エレア偵察ノート
ふと、私の周辺人物を観察した所感を残してみようかと思い立ちました。
偵察兵時代の観察眼を用いての所感なので、偵察ノートと名付けていますが端的に言ってしまえばただのメモです。
この世界の人達は変な人達が多いので、こうしてメモを残して後で読み返すのも面白いかと思ったわけですね。
所感については以下の三つに絞ってまとめたいと思います。
・来歴
・性格
・ファイトスタイル
他にもなにかあったら特記するけど、多分この3つがあれば十分じゃないかなぁ。
なお、ファイトスタイルには実力も併記しますが、あくまで目安です。
お互いのテンションや運命力の差でファイトの実力は容易に逆転しますからね! ここ注意!
偵察兵として、可能な限り公平にまとめたいと思います。
<棚札ミツル>
・来歴
カードショップ「デュエリスト」店長。
我らが店長です、実家のあるこの地方都市で店を開いてはや数年。
すっかり、街の有名人になりました。
実は店長って、ファイターとしての頭角を現したのは中学時代からで、それ以前……この街に住んでいた頃は比較的おとなしかったそうなのですよね。
中学は、県内随一の進学校にして唯一のファイター特待生を受け入れてる私立校に進学。以降は、あまり目立たないものの隠れた実力者として一部には有名だったそうです。
表舞台での目立った活躍は、店長が大学時代に開催された「第三回ファイトキングカップ」で第三位に入賞したこと。
その時の賞金が、「デュエリスト」の開店資金となりました。
特筆すべきは、この世界で頻発する「悪魔のカード」に関する様々な事件に関われないこと。多少関われはするのですが、いまいち根幹に食い込むことができないのです。
その割に、「悪魔のカード」関係の事件に外部から的確なアドバイスを送るものだから、周りからは様々な事件に関わった実力者であると誤解されているのが悩みだとか。
・性格
穏やかな性格の、普通の人だと思います。
オタク趣味に理解があって、イグニッションファイトが好きなどこにでもいる好青年。
少しツッコミが辛辣なキライはありますが、何かと濃い事件が起こりがちなこの世界だとそれも宜なるかな……って感じですね。
カードショップの店長として、周りに頼られる人でもあります。
何かと他人の背中を押して、成長を促すことが多いです。
そのせいもあってか、周りからは立派な人だと思われてるんですが、本人はそんなことないって随分と謙虚なんですよねぇ。
まぁ、そういうところがいいんですけど。
・ファイトスタイル
「古式聖天使」という水晶の天使みたいなモンスター群によるデッキを使います。
ファイトスタイルは、相手の全力を引き出して、それを受け止めたうえで勝利する戦い方。
本人曰く「リスペクトスタイル」だそうです。
使用するモンスターは<ロード・ミカエル>をはじめとして破壊耐性のあるカードが多いです。この破壊耐性で相手の攻撃を受け止めて、反撃するんですね。
概ねオーソドックスだけど、若干防御よりなファイトスタイルと言えるでしょう。
しかしそれはあくまで品行方正な表の顔……裏では残虐非道な封殺ファイトを行うのが店長です。
相手のサモンとカウンターエフェクトを無効にする<ゴッド・デグラレイション>をはじめとした妨害カードで、相手がエースを呼び出す前に倒してしまう。
そんなある意味身も蓋もないファイトをするんです。
と言ってもこれは、「悪魔のカードを使用しない悪党」にだけ使われるスタイルなのですが。
まぁ、雑魚ダークファイターをサクッと処理するためにも使ったりしますけどね?
実力は文句なしの最上位クラス! 最強は自分だと名乗れる強さは伊達じゃありません!
<エクレルール/エレア>
・来歴
カードショップ「デュエリスト」店員。
そう、私です!
