第21話 この世界の教育…さてはバカだな?


 朝食を終えた3人は仕事や学校の為、部屋に戻っていった。

 みんなの代わりに俺が食器を洗っている。

 お世話になっているんだし、こういった細かいことで恩を返していきたい。


 食器を洗い終わり、俺も部屋に戻る。

 さて、とりあえず……携帯探すか。どこにあるんだ? 机の上か? ……無いな。というか机の上も片づけないとあとで宿題的なやつ出来ないじゃないか。机の引き出しの中は……あった! ついでに財布もあるじゃん。


「携帯にロックは掛かってない……連絡先に登録があるのは3人だけだな……メッセアプリも無しか」


 携帯の状態を確認してとりあえず俺はメッセアプリ[Beam]を入れた。

 アカウント設定を行っていると窓の方から音がした。

 時雨が窓から入ってきたようだ。


「部屋に戻ってたのね」


「あぁ、今携帯見つけてBeamを入れたところだ」


「あら、じゃあ私と連絡先交換しましょ?」


「おう」


 時雨はやり慣れているのか、ぱっぱと俺のアカウントを登録した。


「これから学校に行くけど、何かあったらすぐに連絡してね」


「了解。ちなみにさ、俺が学校で貰ってるプリントってどれかわかる?」


「ごめんなさい、わからないわ。机の上にはなさそう?」


「携帯探すついでに見てたけどそれっぽいのは無さそうなんだよな」


「じゃあこの学校鞄の中かしら?」


 時雨は机の横にあったカバンを持ちあげた。


「それが、俺の学校鞄かどれどれ」


 時雨から鞄を受け取り鞄の中を開けると筆記用具と数枚のプリントが出てきた。


「あー多分これっぽいかな? ありがとう時雨」


「いいのよ、それじゃ行ってくるから」


「あぁ、いってらっしゃい」


 そう言って部屋から出ていこうと部屋の扉の所まで行って、ピタリと止まりこちらに戻ってきた。


「雪?」


「ん? なんだ?」


「愛しい妻が外出するのだからやることがあるわよね?」


「え?」


「あ る わ よ ね ?」


「待て待て何をさせたいんだ、素直に言ってくれ。可能なことなら何でもするから」


「いってらっしゃいのチューを所望するわ」


「……」


「所 望 す る わ !」


「わかったわかった!」


 時雨の圧に負け、俺は時雨の唇に軽く唇を重ねた。


「♪」


「ほら、いってらっしゃい」


「いってきまーす♪」


 時雨がルンルン気分で部屋から出て行った。

 さて、俺は……部屋の片付けしてプリントってやつをするか。

 そうと決まれば、俺は机の上に置いてあるカップ麺とペットボトルを持って一階へと降りた。

 ちょうど出かける所だったようで、三人が玄関に揃っていた。


「3人共いってらっしゃい」


「雪! いってきます!」

「お兄ちゃんいってきまーす」

「いってくるわ雪、カップ麺ばっかりじゃなくてちゃんとした物食べなさいね?」


「わかってるよ」


 三人を見送った俺は手に持ったゴミを台所に捨てに行った。



**********


<SIDE 時雨>


 私と海は学校に向かう途中昨日の出来事について話をすることにした。


「昨日の話……雪が別世界の人って言うのは驚いたわね」


「そうだねー。記憶喪失したって時から色々おかしかったけど、そういう理由なら納得できるね」


「えぇ、一人称も僕から俺に変わってたし、やさしい理由にも納得が言ったわ」


「うんうん! お兄ちゃんやさしいよね! 昨日もお兄ちゃんに腕枕してもらいながら抱きしめてもらって、暖かくて幸せだったなぁ」


「素直にうらやましいわね……」


「今日は時雨姉が一緒に寝たら?」


「そうね、雪にお願いしてみましょ。それで昨日はあのあとどうしたの? 今日雪にキスをせがんだら普通に口にキスしてくれたからキスはしたんでしょ?」


「うん! キスもしたよ! あのあとは、一緒にお風呂入って、おっぱい揉んでもらって、お兄ちゃんのMY SONが反応したから搾ったよ」


「え!? 雪は出したの!?」


「うん、出したよ! 手と口でしかしてないけど……漫画ではおいしいって書いてあったけど別においしくなかったよ。あと時雨姉に聞きたいんだけどさ」


