第4話 忘れたの? 失くしたの? 我を 後編

 放課後になると雨は本降りになっていた。

「……あれ?」

 傘立てを見るも愛用の青い傘が無い。

「どしたん? 拓馬。早く帰ろうぜ」

 急かすように乗り出す徳雄が肩を叩く。

「それがさ、傘が無いんだよ。おっかしいな」

「え? しゃーないな。俺の傘に入れてやるよ……って、あれ? 俺のも無いんだが?」

 傘立てを探す徳雄も眉をしかめる。周囲はどんどん自分の傘を持って行くのに二人の傘だけ見当たらない。残る傘はどれも名札付き。間違ったふりして持って帰るにはこの雨だと気が引ける。

「どうするよ。濡れて帰るか?」

 肌寒い風の吹く中、ぬれねずみになるのは勘弁してもらいたい。月末には試合もあり、体調不良になるのは困るのだ。

「おーい、拓馬、徳雄どうしたの? あ、わかった。傘忘れたんでしょ?」

「いやいや、朝から降ってたから。誰か間違ってもってったのかな?」

「じゃあこの傘使ったら?」

 翼が手にしたのはぼろ傘。年季の入った物は一体どこから持って来たのか疑問になる。

「うえ、ありがたいけどこれかあ……」

「しゃあない。二人で入って帰るか」

 背に腹は代えられないとぼろ傘を受け取る。

「ちゃんと返しなさいよ?」

「ああ。後で翼の家にもっていけばいいのか?」

「んーん。私の家じゃなくてね……」



「ったく、なんでまたあんな場所に……」

 傘は通学路で拾ったもの。つまりは誰かが失くしたもの。なので返納先は例の川べりの衝立だという。雨の中、川辺に行くのは不吉だし、なんならコンビニのゴミ箱に捨ててしまいたかった。

