第29話 まぁ、それはそれで私の番よね?
「そ、そうなのね……とりあえず、雪の考えはわかったわ。と言っても雪が働く方法なんて……体を売るしかないわね……」
「なんか響きが嫌なんだが……他の人とパコパコするってことか?」
「それしかないでしょうね」
「それは……海や時雨はどう思うんだ?」
「……まぁ、働く云々は置いといて、お金持ち引っ掛けれなかった場合はそれしかないでしょうね」
「ちゃんと私たちの分残してくれるならいいんじゃない?」
「公認セフレか……」
「普通なら無理だけど……なんかお兄ちゃんのJrは元気そうだし、悪くない選択肢なのかな?」
「うーむ……俺の貞操観念が壊れそう……」
「まぁ、雪のJrがKINGになるのは分ってるから、あとはちゃんと搾れるかよね」
そう言うと、時雨は俺の手を握って部屋から連れ出そうとする。
「えっ?」
「えっ? じゃないわよ、お風呂行くんでしょ? 私ゆっくりと入りたい派だから早く行きましょ」
「スゥー……いくかぁ……」
「あら、また駄々をこねるかと思ったけど、素直ね?」
「もう無理だってわかってるし、海と同じようにしないと時雨に怒られるからな」
「ふふ、そうね、従順になってくれてうれしいわ」
そのまま俺と時雨は脱衣所まで手を繋いだままやってきた。
「……一緒に脱衣所まで入る必要ある?」
「? 今から一緒に入るのになんで別々に入るのよ?」
「……そうだな」
「そうよ」
一応俺は時雨を見ないように後ろを向いて服を脱ぎ始めた。
上着を脱ぎ、ズボンを下ろしタオルで前を隠すようにしながら、パンツも脱ぐ。
そのまま時雨を意識しないようにしながら、風呂場へ駆け込み、さっさと洗ってしまおうと、風呂椅子に座り、シャンプーで髪を洗い始める。
「あら、もう洗ってるのね。じゃあ背中から私がやってあげる」
風呂場に入ってきた時雨はそのまま俺の背中をボディーソープを付けたスポンジで洗い始める。
「あ、あぁ、ありがとう」
「……ふーん? 海にも背中洗ってもらったのね?」
「えっ? あぁ、そうだな」
「どうやって洗ってもらったの?」
「えっ!?」
この嗅覚の鋭さは何なのだろうか……
俺の手は思わず、止まってしまっていた。
「ふ、普通に洗ってもらっただけだが?」
「そう……ふーん……そう、普通ね?」
「…………」
「……ふふ、じゃあ私も普通に洗うわね?」
「お、おう」
俺への疑問を解消したのかそのまま時雨は背中を洗ってぇぇぇぇぇ!?
「ちょ、前は、いいって!」
時雨は俺に抱き着き、前まで洗い始めた。
「私は普通に洗ってるだけよ? 最初に言ったでしょ? 背中から洗ってあげるって」
「嵌めたな時雨!」
「あら、嘘をつく子に言われたくないわね?」
「……べ、別に嘘をついたわけじゃ「じゃあ海にどうしてもらったのか、素直にいいなさいな」……胸で背中を洗われました……」
「なるほどねぇ。じゃあ、黙ってた罰としてこのまま洗われなさい。さもないと貴方の息子がどうなっても知らないわよ?」
「お前ら二人揃って、いちいち俺の息子を人質に取るのはなんなんだよ!?」
「いいから、頭洗ってなさいな。手が止まってるわよ」
そう言うと時雨はスポンジで前を洗いつつ、背中は胸で洗い始めた。
もうね、あきらめるよ。今日も俺の脳内天使は頭が破裂してるんだ。
こんな洗い方されたら今日もお風呂場でタープを張っちゃうよね。
素直に頭洗っておこう……いや、雑だけどもうこれでいいか……
「ほら雪、腕を伸ばして? 洗えないわ」
「え、あ、あぁ、ついでに頭ももういいからシャワーかけてくれ」
「は? まだ全然洗えてないじゃない」
「もう、俺のライフは0なんだ」
「ふーん……仕方ないわね。頭も洗ってあげるわ。ほんと雪は欲張りなんだから」
