第12話 陽キャ御用達のゲーム☆彡③



「さぁ次いくよー! せーのっ!」


 次こそは頼むぞ……


 引いた割り箸は1番……


「「「王様だーれだ!」」」


「また私だよー!」


 俺の王様どこーーーーーーーーー?


「じゃあねぇー……2番が1番の耳を舐める!」


「あら、また私が雪を舐めるのね」


「あわわわわわわわわ……」


 妖艶な笑みを浮かべ、舌なめずりしながら時雨が這い寄ってくる。


「覚悟してね、雪」


 そう俺の耳元で聞こえるぐらいの声量で宣言すると横から俺に抱き着き、艶のある声を発しながら、ジュルジュルと耳の中を蹂躙しはじめた。


「れあっ……んあっ……んんっ……」


 リアル耳舐めASMRはヤバイって!!


 無理、もう無理、死んだ完全に理性の天使死んだ、脳内天使の頭はじけ飛んだ。


 そう確信し、俺は両手でテントを隠した。


 30秒ほど俺の耳を蹂躙したあと耳から顔を離し、俺の顔を見てもう一度俺の耳元に顔を近づけ時雨がささやいてきた。


「いつでもそのテント一緒に折りたたんであげるからね? 一人じゃ大変でしょ?」


 ば、ばれてるぅぅぅぅ……


「恥ずかしいならせめて、さっき私が指食べた時の動きを思い出してたたんでね?」


 そう言い残し、俺から離れると時雨は勝ち誇った顔を海に向けていた。


「時雨姉ガンガン攻めるじゃん」


「ふふ、海に負けてられないからね?」


 二人はクスクスクスと笑い合うとこちらに向き直り妖艶な笑顔をした。


「楽しいね、お兄ちゃん?」


「どうかしら、女の子に少しは慣れてもらえた?」


「あ、あぁ、す、すごいな、前はこんなことしてたんだな」


 俺の顔は真っ赤なのではないだろうか、俺を見ている二人の笑みが深くなっている気がする。


「前はもっとすごかったよ?」


「最初だから控えめよ、雪が希望するならこれ以上のこともできるわよ?」


 これ以上って何!? これ以上って何なの!?


 前の俺は毎回こんなことしてたの? よく獣にならなかったな……


「だだだだだ大丈夫! 初めてだから、このぐらいで大丈夫です!」


「ふふふ……じゃあ、次いくよー! せーのっ!」


 頼む、今度こそ、今度こそ王を我に!!!


「「「王様だーれだ!」」」


「俺だああああああああ!」


 来たぞ! 俺の時代!


「それでぇ~? お兄ちゃんは誰に何をしてもらいたいのかなぁ~?」


「さぁ~王様? かわいい女の子をどうしたいのか、聞かせて頂戴?」


 王になったのは間違いだった気がする……


 ここはあれだ、一旦クールダウンを狙おう。


「えー……じゃあ……1番がそのー……2番の手の甲にキスをする!」


「「却下」」


「なんで!?」


「お兄ちゃん空気読も?」


「女の子同士でそんなことしてどうするのよ? それに、手の甲にキスって何よ? これだから童貞は」


「ぐっ!?」


「さっきまでと同等、もしくはそれ以上の要求しないとダメだよお兄ちゃん」


「そうね、場を盛り上げるならそうしないと場がしらけるでしょ?」


 クールダウン作戦は無理そうです……


「え、えっとーじゃあー……王様に抱き着く!」


「「うーん……」」


 くっ、抱き着くだけじゃダメか……


「あーダメか? それならえっとー……」


 そこで時雨はニヤリとした。


「いいえ、ダメじゃないわ、王様の命令は絶対ですもの」


「お、おう! じゃあよろしく頼む」


「じゃあ、私が前で海が後ろね?」


「おっけー!」


「え!? 二人!?」


「だって、番号指定してないでしょ? 欲張りな王様ね?」


「王様の命令だから仕方ないねー♪」


 び、美少女のサンドイッチだと!?


 いや、待て待て俺はテントを隠す為にこの手を動かせないんだが!?


 胡坐をかいた俺の前に時雨がやってきた。


「ほら、雪、その手があると抱き着けないんだけど?」


「いや、これは、その」


「いい加減あきらめなさいな……海?」


「はーい! お兄ちゃんご要望の抱き着きでーす♪」


 海が返事すると俺のことを羽交い絞めにした。


「うみいいいいい!?」


 海の胸が背中に!? や、やわらかい! 圧迫感ががががが


「それでは王様、失礼しまーす♪」


 胡坐をかいている上に時雨が座り、抱っこのような態勢で抱き着いてきた。


 前門のDカップ時雨、後門のEカップ海。


 時雨の胸と俺の胸が重なり、時雨の胸が潰れ、時雨がこちらの首元に顔を埋める。


 テントにやわらかい重みが加えられ、理性が崩壊した音が聞こえた。


 もうどうにでもなれと俺も時雨の首元に顔を埋めることにした。


 病院でも嗅いだが時雨も海とは違ういい匂いがする、安心できるような匂いだ。


 そんな風に匂いを堪能していると時雨が質問してきた。


「ねぇ、雪? 海のどこにキスしたの?」


「ほ、頬だ」


「ふーん、口ではないのね」


「あぁ」


「じゃあ、首にキスして?」


「えっ!?」


「海にだけキスしてずるいわ」


「あれは、俺が自宅に帰ってきた時の挨拶で「そんなことどうでもいい」……わかった」


 俺は時雨の首に軽くキスをした。


「違うわよ、首にキスするならこうでしょ」


 俺の首に時雨が吸い付いた。


「はっ、ちょ!?」


「じゃあ、私もー!」


 反対側を海が吸い付き始めた。


「うぇええええええ!?」


 首に痛みが走ると同時に幸福感のようなものも生まれる。


 僅かな時間だが、確実に痕をつけようと吸い付いている。


「「ぷはぁ!」」


 二人が首から顔を離し、そのまま俺の耳元で呟く。


「今度首にキスする時は同じようにしてね?」

「私にも同じようにしてね! お兄ちゃん?」


「わ、わかりました」


 そう返事すると二人は離れた。


「じゃあ次はー」


 コンコンコン


 海の部屋の扉から音がした。


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