第5話
暗い部屋で、少女は1人謝り続ける。
「ごめんなさい、もうしません。ごめんなさい。」
何度謝っても部屋から出してもらえない。
どれだけ泣いても助けてもらえない。
少女は、絶望を感じていた。
「だぁかぁらぁ!悪いのは!あたじゃなくて、村松なの!アイツが感じ悪いから!」
「あのねぇ、感じ悪くても、やっちゃいけない事があるの。あなたのやった事は、暴行になるの。」
「はっ!あたしが悪いとか、わけわかんないし!」
なにこの警官。
言ってる事意味わかんない。
あたしは警察署に連れて行かれ、警官にうっぷを晴らす。
「はぁ、あなた一緒に暮してる人いる?迎えに来てもらうから。」
「いるわよ。あんたと同じ仕事の人。」
しばらくして、令音が入ってきた。
「どうもすみません!」
「築山巡査部長、お疲れ様です。」
「お?おお―!築山巡査部長、お疲れ様です!」
あたしは令音に敬礼する。
「何やってんだオマエは。帰るぞ。」
「何で?パトカーで?」
「いい加減にしろって・・・
すみません。お騒がせしました。」
アパートに戻り、あたしはベットに寝ころぶ。
グガ―――――――――
あたしはそのまま爆睡した。
翌朝、目を覚ます。
ん?
昨日の飲み会の事を思い出そうとしても、全く思い出せない。
令音に送ってもらって、村松にムカつく事言われて、ビール飲んで・・・
令音に聞こうにも、仕事に出てしまったみたいで、もう居ない。
ま、いっか。
今日はあたしは休みだし、令音は仕事で居ないけど、せっかくだし、映画でも見に行こうかな。
あたしは着替えて、メイクをし、外出した。
あたしは、ショッピングモールにある映画館に来た。
ずっと見たかったんだよね。この映画。
あたしはチケットを買った。
おっと、その前にトイレに行っておこう。
シネマホールの端の非常階段を過ぎた奥にトイレがあったハズ。
「・・・・・」
「・・・・・」
非常階段から声が聞こえた。
誰でも出入りできるから、気にする必要はないんだけど、なんとなく気になってしまったので、ちょっと覗いてみた。
うわっ!!
キスしてる!!
若そうな女の子が、男の首に手を回し、激しくキスしていた。
うわっ!!
こんなとこで・・・
誰か来てもおかしくないのに。
あたしは、コソコソ隠れるように、その場を離れた。
――――――――――
男が女性から顔を離す。
「愛してるよ。」
女性も、うっとりした表情で、男を、見つめる。まだ20歳前後だと思われる、若い女性だった。
「あたしもです。」
男の方は・・・
光騎と同じ職場の西村ドクターだった。
二人はまた、お互いの唇を求めあった。
――――――――――
映画が終り、スクリーンを出ると、西村ドクターの姿が。
「あ!西村先生!」
西村ドクターはあたしに気づく。
「松村さん、1人なの?」
「はい。西村先生もお一人ですか?」
「うん。まあ。」
西村先生は、1人で買い物にきていたみたい。
「お昼食べた?一緒にどう?」
「ほんとですか?ありがとうございます。ぜひ!」
西村先生は爽やかな笑顔出言う。
「昨日の飲み会はどうだった?」
パスタを食べながら西村先生は聞く。
うっ、聞かれたくない質問。
「それが・・・酔っ払ってあまり覚えてないです。」
「ははは。若い子にはよくある事だ。」
「お恥ずかしい・・・」
「僕もね、若い頃はイロイロあったよ。片方の靴が脱げた状態で道路で寝てたり。」
「ほんとうですか!?」
「うん。」
西村ドクターは優しく笑う。
西村ドクターは、すごくイケメンってわけでもないけど、長身で細身で、とても優しい顔で笑う。たぶん、モテると思う。
「ドクターは独身ですか?」
あたしは、なんとなく聞いてみた。
「うん。バツがついてるけどね。」
「え!そうなんですね。」
きまづい。
「もう何年かたってるから、誰かいい人欲しいんだけど、なかなかできなくてね。」
「仕事も忙しいですしね。」
いや、西村先生なら、すぐにできるだろ。
パスタも食べ終り、あたしは、先生と別れた。お会計も先生が払ってくれて、ほんとに優しくて、素敵な先生だ。
「ただいま〜」
イロイロ買い物をおえて、あたしは帰宅した。
まだ令音は帰ってきてない。
仕方ない、ご飯の準備するか。
8時を周り、令音が帰宅した。
なんとなく、だけど・・・怒ってる・・・?
「令音・・・なんか怒ってる?」
「怒るっていうか・・・自由な彼女に振り回されて、つかれてる。」
ああ、あたしは昨日、やっぱり何かをしたのか。
「あたし、何かやっちゃった?」
「聞かない方がいいと思うけど?」
う・・・そんな事言われると気になるけど・・・怖くて聞けない。
令音はムスっとしてて、気まずい。
「シャワー浴びてくる。」
・・・・はい・・・。
落ち込むあたしを見て、同情したのか、
「一緒にはいる?」
え・・・?
うそ、何ヶ月ぶり!?
「うん!」
あたしは令音とラブラブお風呂に向かった♡
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