第33話 今後もお世話になりそうです。
俺の王様は無事子供に戻った。
正直、王様の状態にさせられて、プリントするのは悶々として集中できなかっただろうから、これでいいのだろう。
感想としては……流石の一言だ。
「うんうん、正常に機能しているようで、安心したよ。いつでも頼ってくれていいからね?」
「まさか、出会ってすぐにそういう事してもらうなんて思ってませんでしたよ……」
「んふふ、養護教諭は男性の性欲を煽り、もし搾れそうなら、搾って正常に機能するかどうか確認をする必要があるんだ! 雪君は隙があったからね。ダメだよ? 女の子に隙を見せたら。外出たらすぐ襲ってくる人もいるからね」
「気をつけようかとは思いますが……かと言って出ないわけにもいきませんし」
「そうだね。だからと言って外に出ないのは良くない。だから、練習をしようね」
「れ、練習?」
「言い寄られても簡単に流されないようにしないとね。最悪、出かける前に一発出しとけば、君の王様も反応しなくなるだろう?」
しなくなるだろうか……自信はないな!
「そ、そうだといいですね……」
「……まさか、反応するのかい?」
「俺も男なので……」
「はっはっは! すごいね君! 初めてみたよ! もしかしてまだいける口かい?」
「余計なことしなければ、平和ですよ」
「平和でいたいと思っても、向こうからやってくるものだからねぇ。高校に行った時のこと考えて、耐性をつけとかないと大変なことになるよ?」
「やっぱそういうもんなんですねぇ……」
「そうだよー。今後のことも考えて耐性できるように協力してあげるよ」
友梨佳先生は妖艶な笑みでこちらを見ながら、下唇を舐めた。
「お、お手柔らかにお願いします」
「んふふ、断るんじゃなくて、受け入れると来たか……! いいね、ますます気に入ったよ。今後とも仲良くしようね?」
「ぜひ仲良くしたいですが……もうすぐ卒業なんで……」
「あぁ、あたしもここの養護教諭は今年度までで、次は高校に行くことになってるんだ。男性がいる高校なんてこの辺だと一ヵ所だけだから、来年も一緒になると思うよ?」
「そうなんですか! また友梨佳先生に会えるならうれしいです!」
「んふふ! そう言ってもらえるとあたしもうれしいよ! 次行く学校が楽しみだ!」
友梨佳先生は笑顔でそう答えた。
正直、知らない人より、知っている人の方がいいので高校生活も少しだけ安心できる。
「さてさて、じゃあプリントをやってしまおうか」
「そうですね。やっとくと学校に行かなくていい日、自由にできますからね」
「あたしとしては毎日ここに来てくれてもいいんだよ? 毎日可愛がってあげるよ? 一人だと寂しいだろ?」
友梨佳先生はそう言いながら俺を後ろから抱きしめてきた。
「……正直ありだと思いますけど、理性が持ちませんので毎日は勘弁してください」
「ふふふ、そっか、あたしといると理性が持たなくなるか! あたしとしては一向に構わないんだけどね。いきなりそこまで要求するのは厳しいだろうから、週2で来るのを週3にしてみないかい?」
「それぐらいなら、ぜひそうさせてもらいます。友梨佳先生にも会いたいですし」
「そう言ってくれるならあたしもうれしいよ! 雪君はもしかして誑しなのかな?」
「そんなこと初めて言われましたよ」
「はっはっは、そうかそうか、雪君は高校に行ったら大変なことになりそうだね」
「……困ったら友梨佳先生に相談させてください」
「うんうん! ぜひそうしてくれ! さぁ、午前中がんばろうか」
友梨佳先生は俺を抱きしめるのをやめ、勉強机に座るように促してきた。
さて、家でのんびりする為、やるとしますか―――
そのあと午前中いっぱい割と真面目にプリントをした。
友梨佳先生が邪魔してくるかなとも思っていたが、邪魔にならないように友梨佳先生は自分の仕事をしつつ、たまにお茶を持ってきて休憩を促してくるだけだった。
エロいだけの先生じゃなかったわ。
キーコーンカーンコーン
「んー! さてさて、お昼ご飯の時間だよ。雪君も食事にしようじゃないか」
「ふぅー、そうですね。というか、この学校って食事ってどうなってるんですか? 給食ですか?」
「いや、購買で買って食べるか、お弁当持って来るかだね」
その辺り何も考えてなかったな……海か時雨が買ってきてくれるだろうか?
ひとまず保健室側に戻って、海か時雨が来ないか待ってみるか―――
コンコンコン
「失礼します。あ、お兄ちゃんいい子にしてた?」
「雪、ご飯持ってきたわよ。お昼にしましょ」
「おぉ、忘れられてなくてよかったよ」
「忘れる訳ないでしょー。じゃあご飯食べに行こうか」
「ん? ここで食べるわけじゃないのか」
「保健室での食事は流石に禁止だけど……男の子の部屋なら飲食してもいいよ。お昼時に他の男の子が来ることもないし、そこで食事するかい?」
「えぇ、そうですね。友梨佳先生も一緒にどうですか?」
「あたしも誘ってくれるのかい!? 男の子から誘われたのは初めてだよ! ぜひ雪君と一緒にさせてもらおう!」
友梨佳先生は余程うれしかったのか、こちらに抱きついてきた。
実に素晴らしい感触です。
「……お兄ちゃん? 何さり気なく仲良くなってるの? おっぱいに釣られた?」
「……雪? どういうこと? 説明して?」
二人は笑みを浮かべているが……
「あーまぁ、仲良くなったんだよ! 話を聞くと高校でもお世話になりそうだから! 仲良くしといたほうがいいだろ!? ほら、昼休みも無駄に出来ないし、食事しようぜ!」
「……じゃあ食事しながら、お兄ちゃんの弁明を聞こうか」
「雪、何をして、何をされたか、正直に話しなさいね?」
……搾られたことも正直に話さないとあとが怖そうだ。
時雨から昼食用のパンをいくつか受け取り、俺はちょっぴり憂鬱な気持ちで、男の子の部屋へと3人を連れて入った。
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