第7話 愛犬がスカンクの洗礼を受けました……

 私の住んでいる地域には、野生動物が多いです。

 ウサギさん、シカさん、はもちろん、リス、アライグマ、そして1番困るのがコレ。

 ……スカンクです。


 スカンクの臭いは強烈で、車に轢かれたスカンクの側を車で通っただけで、車内でもその臭いを感じることができます。

 朝嗅いだ臭い、午後になって帰宅する際もまた、同じところでちゃんと臭います。


 どんな臭いかと言うと、臭いのですが、ちょっと缶コーヒーのような甘さも混じった、変な臭いなのです。


 さて、そんな臭い。

 1週間ほど前のこと、庭を自由に走り回っている愛犬が、スカンクに臭いを付けられてしまいました。


 * * *


 深夜2時。

 隣で眠っている夫が、突然「ぎゃっ!!」と叫び、どさっと何か重いものが床に落ちる音が。

 続いて。


「外に出ろーっ!!」と言う声が。

 続けて、バタバタ、バーン! という、ドッグドアが勢いよく開いて閉じる音。

 なんだなんだ、と目を覚ましてすぐわかる、ツーンとくるこの臭い。


「スカンク!?」

「スカンクだっ!!」


 夫は愛犬を玄関から外に出してしまいました。


 すごく薄情に聞こえるかもしれませんが、スカンクの臭いは本当に取れないのです。

 何日も何日も残ります。

 家の中に入れないのが鉄則です。


 そして、被害を受けた犬は洗うしかありません。

 オキシドールと重曹と液体洗剤を混ぜたもので洗うのです。

 普通にシャンプーだけだと、落ちませんよ〜


 実は、愛犬がスカンクの洗礼を受けたのは、これで2度目。

 初めての時もやはり夜中だったのですが、みんなでパニックになり、夫が必死でスマホで調べ、暴れる犬を押さえて、お風呂場で洗い流しました。


 この時も、愛犬は真っ先に寝ている夫の元へ走り、

「パパ、助けて!! スカンクが〜、スカンクが〜!!」

 ……と(おそらく)泣きついたのです。


 元々、夫が飼っていた犬なので、いざという時はパパが1番!

 女の子ですし。パパが大好きなのです。


 普段なら1番の座を巡って争いますが、スカンクがらみの時には私は文句を言いません。

 今回も、愛犬はベッドに飛び乗ると、まっすぐにパパの元に飛びついた模様でした。

私の心の声:(よしよし、いい娘だわ)


「あいつもわかってる。洗うのは明日にしよう」

「そうだね」

「よし、寝るぞ、ちょっと臭いけど……」

「……だね」


 そうしてなんとか寝た私達は、翌朝、庭で愛犬を洗ってあげたのでした。

 本人もかなり臭かったのか、洗っている間中、大人しかったこと!


 無事に洗い終わり、臭いもほぼ取れたのですが……今だにふわふわの首の辺りに鼻をくっつけると、かすかにスカンキーな臭いを、感じるのでした。


 春先から初夏は、スカンクに注意! の田舎暮らしです。

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