「……」

 雨の道を行く。相変わらず舗装されているかのように整っていて雨でも歩きやすい。

 衝立には相変わらずマフラーが巻いてある。金網には傘がいくつか刺さっていたが、ここにポーチをねじ込むことはできそうにない。

 例のポーチはここから盗んだと勘繰っていたが、濡れ衣をきせるところだった。

「……おーい、あ、石川くーん」

 傘を差し終えたところで黄色の傘が見えた。聞き馴染の無い声に誰だろうと見返す。

「ごめんねー、待った? で、話って何?」

 息を切らせて話す彼女はやっぱり見覚えが無かった。

「え? 何が? というか誰?」

「誰って酷くない? 去年同じクラスだったでしょ? 菱沼だってば」

「あ、ああ。ごめん。菱沼さん、えと、なんか用?」

「用って、石川君が呼んだんじゃないの? ほら、これ」

 ルーズリーフには自分と同じぐらい下手な字で大蛇川の衝立で待っている旨が書いてある。差出人は不明。

「いや、覚えが無いんだけど……」

「えー、イタズラってこと? ひどくない? こんな雨の日に川辺に呼び出すなんてさー。もー、ラブレターだと思ってドキドキしたのにさー。なんてね」

「いやいや、ルーズリーフで呼び出すなんてありえないって。にしても、迷惑ないたずらだな。俺も傘隠されたし。そのせいでこんなとこまで」

「あー、忘れ物を置く場所だっけ? へー、未だにこういうのってあるんだ」

 珍しそうに衝立を見る佳代はマフラーを見て「これほしー」と言っていた。唐草模様をよしとする人は他にも居たようで、師匠の勘を改めて認めさせられる。

「これもらっちゃおうかな。どうせ誰も取りに来ないし」

「やめたほうが良いんじゃない? なんかここ、変な雰囲気するし」

「そう? 私は別になんも感じないけど」

 この前感じた違和感が、今はかけらもしない。それが逆に不穏。

「あ、あのさ、これぐらいのものが挟まりそうな隙間は無いかな?」

 嫌な気持ちが芽生えた。やはり愛はあのポーチを持ち出した。それが昨今の不調の原因。そんなオカルトな思考が芽生えてしまうと、それを否定できる材料が欲しくなる。

 もし、ポーチが挟まる程度の穴が無ければ? それとも同じ唐草模様のマフラーを間違って持ち出したせいか。考えればきりがないが、一つずつ問題を潰していくことにする。

「……えーと、これぐらい?」

 そんな不安を肯定してくれる佳代の声。彼女が指さす先にはポーチが入る程度に広げられた穴があった。



「ちょっと、どしたん? 急に怖い顔して」

 金網の広げられた穴を見るや雨も気にせず急ぎ足になる拓馬を見て佳代は不思議そうに声をかける。

「師匠のとこ行かないと。多分、柳瀬さんはポーチを盗んだんだ。それで最近変なんだ」

「おちつきなよ。柳瀬さんの家知ってるの?」

「え? あ、そうだった」

 焦っていたのか肝心なことを忘れていた。自分も意外と周りが見えなくなる時があるのだと少し恥じ入る。

「私、知ってるから案内するね。なんかすごく深刻そうだしさ」