実はその正体はただの店員ではなく、モンスター店員です。
クレームがひどいという意味ではなく、本当のモンスターなんです。
異世界で生まれ育ったモンスター<帝国の尖兵 エクレルール>それが私の正体。
この帝国というのがひどい場所で、勝者こそが絶対、敗者は勝者の所有物という世界でした。
そんな世界が、異世界への侵略を決意。
私はその尖兵として送り込まれました。
そこで出会ったのが店長です。店長は私に勝利し、私は店長の所有物となりました。
それから色々あって……今はこの店で店員をしています。
ですが、そんな私にも夢があったりして。
それは店長の……って、たとえ私しか見ていなくても書けませんよそんなこと!
・性格
かつての私はクール系美少女。
今の私は、ダウナーなところのあるハイテンションオタク少女……といったところでしょうか。
クールではありますよ、少なくとも声のトーンは。
内面の話をすると、かつての生活のせいで真面目ではあるものの根は怠惰……みたいな感じです。
本当はだらけていたいんですよ、でもだらけていると昔の事を思い出してうわあぁぁあぁぁ。
まぁ、そういうトラウマは未だありますが、今の私は元気です。
・ファイトスタイル
私には、人並みはずれた偵察スキルがあります。
敵意のある視線は絶対察知、そうでなくとも気配には敏感です。
それが直接ファイトスタイルに影響を与えているかはわかりませんが、ファイトスタイルは慎重な部類に入るでしょう。
デッキは「帝国」デッキ。私の故郷をモチーフにしたデッキです。
最初のうちは<帝国の暴虐皇帝>というエースモンスターをサモンして戦います。
ですがこれが敗れると「帝国革命」モンスターにスイッチ。
以降はキーカードである<帝国革命の御旗>を守りながら戦います。
前者は高打点モンスターの多いオーソドックスなデッキ。
後者は無効エフェクトの多いコントロール系のデッキです。
ファイターとしての実力はほどほどですね。
決して弱くはないですが、店長のような最上級クラスには敵わないです。
<ヤト/夜刀神>
・来歴
秘匿エージェント組織「闇札機関」のエージェント。
夜刀神はそのコードネームです。
ヤトちゃん、私の親友です!
両親がおらず、姉のハクさんと二人で暮らしているという境遇ですが、その正体は記憶喪失の女の子。
ハクさんとは見た目が似ていますが、実は血のつながった姉妹ではありません。
あんなに似てるのに!?
ともかく、どうやら異世界……「蒸気騎士団」というモンスター達がいる世界からやってきたご様子。
今のところ確定してませんが、ヤトちゃん本人にもモンスター疑惑があります。
・性格
生真面目で、真っ直ぐな女の子。
そして生粋のパンクファッションオタク。
出身世界が「パンクナイツ」の世界だからでしょうか、パンクファッションに並々ならぬ情熱を注いでいます。この二つのパンクって直接つながりありましたっけ?
それ以外の部分は、しっかりものの女の子って感じです。
オタク趣味があって、可愛いものも大好きで私とは何かと波長が合います。
記憶喪失だったからか、自分の来歴はあまり意識していないようですね。
・ファイトスタイル
とにかく真っ直ぐ、王道のファイトスタイルを好みます。
使用デッキは「
いわゆるスチームパンクに代表される、近代英国をモチーフにしたデッキです。
でも「ショルメ」ってなんですかね? 「ホームズ」じゃないのかな?(※)
ちなみに英国モチーフなら何でもいいらしく、<獅子心王リチャード>なんてカードもいます。
蒸気で動くライオンロボです、がおー!
