第31話 いざ行かん学校へ
俺は朝ご飯を食べて、着替えを行い、全員で家の外に出た。
「それじゃ、母さんいってきます」
「えぇ、3人共いってらっしゃい」
そう、俺は母さんを説得して歩きで学校へ向かうことが認められたのだ。
当然ながら、海か時雨が側にいること限定だが。
俺達三人は母さんに見送られ、学校へと向かったわけだが……
「すごい視線集まるな」
「それはそうでしょ。男が外出歩くとか聞いたことないわ」
「お兄ちゃん、外歩くなら慣れないとダメだよ」
「そうだなー」
同じ制服を着た女の子達が歩きながらこちらを見ていたり、立ち止まってこちらを見ていたりする。
キョロキョロしていたせいか、たまたまひとつの女の子のグループと目が合った。
手でも振ってみるか。
「何してるのよ」
「いや、目が合ったから」
「余計なことすると声掛けられるわよ」
「それはもっとやれってことか?」
「お兄ちゃん無駄に雌犬を発情させないでよ。対処するの面倒なんだから」
発情って……手を振ったグループを見ると固まってるんだが?
どうせならキャーキャー黄色い声援を浴びたいんだがな。
あぁ……ダメだ、昔の古傷が疼きそうだからこれ以上考えるのはやめておこう……
「どうせなら、色んな女の子と仲良くしたいんだけどなぁ」
「高校に入ってからにして頂戴。そしたら交友関係も少しだけ緩めてあげるわ」
「管理しないって選択肢はないんだな」
「当たり前でしょ? なんか今の雪見てたら、登校した初日に全校生徒と友達とかになりそうだもの」
この世界なら友達100人簡単に出来そうだ。
「友人が多くて悪いことがあるのか?」
「まともな人ならいいけど、そうじゃない人もいるだろうから危険でしょ。それにちゃんと見とかないと初日に全校生徒と友達になって、1週間後には全員と結婚の約束しているとかになりそうだからね。さすがの雪でも全校生徒と結婚は嫌でしょ?」
友達どころか、婚約者100人出来そうだったわ。
「……さすがに体がもたんわ。というか、1週間後に全校生徒と結婚の約束とか何があったんだよ。逆に気になるわその展開」
正直そんな小説か漫画があったら、ちょっとおもしろそう。
タイトルは『全校生徒と友達になったと思ったら、1週間後には全員と婚約していた件について』かな……? 売れるかどうかは知らないが、とりあえず見たくはなるタイトルだな。
「伝説の絶倫の民でも全員は無理かー」
「だからそんな民じゃねぇよ」
「ともかく、余計なことして私達の仕事を増やさないで頂戴な」
「まぁ、できるだけ気をつけるよ」
「できるだけじゃなくて普通に気をつけてよお兄ちゃん……」
そんな会話をしているうちに学校の校門についたが周りをみると女の子しかいないなぁー。男子も車で来るらしいが……周りを見る感じいなさそうだな。
さっさと校舎に向かうか。
「ここが通ってる学校かー。あと一か月もいないけどさ」
「そうね。ほら、保健室いくわよ」
「あー男は保健室で学習するんだっけ?」
「そうよ。どういう学習してるかは知らないけど、基本的に保健室以外で男の子みたことないから多分そこにずっといるんじゃない?」
「……監禁されるのか?」
「そうじゃなくて、男の子が出ないだけでしょ……雪も下手に出ないでね?」
「ずっと保健室って絶対暇だろ……」
「まぁ、何かしらあるんじゃない? そういうものだから、あと一ヵ月ちょっとだけ我慢しなさいな」
「まぁ、そうだな」
「大丈夫だよお兄ちゃん! ちょくちょく会いに行ってあげるから!」
「おう! 待ってるぞ」
「私もちゃんと行ってあげるから、大人しくしてて頂戴ね?」
「俺は親の迎えを待つ子供かな?」
「あながち間違ってないと思うよお兄ちゃん」
「ひどい言われようだ」
「勝手に一人で外に出るから心配になるのよ」
「……できるだけ気をつけるよ」
俺と時雨と海の三人で校舎に入り、上履きに履き替え、保健室へと向かった。
廊下を歩いている間も、周りから好機の視線を感じるが……校舎内でもそういう風に見られるのか。
「ここが保健室よ」
確かに、上に保健室と書かれているな。はてさて、今から何しとくことになるんだか……
コンコンコン
「失礼します」
「どうぞー」
時雨が扉を開き、中に入っていくので俺と海も続いて入っていく。
「時雨さん、おはよう。雪君を連れてきたんだね」
「えぇ、あとはよろしくお願いします」
そして俺は保健室の先生を見た。
え、エロい……なんか男を誘惑するような恰好してるし、なんだこの先生は……
緑髪のショートヘアで自慢するかのように白いシャツから巨乳の谷間を見せつけ、短い黒のタイトスカートって……これで保健室の先生っぽい白衣を着てなければ、学校に潜入した夜のお姉さんと言われても仕方ないだろう。
「えっとー、よろしくお願いします」
「あぁ、親御さんから記憶喪失って聞いてるよ。あたしは
笑顔で自己紹介する姿にちょっとドキッっとしてしまった。
「は、はい! 三島先生、よろしくお願いします」
「はっはっは、記憶喪失は続いてるみたいだね? これは新鮮だ。どうせなら友梨佳って呼んでくれないか?」
時雨と似たようなことを言われ、思わず苦笑いになってしまう。
「わかりました。友梨佳先生」
「んー、友梨佳で構わないんだが、今はそれでいいとしよう」
距離の詰め方がすごいが、正直悪い気はまったくしないのでこのままにしておこう。
「じゃあ、雪いい子にしてたらまたあとで来てあげるからね」
「お兄ちゃんいい子にしてるんだよー?」
「だから俺は子供か!?」
それだけ言い残し二人は保健室を出て行った。
「はっはっは! これはいいね! 二人とはずいぶん仲良くやってるみたいじゃないか! もう記憶戻らなくていいんじゃないかい?」
もう戻ることはないんだよなー。まぁ、前と比べて二人と仲良くやれているのを見てそう言ってるんだろうな。
「あははは……ま、まぁ、今後とも二人とは仲良くやっていきますよ」
「そうかそうか! じゃあ、奥に行こうか」
「奥?」
「ここは一般の生徒も来るからね。この部屋の奥が男の子用の部屋だよ」
友梨佳先生は俺を案内するように、部屋の奥へと歩いていった。
俺もそのあとを追い、友梨佳先生が奥の部屋へ続く扉を開けた。
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もうすぐ20万PV行きそうなので20万PV記念でまたアンケート取ろうと思いましたが……
『全校生徒と友達になったと思ったら、1週間後には全員と婚約していた件について』をSSで書いてみたくなったのでそれにします。(アンケート期待してた人許して!
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創作意欲に繋がるので応援、星を何卒・・・!
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