「な、何?」


「男の人って出したら次は少し期間が必要って聞いてたんだけど、連続で出すことは可能なの? 昨日2回も搾って治まったんだけど」


「!? 2……2回も搾ったの……? え、どういうこと……?」


「時雨姉?」


「今日朝雪を起こしに行ったんだけど、どうも男の人特有の生理現象で大きくなってたみたいなのよね……」


「えぇ!? また大きくなってたの!?」


「えぇ……だから、昨日あんな話のあとだから、王様ゲームの時に言ってた揉ませて反応させて搾ることは、出来なかったんだなって思ってたんだけど……」


「お兄ちゃんどうなってるの……? あ、それとも大きくなるだけで、搾ることはできないとかじゃない?」


「あ、そうね。その可能性があるわね」


「今日また誘惑して搾ってみる?」


「……そうね、今日は私が攻めるわ」


「うんうん、お兄ちゃんまだちょっと抵抗あるみたいだからいっぱい愛を育んで前向きにさせないとね!」


「そうね、愛を育むために頑張るわ」


「そういえば、お兄ちゃん恋人の関係に憧れてたみたいだけど、時雨姉彼女になる?」


「彼女? そんな関係にならなくても雪と結婚できるならそれでいいわ。恋人じゃなくても同じことやるんだし、漫画のような恋する乙女じゃあるまいし、興味ないわ」


「やっぱそうだよねー。恋人とやること変わらないし……でも結婚するなら他の男よりお兄ちゃんがいいよね?」


「それは当然よ。今のやさしい雪以外ありえないわ。あぁ……そう考えたら雪に会いたくなってきたわね……」


「今日は学校終わったらまっすぐ帰る?」


「えぇ、帰ったらお帰りのハグとキスを私も要求して愛を育まないと……!」


 そう私は決意し、学校へと向かった。


**********


<SIDE 雪>


 俺は部屋の片づけを行い、自室に戻り渡されているプリントと向き合っていた。

 今の俺に中学とはいえ、ちゃんと問題を解くことができるかとちょっぴり不安があったが杞憂に終わった。いや、正確には問題があった。


「なんか、問題のLvが低くないか? 数学とかどっちかっていうと算数じゃん。いや、それよりもさ……国語おかしくね? 内容が官能小説なんだが?」


 そう、国語の題材となる小説があきらかに官能小説なのだ。


「え、これ授業中に朗読したりするのかな? 女の子がこれ読むの? 『目の前にいる男が発情したので私は自分の体を使ってその興奮を抑えることにした』とか授業中に読ませるの? 罰ゲームだろこれ……とりあえず問を見るか……えっと何々、『問 1 発情した男を前に自分の体を使って興奮を抑えようとする私の気持ちを答えなさい』……知るかボケ!!」


 俺はそう叫び、思わずペンを投げた。


 ちらっと他の問も見てみたが、似たようなもんだ……ダメだ。さすがに馬鹿馬鹿しくてやってられん。これは白紙でもいいかな? 怒られるかな? ……海か時雨に相談してみるか……


 というか他のプリントは……


 英語、理科、数学は問題ない。Lvは低いが普通に問題として成り立っている。

 問題は国語と社会と保健だ。

 この世界の社会とか知るわけがない、歴史上の男の人物が軒並み女になっている。

 歴史としてはだいたい同じっぽいがちょいちょいおかしな事件が含まれている。

 なんだよ豊臣姫子が行った男狩りってバカなの?

 そして保健だが……


「無駄にエロい二次元の女性が書いてあって、どの女性が好みかとか、貴方が興奮する女性の体はどこかとか、貴方が性的に興奮する衣装は何かとか……もう問題じゃなくて俺の好み聞いてるよねこれ?」


 そんな風にあきれて思わず時計をみた。


「ん、もうすぐ昼か……どうするかな昼飯……昼って前の世界だと平日はコンビニ飯が多かったんだよなー……周り見て回りたいし、散歩がてら、外に出てみるか」


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ちょっと体調悪いんで10万なった時10万PV記念が間に合うか……

明日頑張ります(オニイサンユルシテ


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