ちなみに、デッキはサモンを多用する展開力の高いデッキです。
一度崩されても、立て直すのが得意といいますか。
実力は私とどっこいです、つまり普通に強い。
<レン/翠蓮>
・来歴
この世界を守護する“一族”の人間で、「闇札機関」の盟主。
麗しきゴスロリ金髪中二小学生、それがレンさんです。
すごいお金持ちで、「闇札機関」もレンさんの私費で運営されてます。
めちゃくちゃ本部の施設がすごいらしいですが、黒字運営できてるんでしょうか。
レンさん自身は小学生でありながら、エージェント組織盟主の他に、喫茶店の経営もしています。
従者ファイト喫茶と呼ばれるそこは、メイドや執事が給仕といっしょにファイトしてくれるコンカフェです。
いやぁ、あそこのメイドさんはいいもんですよ。
私も衣装デザインなんかでお手伝いしたりとかしてます。
・性格
THE☆厨二病。
それはそれとしてノリがよくて、ツッコミも冴え渡っています。
というか、中二っぽい発言してる時より、「お前ー!」って言ってる時の方が多くないですか?
それはそれとして、レンさんの中二センスは安定してると思います。
本名からコードネームを取る、というのはどうなんだろうと思いますが、ネーミング自体は安定してますしね。
なんというか、闇札機関の人たちをはじめ、中二病というよりは中二っぽい行動が好きな普通のこどもって感じもするんですが、どうでしょう。
あと、幽霊が苦手らしいです。かわいい。
・ファイトスタイル
相手とテンションによって強さが激変する不思議なスタイルです。
スタイル……? とにかく、日常でのファイトは正直そこまで強くないです。
でも、ダークファイターを相手にした時のレンさんはすごいです。はんぱないです。
使用デッキは「ガイアストラ」。地球と星、つまりガイアとアストラでガイアストラだとか。
地属性ドラゴンデッキです、ゴツゴツした岩っぽい肌が特徴。
下級のモンスターは「ワイバーン」とか「ドラグーン」とか、竜っぽい名前のモンスター。
エース級のモンスターは伝説上の竜の名前が付きます。「ファフニール」とか「ウロボロス」とか。
高打点と破壊力に満ちたビートダウンデッキです、王道!
実力は普段は店の常連の中では最弱、ですが本気を出すと最強……みたいな感じです。
<アロマ・ユースティア>
・来歴
レンさんの“一族”と双璧をなす「ユースティア家」の一員。
なお、分家らしいです。そりゃ本家はヨーロッパの方にありますしね。
幼い頃は病弱でしたが、店長のファイトに憧れ自分もファイターを目指します。
しかしカード相性が向いていなかったので、一度は諦めてしまいました。
ですが、マジカルファイターとして事件に巻き込まれたことで、もう一度夢に向かって歩き始めたそうです。
現在はマジカルファイター事件に終止符を打ち、プロファイターを目指して頑張っているのだとか。
・性格
元気印のお嬢様です。
ですわが語尾につくものの、その性格は明朗快活。
なんというか、ネッカくんの同類って感じですね。
マジカルファイターになる以前は、どんなことにも進んで挑戦するチャレンジャーお嬢様(ただしファイトは除く)って感じだったらしいです。
お嬢様ってところを除けば、めちゃくちゃ王道ですよこれ。
・ファイトスタイル
アロマさんのデッキは特殊です。
「薔薇楼」と呼ばれるモンスター群を操ります。
そのスタイルは一言で言えばロックバーン、相手の行動を封じてバーンダメージで勝利するデッキです。
このスタイルのせいで、周囲はアロマさんとのファイトに苦手意識を持ってしまい、アロマさん自身もファイトが苦手になってしまうんです。
ですが、いろいろなことを乗り越えて、アロマさんはプロファイターを目指して頑張っています。
今のアロマさんはエースモンスター<薔薇楼の茨姫騎士>を中心としたコントロールスタイルも合わせて使えます。
これで、ロックバーンは悪堕ちお姫様、コントロールは試練を与えるお姫様とそれぞれスタイルを分けているんですね。
実力はまだまだ発展途上ながら、私よりも強いと思います。
ネッカくんには少し届かないかも知れませんが、クローくんとはほぼ互角かな? といったところ。
<メカシィ>
・来歴
ファイト工学研究所が開発したファイトロボ、それがメカシィさんです。
とても高性能なメカシィさんは、自分で考え成長することができます。
感情だってあるんです。しんぎゅらりてぃ。
そんなメカシィさんですが、現在はうちの店で店員をしています。
そのお給金でカードを買ってデッキを強化するためです。
なぜか研究所の人たちがデッキに予算を割かないから……
なお、性別は不明です。どちらでもない、が答えだとか。
・性格
すごくいい子です、とってもいい子です、ハチャメチャにいい子です。
いい子すぎる……デートの件は本当にありがとうございました。
語尾にたまにピガガピーがつきます、かわいい。
私も子供がほしいです店(斜線で消されている)
何を言っているんですか私は――!
