日没
時計を見ると、まだ五時を過ぎたばかりだというのに、外はもう暗かった。
わが家の台所は北向きだから昼間でもそんなに明るくはないのだが、それにしても暗い。この時期、日が落ちるのはこんなにも早かっただろうか?
それに妙に静かだ。柱時計の音が、やけに大きくきこえる。
わたしは食卓につくと、茶を入れて飲んだ。腹はあまり空いていなかった。
母がそばを通りがかったので、腹が空いていないから夕食はいらないと伝えた。母はちょっと考え込むような顔をして、分かったといった。
なんだか様子がへんだなと思っているうちに、だんだんと空が青白んできた。
それで、五時といっても夕方ではなく、朝の五時だと気づいた。
母はただ、トイレに起きてきただけなのだ。
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