第24話 コロラド旅行④ロッキーマウンテン国立公園(2)4つの湖を巡る(前編)

 皆様、こんにちは。

 コロラド旅行のあれこれを書いてまいりましたが、今回の旅で一番印象に残ったものというと、湖なんです。


 ロッキーマウンテンへの旅行なのに、湖?

 そう思われるかもしれません。


「ロッキーマウンテンって、どんな感じ?」


 そう尋ねた私に、夫は言いました。


「富士山がね、たくさん、たくさんつながっているような感じだよ。見渡す限り、山また山」


 天空の山岳道路と呼ばれるトレイルリッジ・ロードを車で走った後は、「なるほど、たしかにたくさんの富士山だな」と納得した景色でした。


 そんな山々の連なりの中に、キラっと光るものがあります。

 それが、山の中にできた湖の数々でした。


 ロッキーマウンテン国立公園のウェブサイトによると、公園内には147の湖がある、とのことでした。

 しかもその多くにお魚がいるとか。


 日本でもカルデラ湖がありますよね。

 火山活動によって、山に窪みができて、そこに水が貯まって、湖になる。


 山の景色と空の景色が湖に映えて、もし雲が眼下に広がっていたら、もう絶景! という感じになりませんか?


 よし、湖を見に行こう、と思って調べてみると、ロッキーマウンテン国立公園では、どうもベアレイク(Bear Lake)という湖が有名らしい、ということがわかりました。


 おまけに、ベアレイクからはさらに3つの湖へ行くハイキングコースがあるとか。

 心はすぐに決まりました。


 4つの湖を巡るハイキング、こんな順番になります。


 ①ベアレイク→②ニンフレイク→③ドリームレイク→④エメラルドレイク


 ①のベアレイクは、国立公園の東側入り口から近く、湖の周囲には整備された遊歩道があり、スニーカーで楽に歩けます。


 また、湖を一周しなくても、入り口に近いところで湖を眺めるだけ、という人もいるので、気軽に観光できるような感じでした。

 入り口付近は、車椅子でも入れますよ。


 でも標高はここで2888メートルあります!

 景色も素晴らしかったです。


 青く澄んだ湖と、針葉樹の森。

 森の向こうには、岩肌がむき出しになった山が見えて。

 風が強かったので、湖面に銀色のさざなみが立つのです。


 そのさざなみは湖のあちこちに現れては消え、またキラキラと現れ……。

 時間を忘れて、眺めたのでした。


 私は小説の中で、妖精や精霊、といった存在を登場させることが多いのですが、ベアレイクの湖面を眺めながら、本当に、ここには湖の精霊がいるんじゃないか、なんてふと思いました。


 それくらい、ちょっと現実離れした美しさでした。


 自然ってすごいですね。


 日常を超えた何かがあるかもしれない、日々の暮らしの向こうに、まだ不思議がたくさんの世界があるかもしれない、そんなことをふと感じさせてくれるのです。


 日常を超えたものに触れることで、自分の感覚が開かれる気がします。

 そしてそれは、まるで夢の世界のような、異世界恋愛の世界を描くのにも、役立っている気がするのです。


 現実に生きる自分達に通じる感覚を持たせつつ、現実を超えた世界も見せる。


 そのために、旅行でいつもの景色とは違うものに触れるのはとても大切ではないか、そんな風に思いました。


 * * *


 ベアレイクから次のニンフレイクへは800メートル、ニンフレイクからドリームレイクは1キロ。そこから最後、エメラルドレイクへはさらに1キロの距離です。


 うん、そのくらいの距離なら、なんとか行けそうな?


 ……ただし、すべて上り坂ですね〜!!

 ベアレイクの標高2888メートルから、エメラルドレイクは標高3064メートルまで上がりますよ。


 行きと帰りは同じトレイルです。

 エメラルドレイクまで上がって、同じ道を降りて来る。

 行きが結構きつくてですね……(笑)。


「よし、とりあえず次の湖まで行ってみよう」と心に念じながら歩きました。


 途中も絶景です。

 次回、『4つの湖を巡る』(後編)はベアレイクから最終目的地、エメラルドレイクまでのハイキングをお届けいたします。


 無事にたどり着いたのでしょうか!?



▼近況ノートには、銀色のさざなみが立つベアレイクの写真を載せました。

https://kakuyomu.jp/users/sakuraikinka/news/16818093087489447411


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