仕事も真面目にやってくれて、とにかくいい子ではあるのですが、頑張りすぎる時があるのが玉に瑕。
ところでこの子本当にメカなんですか? メカっぽいモンスターとかじゃないんですか?
しんぎゅらりてぃ。
・ファイトスタイル
最強とは何か、をテーマに作られたファイトロボであり、計算能力の高さから緻密なファイトが得意です。
使用デッキは「メカメカシィルダー」、シールダーの名の通り、防御的なロボットデッキですね。
相手の攻撃を迎え撃ち、防ぎきって勝利する。
店長と近いようでいて、本質は真逆のコンセプトです。
店長は防ぎ切るのではなく反撃で殺す、ってコンセプトですからね。
実力は私と同じくらい。この店、私くらいの実力のファイターが多いんですよね。
<ダイア/逢田トウマ>
・来歴
現日本チャンピオン、日本を代表するプロファイター。
私の敵です! エレアセンサーが最大に反応しています!
というか、店長が呼び捨てにする人って、私を除くとこの人しかいないんですよ!
ネッカくんとかクローくんみたいな子を呼び捨てにすることはありますが、そういう子には後ろに「少年」がつくことが多いです。
そんな店長の親友にして世界最強候補のファイター、それがダイアさん。
幼い頃から何度も世界を救い、高校入学と同時にプロ入り。
年間無敗記録なんてものを打ち立てた怪物ファイターです。
でも、私は負けません。ダイアさんに勝利して、いずれは店長の……とにかく!
まぁ、すごい人ではありますしいい人でもあります。
ま、店長の方がすごいんですけどね!
・性格
完全無欠の熱血ヒーロー、みたいな人です。
この場合、完全無欠とは一度も失敗せず、成功し続けるという意味ではなく。
失敗してもなお立ち上がり、最後には勝利する。
これを完全無欠と評します。
昔はお馬鹿な熱血少年だったころもあったそうですが、プロとして日本を代表するファイターになったことで態度を改め、今のダイアさんになったのだとか。
そういうところを含めて、真っ当に成長して真っ当に大人になった人なのでしょう。
ま、店長の方がすごいんですけどね!
・ファイトスタイル
これまた王道を行くファイトスタイルです。
雰囲気としては実はヤトちゃんが一番近いかも知れませんね。
使用デッキは「グランシオン」、かつては「バニシオン」というデッキを使っていたそうですが、色々あって「グランシオン」に進化したそうです。
そのスタイルは「バニシオン」の頃から変わらず、設置タイプのカウンターエフェクトを設置して、それを維持するデッキです。
その戦い方は緻密にして苛烈、一瞬でも気を抜いたらゲームエンドまで持っていかれるやべー戦い方です。
あと、一部カードの性能がえげつないです、<グランシオン・バニシングフライ>とか。
実力はまぁ、言うまでもなく最高峰。
日本最強の名は伊達ではありません、ダイアさんと同等といえるファイターは世界に十人いるかいないか。
ま、店長の方がすごいんですけどね!
(※)この世界に「ショルメ」が存在しないのではなく、エレアが「ショルメ」を知らないだけです。
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