第8話 まぁお決まりですよね


「もう海も時雨ちゃんも争わないの! どうせ二人とも雪と結婚するんでしょ? だったら争うだけ無駄じゃない」


「「それはそうなんだけど(ですけど)……」」


「え、待って、俺二人と結婚するの? というかできるの? もしかして重婚的な?」


「そうよ? 一夫多妻制で男の人が重婚するのは義務なのよ。18歳までに1人、21歳までに3人、24歳までに5人と結婚しなくちゃいけないんだから」


「24歳までに5人……」


「そうだよ、お兄ちゃん。何の為に無駄に偏差値の高い高校行くと思ってるの」


「俺が高校に無条件で入れる理由は恋人探しの為かよ!」


 男性がまともに働けないのに無条件で高校に行ける理由はこれですか……


「ん? じゃあなんで2人は争ってるんだ? 結婚する約束したーだとか無理やりしなくても、重婚できるんだったらいいんじゃないのか?」


「「第一夫人は私がいいの!!」」


「さいですか……海はお母さんが了承すればいいんだろうけど時雨の家族も俺と結婚することに賛成なのか?」


「もちろんよ、ちょくちょく大淀家と坂間家でご飯食べたりして仲は良好なんだから」


「そうなんだな」


 プロポーズして相手の両親を説得!! なんてイベントは無さそうでよかった。


「だから雪は第二夫人までは私達が貰う約束してるから、それ以降を高校で探しなさい。さもないとひどい目に合うわよ」


「えっ?」


「出会いの場は高校だけじゃなくて、お見合いなんかもあったりするんだけど21歳、24歳までに既定の人数、お嫁さんが出来なかったらどうなると思う?」


「……勝手に相手が決められる?」


「ぴんぽーん♪ その相手って言うのがだいたい権力に物言わせた大金持ちの人になるのよ」


「何それ玉の輿じゃん! 大金持ちと結婚できるなら別に探さなくても「ちなみに年齢は30後半から40前半の人が多くて、見た目も期待しちゃだめよ? そんなんで貴方ちゃんとナニをたたせることできる?」頑張って嫁さん探すわ」


 二回り以上歳が離れた人との結婚は流石に勘弁してもらいたい。


 あれ、ちょっとまて……


「じゃあなんで俺は小学校や、中学校で女友達がいないんだ? 別に高校じゃなくてもそこで恋人作ってもいいんだろ?」


「どこの馬の骨とも知らない発情した雌犬をお兄ちゃんに近づける訳ないでしょ?」


「えぇー……」


「お兄ちゃんは養われる立場なんだから、下手な雌犬に任せるとお兄ちゃんの足を引っ張りかねないでしょ?」


「そういう感覚なのか」


「そっ! でも高校は偏差値が高いところに行くから、将来有望でお兄ちゃんをちゃんと養えて、無駄に発情しない淑女が揃ってるから高校からじゃないとダメなの」


「じゃあ、高校からは俺の交友関係に口出ししないってことか」


「そんな訳ないでしょ? 高校でも交友関係は私と時雨姉で管理するから」


「高校1年だと海ちゃんは関わりずらいから雪の交友関係は私が管理するから安心して?」


「俺に人権ってないんですかね?」


「「あきらめて?」」


 ギブミー人権……


「そもそも結婚って雪だけの問題じゃないのよ? 私達とも一緒になるんだから変な人と一緒になるなんて嫌よ勘弁して」


「あー……一夫多妻制ってそういうのも考える必要があるのか……」


 前世で一夫多妻なんてなかったからその感覚がまったくなかったよ……


「じゃあ、自由恋愛なんて俺にはないんだなー」


「え、何、私達と結婚するのが嫌なの?」


 急に海と時雨の目のハイライトが消えてすごい圧を感じた。


「そ、そういうことじゃなくてさ、恋愛もしてないのに結婚って感覚がわかんないんだよ」


「お兄ちゃんの言う、恋愛って何?」


「んーそりゃ……仲良くなって、デートとかして愛を育むてきな……?」


「お兄ちゃん病院でどんな漫画読んだの……というか、そのあたりも覚えてないだろうけど色々やったよ? 3人で買い物にお出かけしたり、花火大会行ったり、家族でキャンプに行ったりとか……まぁ、そんなに会話もしてなかったから愛を育めていたかと言われると怪しいけど……」


「あー……だからじゃない? その辺の記憶もないから好感度的なものが0になってるっていうか」


「あーそういうことかー……」


 海と時雨は理解したのか、少し悲しそうな顔をしている。


「ごめんな……二人が俺を好きなことはわかるけど、まだ俺の方が色々整理できて

ないっていうか……」


「いいのよ、それならそれでまた仲良くすればいいだけなんだから」


「そうそう、それにここ数年別に対して思い出があった訳じゃないからさ」


「ありがとうな二人とも……!」


「まぁ、今の雪の方がちゃんと会話が出来るから、雪の言う愛も育みやすいわね?」


「覚悟してね? お兄ちゃん」


「お、お手柔らかにお願いします」


「「それは無理かなー」」


 俺は理性を保てるのだろうか……自信は……ない!


「まぁ、それはともかく最初の話に戻すけど、ファーストキスなんてものは雪にはないからあきらめなさい。」


「そっかー初めての恋人とのキスは大切にしたかったんだけどなー」


「お兄ちゃん、そんなに恋人とのキスが大切ならファーストじゃなくてもいいんじゃない?」


「どういうこと?」


「もういっそのことワンハンドレットキス……いや、お兄ちゃんの場合100は超えてるだろうから……トゥーハンドレットキスを記念に取っておくとか?」


 海が馬鹿なことを言い出し時雨が悪乗りする。


「200なんて中途半端でしょ。もうここはサウザンドキスを記念にするしかないんじゃない?」


「サウザンドキスなんてロマンチックー(笑)」


 そんなパワーワード聞いたことありません。


「ということで雪? 「お兄ちゃん?」」


「「私達と999回目までキスしようね♪」」


「いや、誰が俺のキスの回数カウントしてるんだよ、無茶言うなし」


 そんな感じで俺の恋人とのキスはトゥーハンドレットキスぐらいが記念になりそうです。


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土日だからか一気にPV、フォローが増えて感激です!

6000PV突破!!!ラブコメ日間5位!!

星も100超えました!読者の皆様誠にありがとうございます!

レビューも頂けて感謝感激雨あられです!(死語

創作意欲に繋がるので応援、星を何卒・・・!

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