第52話
ダラダラとエデソンを探す毎日。
怠惰極まる、どうせ事前に隠し場所でも作っていたのだろう。
名古屋方面から……おそらく京都か?北陸の可能性はあるな。京都は流石にバレる気がするな、景観を壊すとかなんとかどうせすぐ苦情が来るだろう。少なくともそのへんをチクってこない当たり……いや、我々が嫌がることをしている可能性もあるか……。
奈良に抜けた?いや……たしかにあのへんは秘密基地は作りやすいか。和歌山、三重もあるか?中国にまで抜かれた可能性はあるだろうか?
大阪に潜伏している……?
いや、大阪は土壌調査をしているからない、まさかビルがロボだなんてこともないだろうしな。
大阪は陛下や将軍、元老議員がよく利用しているから実質的には地球臨時首都のような扱いだ。シタッパーが国外に拠点を置く気がないようだし、解散せずに残してある少ない海兵隊を駐屯させるのに向いているということと、島国であるからこそ防衛がしやすく、英国はスペイン、カナダに近いから監視が届かなくなるという真っ当な理由だしな。それにピュアハーツに備えるためという理由もある。
まぁ、東京はまだ治安に問題があるからな……。と言うか関東近辺は怪人が自爆連発したせいで人心が安定していないと思う。
そもそも戦争末期に高級品や物資が減っていた東京では良い店が他からでていったからな。首都ではなくなった東京にそこまで物資があるかと言われたら食い倒れ旅はしづらい方だろう。
と、いいつつシタッパーたちと遊びに行ってるわけだが……。まぁ伊達に首都だったわけではないな。東京都が首都なのか?23区が首都なのかややこしいことこの上ないが……。あれここどこが首都なんだ?皇居?国会?霞が関?
…………まぁ、なんでもいいだろう。今は首都じゃないんだし。
うーん……エデソンはあえてUターンしたか?
なぜここまで居所を掴ませない?目立たず移動できたのにここまで派手に動いた理由は撹乱だろう?
宇都宮は固めてある、さすれば別方面と同時蜂起。意味は?
ないはずだが……。向こうも怪人でも作っているのか?時間稼ぎ?
いや、時間は我々の味方だ、威力を下げた兵器も同化政策完遂まで有効だから生産させてるし、シュタインは寝不足だし、技術力考えたら鉄の棒で殴ったほうがわざわざ開発するより早くないかとか言ってたけど。
ロックオンして絶対に弾が当たる銃を作れと言ったら、どうせ旧人類側は無効化技術がないし追尾レーザーのやつじゃダメかと言われた。
許可を出したけど火力落とすのに苦戦してるらしい、まぁ宇宙戦用だしな。
相手も無効化技術持ってると意味がないからとにかくデカくて無効化技術ごと吹き飛ばす戦艦主砲とかにしてるし。これが防御力貫通攻撃ってやつか!とかシタッパーがいってたけど似たようなものだろうな。
これ時代を巻き戻して小型銃にするのか……。
こちらで言ったら火縄銃を新しく生産するようなものか?まぁ、この国的には竹槍でないだけマシか?
コスパが悪いな……こんなことに予算を通すのか……。
キツイなぁ……。どう説得しよう?日本政府だって火縄銃を国家予算で自衛隊や地球防衛軍に配備します。なんて言ったら政権倒れるんじゃないか?いや、私ならクーデター起こさせるな。
これ説得するの?はぁ……お祖父ちゃんが生きていてくれたらなぁ……。
いっそ竹槍をぶん投げて倒すほうが現実的な方が気がしてきた、安上がりだし、帝国兵なら一突きで20人くらい刺せるんじゃないかな?
いや、それ火縄銃よりひどいか?石拾って投げて攻撃しろって言ってるようなもんだしな……。
議会をどう説得するんだ?もう少し良い兵器を作るべきと言われるのは間違いないが、同化政策が成功するまでの繋ぎだしな。
その程度でこんな予算かけて良いものか……。
ロックオンして絶対弾が当たる銃なら新兵器枠で通しやすいんだがなぁ……。
光学兵器を無効化されて実弾武器や肉弾戦になるのはよくあることだから説得しやすいのだがなぁ……。
怪人量産は打ち切りの方向で進んでいるし、なんでこの星の連中は改造手術したがるんだ?旧アメリカはなんかパツパツのコウモリスーツきたやつ量産したり、なんか赤い蜘蛛のやつだったり、魔法少女だったり、ロボにしてくれは一番意味がわからない。適応化まではしないのがたちが悪い。
なんだロボって?
整形感覚で利用するな、戦勝国間隔でやってくるから航空便調整とかが大変だ。同化政策がなったらとっとと転移させる技術を適応させたい。
今は完全にバルサクに雇用した旧人類、もうバルサク臣民だが……。彼らには適応させてる。
そもそも我々の転移装置は地球に合わせているから……もしも使われれば許可がない人間は必ず引っかかる。
これに引っかからないということは……エデソンは何が独立した機械を使っている、応用か?完全征服後にどうやって使っているんだ?シュタインのやつはまだ割り出せてない当たり案外単純な誤魔化しかもしれないが。
そもそも大規模な装置を作る時間も機材も資材もないだろう。
「──わからないな」
「シーザ議長、なにか?」
「エデソンはどこに行ったんだろうな、と思っていたんです」
「それは軍に任せるべきことでしょう、政治家の我々は彼らに任せるだけです」
「政治的にはエデソンの抵抗は全く無意味ですよね?」
「国家が滅ぶなら意地くらいは見せる、といいたいですが……」
「あっちが故郷だったらびっくり仰天。ないか」
「ないでしょうね」
「シュタインとの不仲かな?」
「そのためにここまで大事になったのならお仕置きですね。これ以上犠牲が出るのなら死と向き合ってもらいましょう」
「おお怖い……。では引き続き各地区への支援を頼む。それと……」
いや、軍のことは私が命じてはいけないな。復職したようなものだが議長に軍事色が見えてはいけない。
政治だけは軍人は無関係だと思われなければ降る国もおちおち降れないからなぁ。
実際地球だと軍事国家の印象がすこぶる悪い。
便利だと思うんだけどねぇ、どうせ陛下の聖断がないと動かないのは確かだし。
宇都宮方面を固めて、私も大阪で合流して食事でもいこうか。
旧アメリカ方面からの物資が他地区にも回るし後は私がいなくてもいいだろう。
「デルゾ議員がアメリカの諸島の売り先が見つかったとかで交渉するから早あがりすると」
「まぁ、いいでしょう。私も上がります、緊急時にはすぐ連絡をください」
後手に回ってるな、連中はここからどうやって勝つつもりなんだ?
まさか負けるために戦ってるわけでもあるまい?エデソンは何の意地を張り続けてるんだか……。
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