第32話 保健室の先生は暗殺者です。
扉を開けるとそこは窓の無い白い部屋だった。
ただ、快適に過ごせる様に、エアコンは業務用のエアコンが設置されている。
あとは……
「なんですかここ? 教室にあるような机とかはわかりますけど、テレビとかゲームとか本とかベッドとかありますけど」
遠目だから何の本かはわからないが、それなりに数があり、ベッドは他の人の妨げにならないように、カーテンで囲めるようになっているようだ。
「男の子の……待機所……かな?」
「待機所? 他の生徒みたいに勉強する場所じゃないんですか?」
「男の子ってほとんど勉強する必要ないから、保健室でプリント渡して、そのまま帰ることもあって、あまり利用されないよ。それでもお迎えを待ったりして男の子が待つのがこの場所だよ。窓がないのは下手に視線に晒されない為だね」
「なんか……さびしいですね……」
「ふむ、今の君は女性が怖くないのかい?」
「そうですね」
「なら私とお茶しようじゃないか! 意外と暇を持て余していてね!」
「いいですよ。ですが先にプリントからやってしまっていいですか? 元気なうちにさっさとやってしまいたいので」
「おや! 真面目だね! もしかして前回のプリントもやってきたのかい?」
「えっ? それはもちろん」
「はっはっは! じゃあ回収させてもらおうかな? 採点はあたしがやってるから」
俺は鞄からプリントを取り出し、友梨佳先生に手渡した。
友梨佳先生はパラパラとプリントを捲って回答欄を見ている。
「ふむ、誰かに教えてもらいながらやったのかい? それとも教科書を見ながら自分で?」
教科書の存在忘れてたよ。社会も教科書見ながらやればよかったな。
「英語、数学、理科、保健は自分でやりましたよ。社会と国語は時雨と海に教えてもらいながらですね」
「ふふふ、国語と保健もやったのかい?」
「……えぇ、一応は……」
「はっはっは! それはとてもいいね! 他の子は空白で出してくるのに真面目にやってきたのか! どれどれ!」
やっぱ空白で出すのかよ……
そう言って友梨佳先生は国語と保健のプリントを見ている。
「くっくっく……こ、この国語は3人で考えたのかい?」
友梨佳先生は必死に笑いを堪えながら、こちらに問いかけてくる。
「……俺一人だと回答出来なかったので、二人に知恵を借りました」
「そ、それでこの回答か、くっくっく……あたしが思った以上に仲が良さそうだね?」
「まぁ、いずれあの二人とは結婚したいですからね、仲良くもしますよ」
「へぇー、いいね。はっきりとそう答えれるのは好感がもてるよ」
「ありがとうございます」
「それで保健は……国語の時も思ったが胸が大きい人が好きなのかい?」
「好きというか好みですね」
「似たようなものじゃないか。へぇー、ちなみにあたしの胸はどうだい? けっこう自慢できる大きさだと思うんだ」
友梨佳先生は妖艶な笑みをしながら、腕をその自慢の胸の下で組み、胸の谷間を見せつけてきた。黒い下着まで見えている。
流石に出会って間もない人のを見るのは恥ずかしさが……
俺は思わず顔を背けてしまう。
「あ、そ、その、すごくいいと思います……というか、学校の先生としてさすがに恰好が際どすぎませんか!?」
「それはそうだよ。学校の養護教諭は男の子の相手をするからね。男の子を意識させ、欲情させる格好をする必要があるんだ。それに、養護教諭は若くて容姿に優れている人が選ばれるからね。自慢もするさ! だから、もっと見てくれていいんだよ? ほれほれ」
友梨佳先生は少しずつ俺との距離を縮めてくる。
「さ、さすがに、出会ったばかりの人のものを見るのは失礼かなと……」
「ほー、恥ずかしそうな反応してるね? あたしが見ていいと言ってるんだ。失礼でも何でもないよ。ほら、ついでに触ってみようか」
いつの間にか俺の目の前まで来ていた友梨佳先生は、俺の両手を取り、自慢の胸へと導き、掴ませた。
「んぇぇぇ!?」
「んふふ、好きなんだろ? ほれほれ、遠慮せずに揉んでくれていいんだよ? 大きいだけじゃなくて、やわらかさにも自信があるからね」
や、やわらかっというか重!? めちゃくちゃ重いのにやわらかいってなんだこれ!?
「や、やわらかいのにすごく重いですね!」
「そうだろう、そうだろう? なんたって……」
友梨佳先生は急にこちらに抱き着いて来た。
そして俺の耳元でこちらを誘惑するように囁く。
「自慢の……え・い・ちカップだからね」
えいち!? H!? ABCDEFG―――H!?
「そ、そうなんですか!? それは自慢できますね!?」
「んふふ、だ・か・ら、堪能してくれていいんだよ?」
そう言うと友梨佳先生は、耳元で艶のある声で喘ぎ声をあげ、耳を甘噛みしはじめた。
「!?」
ちょ!? 完全に油断してた! まずい! 脳内天使が―――後ろから刺されてるぅぅぅぅ!? 保健室の先生は暗殺者だったのかぁぁぁぁ!?
「あ、あのさすがに、こ、これは!?」
流石にまずいと思い、俺は友梨佳先生の胸を押して剥がそうとするが―――
「あん♡ ―――君は何も悪くないよ? あたしがこうしたいからしてるんだから、君の本能の思うままにしてごらん? あたしはそれを受け止めてあげるよ」
友梨佳先生は剥がされないように抱きしめる力を強めてくる。
友梨佳先生のいい匂いがする……
あーこれは無理、無理無理の無理。完全に油断してたし、理性の天使もまさかって顔しながら口から血吐いてるし……うん、こんなんされたら反応するよね。
―――そして、こちらが反応したのを悟ったのか友梨佳先生はゆっくりと俺から離れていく。
友梨佳先生は満足げな笑みを浮かべている。
「んふふ、よかったよ。ちゃんと反応……さっきの国語を見た感じKINGって言った方がいいのかな? 君の王様は満足そうだね」
「そ、それはもちろん、友梨佳先生見たいな綺麗な大人の女性にされたら、こうなりますって」
「うれしいこと言ってくれるじゃないか! じゃあこのまま授業をしようか」
「じゅ、授業ですか!?」
「そうだよ。このままプリントするなんて君もできないだろ?」
「そ、それは……」
「それに、スッキリしてから勉強した方が集中できるからね。さ、こっちのベッドで保健の実技授業をしようじゃないか」
友梨佳先生は俺の手をとり、ベッドの方へ歩き出す。
「え、え、え、そ、そういうことですか!?」
「もちろん。そういうことする為に、色々練習しているから君に披露してあげようじゃないか! 君の大好きなこの胸も好きにしてくれていいんだよ? 大丈夫、一線は超えないようにしてあげるから」
そして、俺の王様は出会ったばかりの暗殺者に―――食べられました。
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20万PV突破しました! 閲覧して頂き、ありがとうございます!
すみません、明日は本編ではなく、20万記念SSを上げさせて下さい。
5500文字以上書いてるので読み応えはあると思います。
応援、フォロー、星を付けて頂き誠にありがとうございます!
創作意欲に繋がるので応援、星を何卒・・・!
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