「ありがと。恩に着る。ええと……」

「ひしぬまかよだよ。もー、同じクラスだったのになあ。そんなに私って地味かしら?」

「いや、ごめん」

 改めて見返すと確かに彼女は地味だった。



「どうしたのぉ……」

 チャイム越しに会話すること数分、ようやく出てきた愛はけだるそうでいながらもポーチをしっかり持っていた。

 最初は半信半疑だった佳代も彼女の雰囲気を見て表情がこわばる。

「師匠、そのポーチ、例の場所で見つけたよな? えっと、大蛇川の衝立の……」

「ちがうよ。お隣のお姉さんのお下がり……」

「柳瀬さん、お隣にお姉さんなんていないよ。正直に話して。怒ってるんじゃないの。柳瀬さんが心配なの」

「うーん……、えと、えと」

 言い訳の粗を突かれて観念したのかとつとつと語り始める愛。


 マフラーが衝立に巻かれていることを聞いてさっそく向かった愛は、風に飛ばされたマフラーを見つけることができて歓喜していた。他にも沢山忘れ物や落とし物が金網に挟んであったが、その中でポーチを見つけたという。

 傷も少なく、少し湿っていることもあって時間が経っていると思った。もう誰も取りに来ないのならと迷っていると、ちょうど老婆が傘を刺しにきた。

 老婆は忘れ物がここにずっとあると困るし欲しいのがあったら持って行っていいと後押ししてくれた。だから遠慮なく持って帰ったとのことだった。


「……忘れ物があると困るなら、なんで傘を刺すんだ?」

「おかしいよね、そのおばあさん。柳瀬さんに持って行かせようとしてるし」

 警戒心があったせいか老婆の不自然な言動の違和感に気付く。その老婆に悪意を感じつつ、今はどうすれば愛の不調の原因を取り除けるのかを考える。

「やっぱり元の場所に戻す?」

「その方が良いのかな。どうしよう。なんか詳しい人……、御崎さん……は大蛇のことに詳しくないって言ってたし、誰かこういう呪いとか好きそうな人っていない? 女子とかおまじない好きだろ?」

「えーっと、うーんとねえ。私は詳しくないけど、そうだ、マホチンがそういうの好きだったかも」

「真帆に用があるの? だったら電話してみる?」

「番号知ってるの?」

「うん。バレー部の連絡網にあるよ」

「よし、さっそく!」


『もしもし、愛? どうかしたの?』

「ごめん、俺、えと、石川拓馬。あのさ、ちょっと聞きたいんだけど、大蛇川の衝立の話って知ってる?」

『あら、石川君 えと衝立? あー、聞いたことあるかも。黒蛇様の通り道の話でしょ』

「黒蛇様の通り道……?」

 澄子の話とは明らかな違う文言に拓馬は続く言葉が出てこない。

『うん。大蛇村って蛇を神様として信仰してるのは知ってるよね? 白蛇様が幸運をもたらし、黒蛇様が災厄をもたらすの。黒蛇様は向こうの……名前は忘れたけど高い山から春から夏にかけて移動するのよ。大蛇の人達はできるだけ村から遠ざかってほしいから川沿いを這って進んでもらうために通りやすくしたり、お供え物で気を惹くの』

