第20話 そんなこともやってんの?


 俺は抵抗虚しく海に食べられ、呆気なく俺は達した。

 とてもよかった。

 女の子にしてもらうのってこんなによかったのか。


「なんか漫画だとおいしいって言ってたけど、別においしくはないねー」


 それは漫画は漫画でもエロと付くのではないだろうか。


「え、あれ?」


「あぁ……? どうした?」


「なんでまだ大きいの?」


「え?」


「今出したじゃん」


「今日は散々焦らされたからな、俺の脳内天使が死んだからこの有様だ」


「そういうことじゃなくて」


「?」


「え、私がおかしいの?」


「こうなってるのは海のせいなんだが?」


「……よくわかんないけど、それだと寝にくいよね?」


「そうだな」


「もっかい練習していい?」


「もうこの際だ、よろしく頼む」


「はーい!」


 そうして再度海に食べられ、ようやく賢者バフを手に入れた。

 お掃除も丁寧にしてもらい大変満足です。


「ふぅ……ありがとう海、すごくよかった」


「むふふー! よかったー! 頑張ってちょくちょく練習してたんだから!」


「練習とかしてんだな」


「そうだよー。下手だとうまく出してもらえないかもって思って漫画読んで練習したんだー」


「それ絶対エロって付くよね?」


「もちろん」


「それお店で買えるもんなの?海の年齢で」


「男の人の家族だと買えるよー」


「え、そういうもんなの?」


「そうそう、男の人からちゃんと出してもらえるようにする為に資料として認められてるよ」


「この世界の常識すげぇなぁ」


「お兄ちゃんの世界だと買えないんだ?」


「18歳未満は禁止だな」


「へぇー……ふぁ~……」


 海は欠伸をしだした。眠たくなってきたのだろう。


「そろそろいい時間だし、寝るか」


「うん、ねるー」


 そう言いながら俺と海は仲良くベッドで横になった。


「お兄ちゃん、腕枕してー」


「はいよ」


 あれだけのことをしてくれたのだ。できる限り海の要望には応えよう。

 腕枕をしてやるとそのまま海はこちらに抱き着いて来たのでこちらも空いている腕で抱きしめた。

 なんかこうすると愛おしさが沸いてくるな……


「お兄ちゃんあったかーい」


「海も暖かいぞ」


「お兄ちゃん」


「ん?」


 返事をすると海は俺の口にキスをしてきた。


「おやすみなさい」


「……あぁ、お休み」


 愛おしさが溢れ、俺は海を抱きしめる力を強め、海の頭に顔を埋めた。

 今ままでに味わったことの無い幸福感が俺の中に湧き上がる。

 恋人がいるっていうのはこういう感覚なのだろうか?

 そんな幸せを抱きながら俺は眠りについた。



************



「……き」


 声が聞こえる気がする。が、まだ眠い。


「おき……ゆき……」


 俺はまだ眠いと言っている。


「ふーん……」


 ゴソゴソと動く音が聞こえ、俺の上に重みが加わり抱きしめられた。

 そして耳元で声が聞こえる。


「お・き・て・ゆ・き・♪」


「ふぁぁ!?」


 耳元で艶のある声が響き、驚きで思わず目を開けた。


「ふふ、おはよう、雪」


「お、おはよう時雨」


「気持ち良さそうに寝てたわね」


「あぁ、ぐっすり眠れたからな……あれ、海は?」


 一緒に寝たはずの海は既に隣にいなかった。


「起きてトレーニングしてるんじゃない?」


「トレーニング? もしかして時雨もしてるのか?」


 時雨の服を見ると今から運動するかのようにトレーニングウェアを着ていた。

 先ほどまでトレーニングしていたのか少し汗ばんでいる。


「えぇ、行ってみましょうか?」


「あぁ、そうだな」


 そう返事したものの、俺はあることに気付いた。

 今は寝起きだ。いくら寝る前海に世話になったとはいえ、悲しいことに生理現象というのは起きる。朝だからね!


「あー悪いが先に下に降りてもらえないか?」


「?」


「あーいやーそのー……男には生理現象というものがあってだな……」


「え!?」


「察して頂けると助かるのですが……」


 時雨は悲しそうな顔をしながら俺から離れベッド側に立った。


「そう……うまくいかなかったのね……まぁ、あの話のあとじゃ無理か」


「え? 何の話?」


「なんでもないわ、下に行ってるわね……」


 時雨は気落ちした様子で海の部屋から出て行った。

 朝から何かしてしまっただろうか?

 あとで海経由で聞いてみるか。


 朝の現象が治まり、海の部屋を出てリビングに向かった。

 リビングに来たものの、海も時雨もいない。

 どこにいるかと探してみるとバスン、バスンと音が聞こえてきた。

 音がする方に向かい、扉を開いた。


「おはよう。ここにいたのか、というかこの部屋なに?」


「あ、おはようお兄ちゃん。ここはトレーニングルームだよ」


「トレーニングルームなんてこの家にはあるのか……」


 海もトレーニングウェアを着て、サンドバックを使ってトレーニングをしていた。

 辺りを見渡すと、さすがに本格的な物はないが、サンドバック、懸垂バー、トレーニングベンチ、ランニングマシーンなど家庭用の筋トレグッズがそれなりに揃っていた。


「うん。男の人って襲われやすいから、身近な人とか妻がいざという時に守れるように鍛えたりするんだよ。あと護身術習ったりとかもしてるよ」


「……なんか女の子って色々やることがあるんだな……」


「それだけ男性の価値が高いってことだね」


「身に余る思いだよ……時雨もトレーニングしてるのか」


 先ほど見渡した時に見つけたが、時雨はトレーニングベンチで腹筋をしていた。


「それはっ、そうよっ、よくっ、雪のっ、そばにっ、いるのはっ、私っ、だからっ、ねっ」


「なるほどな……なぁ、海、俺もトレーニングしたいんだが、俺のトレーニングウェアとかってあるのか?」


「あると思うけど……昔のだからさすがに入らないじゃないかな?」


「まじか……」


「今度買いにいく?」


「あぁ、買いに行こう。今日はみんなの朝食の準備でもしておくよ。ちなみにいつもは朝食どんなの食べてるんだ?」


「朝はトレーニングしてたりして時間がないから、パンとか軽い物が多いかも」


「ふーん、了解。台所見て考えるわ。時雨も食べるよな?」


「えぇっ、お願いっ」


「おっけー、あとどれぐらいトレーニングする?」


「私はもうすぐ終わるよ。シャワー浴びたいし」


「ふぅー……私もシャワー浴びたいからそろそろ終わるわ」


「なら朝食の準備してくるわ」


「「よろしくー」」


 俺はトレーニングルームを出て、朝食を作る為、台所に向かうとそこには母親がいた。


「おはよう、母さん」


「あら、おはよう雪。今から朝食作るからちょっと待ってね」


「俺も手伝うよ」


「そう? なら手伝ってもらおうかしら! 息子と一緒に朝食の準備が出来るなんて夢のような出来事ね……!」


 俺と母親で朝食の準備を行い、シャワーを浴びてきた海と時雨と共に4人で朝食を食べた。


**************************************

アンケートへのご協力ありがとうございました!

10万PVに向けて作業します。(間に合えばいいけど……

出来上がったら結果発表でまた記念のところに上げます。


応援、フォロー、星を付けて頂き誠にありがとうございます!

創作意欲に繋がるので応援、星を何卒・・・!

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