろう」

「雪帰る準備して頂戴」


「あぁ、わかった」


 そして俺は帰る準備をして、友梨佳先生に挨拶をし、3人で保健室を出た。


「じゃあ、お兄ちゃんスーパー寄って行くけど、精がつくものがいいよね?」

「今日は雪には色々頑張ってもらう必要があるから、元気が出る物にする必要があるわね?」


「あの、お手柔らかに……」


「「それは無理ね(かな)ー」」


 帰った俺は二人から友梨佳先生から貰った本を使って色々実験台にされた……


**********************************

正直、この夜も書こうかと思ったけど……このままだと高校編に行くのまだまだ先になりそうなので……さらっと終わらせました。(苦渋の決断 


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