「もしかして、衝立のあれって忘れ物が目立つようにするんじゃなくって、お供え物……」

『そう。で、もしその自分のものでもないのにお供え物を持って行くとね、黒蛇様がお供え物を取り返しに道を外れてその人の家に向かうわけ。黒蛇様は災厄の神様だから……』

 道が整備されてイシコロ一つないのも蛇が這って進むのだから当然。電話の向こうではおせんべいでも食べながら趣味の話をしているだけなのだろうけれど、こちらではその災厄に呑まれつつある少女がいた。

『……呪いたい相手の家にお供え物を置いたりして隠すのも……』

「どうすれば助かるんだ!?」

『え? 助かるって、もしかして持って帰っちゃったの? えー、それはわかんないなあ。でも、元の持ち主が持っている分には引き下がるみたいよ。黒蛇様は臆病で他者の縄張りに近づくのを嫌うみたいだからね』

「そっか。本当の持ち主に戻せば大丈夫なのか……。ありがと菅井さん」

『んーん。なんか力になれたみたいで良かったわ』

 電話を切る。少し安心した。助ける方法はある。だが新たな問題がある。いったい誰のものだ?



 ポーチの中身を全部調べた。鉛筆にボールペン、シャープペンと芯。他に消しゴムと付箋。メモ。そしてひらがなの「た」という滲んで文字が見えた。

 メモには相模原女子校へのバスの時間と渡邊という苗字が書いてあった。

「ワタナベ? 鬼瓦にわたなべさんってどれぐらいいるんだ?」

「その苗字なら珍しいし、すぐ見つかるよ。新聞屋さんならわかると思う」

「それはそれで不安だけどとにかく急ごう!」

「どこ行くの~」

 自分のことなのに今一つ理解がおいついていない愛だが、佳代と拓馬に抱えられて家を出た……。


 鬼瓦新聞配送センターでは男性従業員がチラシの印刷と分配を行っていた。

 これから早朝の配達に備えて寝るのか、あくびをしながらのんびり作業していた。

「あの、ごめんください。えとすみませんが鬼瓦に住むワタナベさんの住所、教えてもらえないでしょうか?」

 あくびをしていた男性が目をぱちくりしながらじろりと三人を見る。

「お兄ちゃんたち、探偵ごっこかい? 悪いけど住所は勝手に教えられないんだ」

「無理なお願いなんですがお寧します。その、この子が間違えてポーチを持ってきてしまって、それを返したくて。こういう渡邊っていう難しい文字の人なんですけど」

「ふーん、こういう字か……。間違えてねえ。うーん……」

 三人が悪ガキという風貌でなく、真面目そうなので力になってあげたいという気持ちがあったが、やはり個人情報保護の観点から渋る。

「どうかしたのか?」

 すると騒ぎを聞いてセンターの所長が顔を出す。眉まで白くなった老人だが眼力は鋭く厳しそうな顔つきだった。これは誤魔化せそうにないと落胆する三人だった。

「忘れ物を届けたいっていうんですよ。なんかポーチ? 間違えて持って来たって」

「ふーん、どこで?」

「え? ええと、大蛇川の衝立で……自分のポーチと間違えて」

 老人は眉間にしわを寄せ、今にも怒りだしそうな顔つきになる。その変化に今度こそだめかと思ったら、すぐににこりと作り笑顔になり、抑えた声で話しかける。

「そうか。おじょうちゃんかな? 盗んできたのは」

 言葉こそ優しいが、盗むという言葉にひっかかる。この老人は何か知っているのだろう。

「はい……」

「そうかそうか。欲しくなったんだな。でも、そういうのは良くない。持ち主に返さないと、神様も怒って罰を下すかもしれないな」

「そうなの……うーん、ごめんなさい」

「反省しているようだし、ちょっと調べてやってくれ。渡邊さんはここいらだと珍しいし、すぐみつかるだろ」

「え? 所長、いいんですか? まあ、いいっちゃいいけど」

 男は鬼瓦村近隣の地図を机に置くと、今度は顧客リストから渡邊姓をピックアップする。

「E2-45のメとH5-12のサ」

 謎の言葉を告げられても何をして良いかわからない拓馬だったが、佳代は地図をぱらぱらとめくる。

「わかるの?」

「んーん。でも地図帳の見方と一緒だと思うから……あった。えと川向うの渡邊さんね。もう一つは……」

「へえ、この地図の見方わかるんだ。すごいなあ今の鬼瓦校の子は」

「いえ、自分は無理です」

「ははは。そうだよな。あれ、キミは鬼瓦アイアンズだったけ? 最近どうなん? なんかすごいバッターいるよね」

「え? ああ、多分二階堂のことですかね。あいつすごいっすよ。山陽からスカウト来るぐらいです。ただ、やっぱり敬遠されちゃうから試合だと……」

「ふーん。そっか。しゃーないよなあ。グラウンドでバッティング練習しててばかばか打ってたもんな。配達の時に道路までボールが転がってきてびっくりしたよ」

「加減するように言っときますよ」

 今はもうサッカーに転部してしまった拓馬だが、本当は最後まで続けたがった。ただ、いろいろなものが壊れてしまいそうな、変わってしまいそうで嫌だった。だから。

「あった。こっちは……結構遠いわ。どっちかしら」

「どっちも行けばいいんじゃない?」

「まあそうだけど、逆方向過ぎて。先にどっち行ったほうがいいかしら」

 ヒントの全くない二択問題。外せば遠回りになり、付き合ってくれた佳代に申し訳ない。それに、この二つの家以外かもしれないと思うと気持ちも萎える。

「じゃあこっち」

 そんな拓馬の悩みなどかいせずに愛は遠い方を選ぶ。

「え? こっち? なんで?」

「こっちの家だと思うから」

「あ、まあ、師匠がそういうのならいいけど。師匠は行かないといけないし」

 これも乙女の勘というものだろうか?



