明滅
雨の降る静かな夜、部屋で本を読んでいると、窓の外をときおり光が走った。
カミナリかとも思ったが、音がしない。車のヘッドライトでもないらしい。外をのぞくと、向かいの家の二階の窓から、誰かが懐中電灯をつけたり消したりして信号らしきものを送っている。
向かいの家には電気がついておらず真っ暗だったが、その者の顔だけがぼうっと浮き上がって見えた。見たことのない子供の顔だ。もしかすると監禁されているのかもしれない。
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