第26話 脳内天使! 耐えて!


 さて、とりあえず俺の前には社会、国語、保健のプリントがある。

 とりあえず、社会から倒すことにしよう。


 俺は椅子に座って……俺だけ座るのは気が引けるな、二人の椅子を持ってこよう。

 そう考えて二人に伝えたら、二人は椅子を持ってきて座ってくれた。


 社会に関しては暗記もので考える必要などないことから、時雨から素直にそのまま答えを聞いて回答欄を埋めた。


 そして、問題の国語である。


「えっと何々? 『問 1 発情した男を前に自分の体を使って興奮を抑えようとする私の気持ちを答えなさい』 ……1問目から回答に困るわね……」


「だろ? 思わずペン投げちまったよ」


「んー……これさ、男をお兄ちゃんとして女を私達として考えればいいんじゃないかな?」


「なるほどね、そういうことなら……『雪の性欲を私の体を使って発散させてあげたかった』でいいんじゃないかしら」


「待て待て、まじでそれ書くのか? というか俺じゃなくて男の話だろ」


「私と雪に置き換えて回答しただけよ。だから、私の気持ちと受け止めてもらってかまわないわよ?」


 流し目で微笑みながら、時雨はそう答え俺の椅子に自分の椅子をくっつけてきた。

 なぜ?

 

「……『男の性欲をその体を使って受け止めたかった』っと……次は?」


「次はねー……『問 2 興奮した男は私をベットに押し倒し、ベットの上で私に覆いかぶさってきたが、この時の私の気持ちを答えなさい』っかー。んーそうだなー……じゃあ答えは『やっと私を襲ってくれる気になったんだね! 待ってたよお兄ちゃん♡』でいいんじゃないかな? どうお兄ちゃん? 私の気持ちわかってくれたかな?」


 流し目で海も微笑みながら俺の椅子に自分の椅子をくっつけてきた。

 なぜ近づいて来た?


「……『やっと私を襲ってくれる気になったんだね。』ってこのまま書いたらこのプリントを見た人俺のことやべぇやつだと思われないか?」


「まともなプリントじゃないんだから、まともに回答してなくて何が悪いのよ」


「……もう空白でいいんじゃないか?」


「おもしろそうだし、このまま続けましょ。空白はだめよ」

「うんうん! 頑張ろうねお兄ちゃん!」


 そう言いながら二人は俺のふとももを撫で始めた。


「お、俺のふとももを撫でる必要はあるのか?」


「「おかまいなくー♪」」


 ……まだ大丈夫だよな、脳内天使よ?

 このぐらいで揺らぐ君ではないよな?


「次は何かしら? 『問 3 女性を襲った男性は女性のどこに魅力を感じたのか回答者の気持ちを答えなさい』ってあら? これは雪の回答かしら?」


「おい待て、小説の内容から答えを探すんじゃなくて俺の気持ちの回答になってんじゃねぇか」


「別にいいじゃない。それで? 雪は女性のどこに魅力を感じるのかしら?」

「お兄ちゃんのことだから大きな胸でしょ?」


 二人はそう言いながら俺に身を寄せてきた……俺の体に胸を当てながら……

 OK、大丈夫。俺は大丈夫だ。このぐらいなら問題ない。


「すぅー……『大きな胸に魅力を感じた』っとこれでいいか」


「じゃあ次ね、何々……『問 4 男は私の服を破り捨て、男は自分のJrを私に見せつけてきた。この時、私はどうしたか答えなさい』っね。雪、いくらなんでも服を破ったらダメよ? 服だってタダじゃないんだから。そーねー……『私の口で雪のJrをKINGにした』でどうかしら?」


「お兄ちゃん、そういう趣味があるの? せめて破るならタイツとかぐらいにしてね? あとどうせなら『私の胸でお兄ちゃんのJrをKINGにした』の方がいいんじゃない?」


「勝手に俺の性癖を加えるんじゃないよ! というか、まともに回答を考えてくれ!」


「「こんな問題でまともな答えあるわけないじゃない(じゃん)」」


 そう言いながら二人は俺の耳にそれぞれ口を近づけて、俺の上半身……胸板辺りを撫で始めた。


「雪はどっちがいいの?」

「お兄ちゃんはどうされたい?」


 上半身撫でながらASMRで俺の回答を求めるんじゃないよ!!


「くっ……なら『口と胸でKINGにした』これでいいだろこれで!」


「あら、欲張りね」

「じゃあ、次はそうしてあげるね?」


 そう回答すると二人は俺から離れた。

 ふぅー……いけるか脳内天使よ? そうかまだいけるか。期待しているからな。

 二匹の性の獣が君を狙っているが、うまくやるんだぞ。


「じゃあ次だねー『問 5 女性は男を迎え入れる為どうしましたか?』っかー、難しいなー……『お兄ちゃん私にもして?』でいいかなー?」


「それだとちょっと安直よね。もう少し捻って『雪は私のDaughterをどうしたい?』にしたらどうかしら?」


「それいいね! じゃあ『お兄ちゃん、私のGirlをWomanにする準備をして?』とかもいいんじゃないかな!」


「それもおもしろいわね。雪はどっちの回答が好みかしら?」

「お兄ちゃんはどっちを言われたい?」


 二人は俺のテントを張らせようと手で圧力をかけてくる。


 困ります!! お客様!! そちらはソロキャンプ専用です!! 3人も入れませんので!!


 俺は咄嗟に二人の手を掴み、テントへの圧力をやめさせた。


「落ち着け二人ともまだその時ではない。ここの回答は『男がDaughterにKINGと同じことをした』でいいだろう……」


「ふーん、まだ抵抗するのね? 往生際が悪いわよ」

「ほんとヘタレにぃなんだからー」


 大丈夫か脳内天使よ? あぁ……両肩に歯形がついてるな……

 まだいけるよな? あきらめたらそこで試合終了だからな?


 かと言ってこのままではまずい、この大喜利会場をさっさと閉幕させよう……


「んで次はー『問 6 男はJrをどうしましたか? 回答者がどうしたいかを答えなさい』だってー! お兄ちゃんはKINGで私をどうしたい?」

「ほら、雪は私でどうしたいの? 言ってごらんなさいな」


「般若心経を唱えた」


「「えっ?」」


「『般若心経を唱えた』」


「あ、ちょ! お兄ちゃん!」

「ちょっと雪! せっかくいいところなのに!」


「『問7 観自在菩薩』、『問8 行深般若波羅蜜多時』、問9...etc」


「もーお兄ちゃん! だめだよ! 真面目に回答しなくちゃ!」

「そうよ雪! 学校に提出するんだから真面目に答えなさいな!」


「今までのどこが真面目だったんだよ! つうかまだ保健のプリントもあるんだからこのペースだと終わらねぇよ!」


 そう、まだあるのだ。保健という名の俺の好みを聞くプリントが……


**************************************

この話書いてて楽しかったけど、無駄に頭悩ませました……

作者の語彙力の無さを許して欲しい……


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