第3話

「さてと、何しようかな」

グゥっとお腹がなる。

まずは朝ごはんを食べよう、っと思ったけど食料はキルたちが持ってるんだった…お金はあるし街に戻って買おうかな。


「我の城で朝食をたべるか?」


真後ろで声がする。

「わっ!」

振り向くとそこには魔王シュイルが立っていた。

「ま、まおう」

「うむ、気軽にシュイルと呼ぶがいい」

魔王はにこやかに言う。

どうやら昨日と同じく殺す気はないようだ。

「えーっと、シュイルさんはどうしてまだここに?昨日帰ったんじゃ」

「む?我はお主を嫁にすると言ったではないか、丁度仲間もいなくなったようだし迎えに来たぞ」

「だからなんで嫁なんですか!…あぁ〜嫁という名の生贄ですか。私なんか食べても美味しくないですよ」

「我は人間など食わん」

魔物とかって人間を食べるんじゃないの?

「我々魔族は知性があるからな。魔物の中にも手当り次第襲う奴がいるが、それは知性がないか、領域を侵してくる奴が居る時だ」

魔物、魔族、の中でも色々あるんだ。

「人間だって同じだろう」

「確かに…」

確かにそうだ、人間間でも戦争はするし無意味な殺しもする。魔物だけが悪い訳でもない…。

「という事で、我の城に行こうコニー」

魔王がひょいっとコニーを抱っこする。

「ぎゃ!という事って、どう言うことですか!離してください」

「暴れるでない」

じたばたするが全くおろしてくれる気配はない。

「アルス、コニーの荷物を頼むぞ」

「了解致しました、シュイル様」

声の方を見るといつの間にか男がたっていた。アルスと呼ばれた男も魔王と同じく美形である。魔族ってイケメンが多いのか?

そんな余計なことを考えていたら、目の前に黒い空間が開く。

「へ…?」

われなが間抜けな声が出た。

「案ずるな、ただの移動魔法だ城まで一瞬だ」

移動魔法、見たことはあるけどその時は色々魔道を使ってやっと開いている感じだった、しかも移動先にも魔道具や魔術士が必要なのにこの魔王は、魔道具も詠唱も無しに空間を開けたのだ。

「さ、行くぞ」

「って!!行くとは言ってなーい!」

私の叫びは黒い空間に消えていった。

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魔王に連れられて (仮) 宇紀 @soratugu

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