「え、別にもうシャワーを「罰として洗われるんでしょ?」……よろしくお願いします」
時雨は鼻歌交じりで、腕を洗い終わったあと一度手を洗い、頭を洗い始めた。
「ふふ、こうやって他の人の頭を洗ってあげるなんて何年振りかしら」
「前の雪にもやってあげてたのか?」
「えぇ、小さい頃にね。今後は貴方の頭を洗ってあげるわ」
「……一緒に入った時な」
「さすがに毎日は大変だから、2日に1回にしない?」
「毎日入るのかよ!? というか毎日も2日に1回も対して変わらねぇよ!?」
「ふふふふふ」
「……なんだよ」
「なんでもないわよ。ただ貴方とこうやってくだらないやりとりするのが楽しいだけよ」
「一方的に時雨が俺のことをいじってるだけだよな?」
「うれしいでしょ? こうやってかわいい女の子にかまってもらえて?」
「……それは……まぁ……」
「ふふふ、かわいいわね」
「い、いいから早く洗ってくれ!」
「我儘ねー、頭は終わったわよ」
「あぁ、ありがとう。悪い、泡が目に入りそうで目閉じてるからシャワーも取ってくれないか?」
「私が流してあげるわよ。 少し後ろに下がってもらえるかしら?」
「? わかった」
俺は風呂椅子を少し後ろに引き、時雨が入れる位の空間を作った。
目を閉じているのでわからないが、その空間に時雨が入ってきた気がする。
「じゃあ、次は足ね」
「えっ、そこまでするの!?」
「雪が私に黙っていた罰よ。素直に全部私に任せなさいな」
「あい……」
そうして、時雨は足を洗い始めて……
「ちょっと洗いづらいから少しお尻をあげてもらえる?」
「尻?」
「いいから」
俺は深く考えず、そのまま腰を上げた。上げてしまった。
時雨はこの時を狙っていたのか、俺のタオルを取り払った。
「ちょおおおおお!?」
俺は慌てて両手で前を隠す。
「これで洗いやすくなったわ。さ、座って頂戴」
「あの、タオルを「いいから、どうせあとで見ることになるんだから気にしないの」……」
俺はあきらめて、椅子に座った。
「まったく、手のかかる子ね?」
「……もう、降参だ……煮るなり焼くなり好きにしてくれ」
そして、俺は両手を解放した。
「あら、ようやくね。それじゃ、そうさせてもらうわ」
時雨は今どんな顔をしているのだろうか。少なくとも、鼻歌を歌っているので機嫌はいいだろう。
そんな状態で洗うのはもちろん足だけでなく、前もだった……
「生で初めてみたけど……教科書で見たよりも大きく感じるわね」
「そうか」
「えぇ、痛かったら言って頂戴」
そのまま丁寧に洗い始め、洗い終わると俺にシャワーをかけてくれた。
頭からようやく温かい水を浴びてようやく目を開けるようになった。
「ふぅ……ありがとうしぐ……れ……」
「? どうしたの?」
「なぜタオルを巻いていない」
「家のお風呂でタオル巻くことないでしょ。温泉ならともかく」
俺はそのまま時雨の体に見惚れてしまい、硬直する。
「どう? 変なところないかしら?」
「と、とてもきれいです」
「そう、よかったわ。ついでだからこのまましましょ」
「えっ?」
「海の胸を揉んであげたんでしょ? このままやって」
そう言うと時雨は俺に近づき、軽く唇を重ねてきた。
「私はこっちの相手をするから」
今の俺は流れに任せることしかできない。
「よろしくお願いします」
俺がお願いすると同時に今日は時雨に食べられた。
**************************************
応援、フォロー、星を付けて頂き誠にありがとうございます!
創作意欲に繋がるので応援、星を何卒・・・!
コメントもお待ちしております!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます