第30話 いつも大変お世話になってます。
お風呂で時雨に食べられたあと、無事に賢者バフを手にいれ、仲良くお風呂に入り、俺たちは風呂から上がった。
俺が時雨の髪を乾かしていると海がやってきた。
「あ、お兄ちゃん、今から洗濯するから今日も自室のベッドで寝ないでね」
「あぁ、わかったよ。時雨のベッドで寝ればいいんだな」
「うん。あれ、もうそういう流れになってた?」
「いや? 多分そうなるんだろうなって思っただけだよ」
「ふーん? お兄ちゃん髪乾かし終わったらいつものお願いね」
「あいよ」
「私の方はもう大丈夫よ。海の日課の方してあげて」
時雨が俺からドライヤーを受け取ったので、俺はソファに座り、海を呼んだ。
「ほれ、海」
海を呼ぶとささっとこちらにやってきて俺の膝に乗ってきたのでそのまま海の胸を揉み始めた。
「……お兄ちゃん、お風呂場で搾られた?」
「おう」
「道理でね……」
「海、やっぱり雪おかしいわよ。私も二回搾れたわ」
「えっ!?」
「お前らの所為だろ! なんで俺がおかしいんだよ!」
「いや、あのね、お兄ちゃん……」
「ん?」
「普通男の人ってそんなに出せないんだよ?」
「えっ?」
「普通の男の人は、一度出すと次出すのに数日期間が必要って言われてるんだよ」
「そうよ、だから私と海で連日搾れてるのがおかしいのよ」
なるほど……俺からしたら以前から一人でする時それくらい普通にやってたから違和感を持たなかったが……この体って前の雪の体だよな? え、待って、もしかして、これが女神様が言ってた転生特典なの? もっと普通にかっこいい特典がよかったよ……
「俺からしたら普通なんだけどな」
「お兄ちゃん、伝説の絶倫の民だったの?」
「なんだよその頭の悪い民は」
「漫画でそう書いてあったから」
「その教育に悪いエロ漫画はすぐに捨てなさい」
「さすがにもうKINGにならない?」
「変に刺激しなければならないよ」
「まだいけるんだ! 試していい?」
「寝てる子を起こすんじゃありません!」
このまましているとまた起きてきそうなので俺は海をどかし、立ち上がった。
なんだかんだいい時間だし、寝るか。
「さて、寝るかー」
「そうね、明日は雪も学校だからね」
「おう、海おやすみー」
「お休みなさい、海」
「二人ともおやすみー」
俺と時雨は海に挨拶をして、自室に戻った。
「やっぱここから行くんだな」
「こっちの方が楽だからいいでしょ?」
そう言いながら時雨は窓から時雨の部屋に行ったので、俺もついていくことにする。
窓枠に足をかけ時雨の部屋に入る。
「お邪魔しまーすっと」
「いらっしゃい」
初めて時雨の部屋に入ったが、海と似たような感じで質素な感じだが、匂いはさすが女の子といった感じだな。
俺は入ってそうそうだが、ベッドで横になった。
「雪、私にも腕枕」
「おう」
腕を時雨の方に出すと、時雨はそのまま頭を乗せてきた。
そのまま俺は包み込むように、時雨を抱きしめる。
「なるほどね」
「ん?」
「海が言ってたのよ。雪に抱きしめられて幸せだったって、気持ちがわかったのよ」
「それはよかったよ、俺も幸せな気分だから」
「ふふふ、お休みなさい」
時雨はこちらの唇に自分の唇を重ねて、挨拶をした。
「あぁ、お休み」
今日も幸せな気持ちを抱いて俺は眠ることができた―――
************
頬を触られている感触がある。
触るだけかと思えば、押される感覚があるのでツンツンされているのだろう。
「んんぅ……」
朝とは何故こんなにも眠いんだろうか。夜更かししているわけではないのだから、正直もっとすっきり起きれるようにならないだろうか。
つまり、まだ眠い。
俺は抵抗する為知らんぷりすることにした。
「ふーん?」
俺は二度寝を決め込もうとするが―――俺の上に声の主が寝ながら乗っかってきた。
なるほど、一緒に寝たいということだな? ならば共に堕落しようではないか。
俺は迷わず、声の主を抱きしめることにした。
「あら、捕まっちゃった」
「んんぅ……時雨も寝よう……」
「へぇー、娘のベッドで寝てると思ったら、昨日は一緒に寝ていたの?」
「んあ?」
「ふふふ、かわいいわねー、私もご相伴に与っちゃおうかな」
「しぐれ?」
「なーに?」
「もうちょっと……」
「仕方ないわねー、もうちょっとだけよ」
「しぐれ……」
「んふふ、娘と仲良くしてくれてありがとね」
「ん……」
「何やってるのお母さん?」
「あら、見つかっちゃった」
「私のベッドで何してるのよ」
「雪君に捕まっちゃったから、このまま一緒に寝ようかってね」
「雪も早く起きなさいな」
「んあー?」
俺は重たい瞼をイヤイヤ開てみた。
そこには時雨が―――ちょっと大人びいてる?
「ん……? 時雨美人になった……?」
「あら! とてもいい子ね!」
「抱きしめる相手が違うでしょ!」
スパーン!
俺はまたハリセンで叩かれたようだ。
叩いた相手は……時雨のようだ。
「あぅ……あれ? 時雨?」
「おはよう。早く起きなさいな」
俺は思わず、抱きしめてる人を見て、もう一度時雨を見る。
「時雨ってお姉さんがいたのか?」
「違うわよ。母親よ」
「……ふぁ?」
「んふふ、初めまして雪君。秋さんから聞いてるわ。時雨の母の
「えぇ……よろしくお願いしま……あぁ! すみません!」
俺はなんで時雨の母親を抱きしめているんだ!?
そこでようやく、俺は抱きしめている腕を離した。
「いいわねー、毎日これを味わえるのねー」
そう言いながら、干菜さんが俺の上からどいてくれた。
「でしょ? 昨日はとてもよく眠れたわ」
俺はそんな親子の会話を聞きながら起き上がるが……
さて、いずれ結婚する相手の母親だ。
失礼のないようにしとかないと。
「えーっと、母から俺のこと、どこまで聞いてますか?」
「君が前の雪君と違うって言うのはちゃんと聞いてるわよ」
「そうですか。では改めて、大淀雪です。時雨にはいつも大変お世話になっております」
「んふふ、いいのよ。時雨もうれしそうだし、今後ともよろしくね?」
「えぇ、今後ともよろしくお願いします」
「他の男の子と違ってとってもいい子ね! 色々安心できそうだわ」
「ほら、雪。そろそろご飯食べないと送れるわよ」
「あぁ、悪い悪い、それでは干菜さんまたいずれ」
「えぇ、またね」
干菜さんに挨拶をして俺は時雨と一緒に俺の自室へ窓から渡り、ご飯を食べることにした。
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