第9話 当たらない天気予報

 田舎に引っ越してきて、困ったことがこれです。

 天気予報が当たらないのです。


 ……………何ですか、それ?

 おかしいですよね。


 スマホにお天気アプリを入れ、自宅と職場の地域を設定し、プッシュ通知を受け取る方は多いと思います。


 引っ越し後、私も新たにお天気アプリを入れ、自宅の住所で設定しました。

 1時間ごとのお天気もあるし、週間天気予報も、雨雲レーダーもあります。


 チャラ〜ン♪


 お、通知が来ましたね。

 ほう、雷雨ですか。局地的に大雨の恐れ。

 え、強風およびゴルフボール大の『ひょう』が降る可能性……?


 え〜っ、結構、激しい雨なんですかね???

 よし、念のために窓を閉めておきますか。



 …………雨、降らないなぁ。


 お天気アプリを開けて、降水確率をチェックすると、おや、30%に下がりましたか。

 雨雲レーダーも見てみましょう。

 

 ふむふむ、発達した雨雲がふたつ……この地域を挟んで、並行して北東に進んでいますね?

 雨雲はまるでここを避けるようにして、移動していきます。


 誰か結界でも張っているんでしょうかね??


 * * *


 こんなことが毎回毎回繰り返されて、本日も雷雨の予報が、曇りから、午後は見事に晴れております。


 この、雨雲が避けていく、というのがまさにそれで、雨雲が頭上を通れば、もちろん雨が降るのですが、どういうわけか、この地域を避けて通っていくことが多いです。


 週間天気予報は、まず当てになりません。もう、見る度にお天気が変わっています。

 そして、30%に確率が下がったから大丈夫だろう、と思っていたら、急にばしゃーん!! と降ってくることも。


「何だこれ」と思って、今日の天気を見ると、「雨、降水確率100%」。

 ですよね、今、降っていますから……。完全なる後出しです。


 そんなわけで、夫は天気予報を信頼していませんし、スマホで天気予報をチェックしている私を笑います。


「懲りないねえ」って。


 雨雲がこの地域を避けて通るのは、地理的な条件があるのではないか、そう夫に言ったところ、また笑われました。


「いやでも、山の天気は変わりやすいよね!?」

「丘陵地帯ではあるけど、山ではないでしょ」


 スマホの天気予報がダメなら、テレビの天気予報はどう? と思われるかもしれません。


 テレビの天気予報は、この地域をカバーしておりません。

 ちょっと北の方の大きな街は入っているのですが、そことはかなり天気が違うので、困りましたね……。



 そんなわけで、天気予報が当てにならない田舎で、のんびり暮らしています。

 でもいいんです。

 雨が降っても、この辺りでは、誰も傘をさしませんから。


 雨が降ったら、駐車場から走る!

 大雨になったら、パーカーのフードを被る!!


 以上です!!!

 郷に入っては郷に従え。

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