「本当にごめんなさ~い。素敵なポーチだったんで」

 開口一番、愛はポーチを差し出し、頭を下げた。

 渡邊千絵は最初なんのことかと目を丸くしていたが、ポーチを見て驚いていた。

「いつ落としたんだろ。いつの間にか失くなっててね。駅かな? 拾ってくれたの? よくうち分かったね」

「ええ、まあそれはその……。ただ、本当に渡邊さんのなんですよね? 違うとその……」

 黒蛇が来ますなどと言えず、口ごもる拓馬をみて千絵はポーチの底を見せる。

「ほら、ここに名前あるでしょ? これ鬼瓦校の頃から使っててね。当時は他の子も使ってて、名前描いてないとわからないんだよね。

 「た」だと思っていた字はよく見るとカタカナでチエと読めなくもない。

 真帆の話が正しいのなら本人のもとに戻った場合は黒蛇も警戒して帰るはず。先ほどから愛の様子も復調しだし、ポーチを諦めきれないのか返すのを渋っていたぐらいだ。

「それじゃ用も済んだし帰るか。ほら師匠、行くよ」

「はーい。あ、そのポーチ、どこで買ったんですか? その、私も同じものが欲しくて」

「これ? うーんとね、今はもうないかもだけどファッションセンターオニヒラかな? たまにこういうデザインのポーチを扱うみたい」

「え……そうですか……」



「あーん、がっかり。絶対ここら辺じゃ売ってないとおもったのになー。オニヒラにあったんだ……」

 ごく身近な場所で販売されていたことにがっくり肩を落とす愛。

「まあま、落ち込まないでさ。それに新しいポーチを買ってもらえばいいじゃん。今度は誰かのお下がりじゃないんだし」

「それがさあ、この前のテストでひっどい点数だったからママ怒っちゃって。だからポーチはしばらく無理。あーあ、やっぱり返さなきゃよかったかも」

「いやいやいや。それはないでしょ。目に見えて最近の師匠はぼんやりしてたんだし。今回だって菱沼さんが居なかったらどうなってたと思ってるんだよ」

「まあまあ、その辺で。柳瀬さんもいつも通り戻ったんだし、これからは変な場所には近づかない、拾わないってことでさ」

「うう、面目ない」

 愛も二人を付き合わせたことに反省しているらしく、消沈する。それもしばらくしたらどこ吹く風だろう。もっともその方が安心する。彼女は常にひまわりのようにさんさんと太陽を見ている方が似合っている。

「さーてと。それじゃ私も帰るね。また明日ね」

「うん、菱沼さん、いろいろありがと」

「まったね~」

 曲がり角に消える佳代に手を振る二人。

 さりげなくいてくれる。地味ながらほっとする雑な名前も知らない花。白い花びらの地味な、そんな失礼な印象を拓馬は抱いていた。

「っていうか、ひっしぃ、なんで居たの?」

「え? ああ、そういえばなんでだっけ?」

 謎のルーズリーフで呼び出された彼女のおかげであっという間に解決できた。それは良いのだけれど、一体誰が彼女を?

 そして愛にワスレモノを持って行くように促した老婆の存在は?

「……」

 思い返せば何も解決していないようなもの。おそらく誰かがまた老婆に唆されて黒蛇様の怒りをかってお礼参りをされて……。

「どしたの? おなかいたいとか?」

「あ、いや。なんでもないよ。俺は明日も練習あるし、先帰るね。師匠は寄り道しないで帰れよ」

「はーい。今日は大人しくしまーす」

 胸に渦巻くは安全な不安と不穏なモノ。勘繰られる前に帰りたかった。



 次の日の放課後のことだった。

「でね? でね? あのポーチの新デザイン。ママも気に入ったみたいで買ってくれたの。なんかね? すっごく丈夫だからって」

 エナメル質のポーチを構える愛は上機嫌。それもすぐに落胆に変わるだろうと予想するのは、そのポーチの色違いを下げている子を登校途中に何人も見かけたから。拓馬は水を差すのはよくないと黙っていることにする。

「なんだ、柳瀬の奴。もう元気じゃん。なんだったんだ?」

 いつも通りの愛の様子に徳雄が心配して損したとぼやく。

「さあな。ま、あれだよ。拾い物にはご注意ってとこかな?」

 ようやく平穏が戻ったと安堵する。昨日は雨で練習できなかったから。今日はしっかり参加したかった。拓馬は足早に教室を出た。


 昇降口へ行くと傘立てに二本の傘。手に取るとそれは自分と徳雄のものだった。

「……どういうこと?」

 そういえば傘も失くなっていたことを思い出す。もしかしたら誰かが黒蛇様の祟りにでも遭って、慌てて返しに来たのかもしれない。

「……黒蛇様。どうかお帰りください。ナムナム」

「なーにやってんのよ。ほら、練習遅れるわよ?」

 振り返ると翼が居た。手を合わせてごにょごにょと拝んでいたのを見られたと思うと少し恥ずかしい。

「ったく、根性無しの世話するのも大変だわ。なに? まさか今度はサッカーも辞めるとか言わないわよね?」

「言わない、言わないって。じゃ、じゃあ俺は行くよ」

 翼のお小言が始まるのも困ると、拓馬は急かされるまま足早に校舎を後にした……。




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