4.人類と魔王
この世界は地球と違って魔族や魔物がいる。
という世界にしようとして作ったので、いる。
「恐竜の次は魔物じゃな。まあ魔力機関のせいでほとんどの生物系は魔物になる」
「なるほどなのじゃ」
「一般的な現生の魚はそっち系統ではないので、普通の魚みたいだが、魔魚といわれる大型種は別だ」
「ふむぅ」
地球でもいた、太古の巨大な魚が生き残っているのだ。
こいつらはみな魔法機関を持った種が進化したものなので、魔法が使える。
大きくて強い。
「地上でもモンスターと呼ばれるタイプの動植物も繁栄している」
「植物もなのじゃ?」
「ああ、マンドラゴラ、アルラウネ、マンイーター、トレント、ドライアド……」
「けっこういるのじゃな」
「だろう」
もちろん他にもいる。
「厳密には植物ではないが、テンタクル、ローパーなどもいるな」
「あぁ、触手ね。触手」
さて哺乳類も進化していく。
「忘れていたが、ドワーフもそろそろだ」
「ドワーフなぁ」
「採掘ばかりやっている」
「まったく」
まあドワーフはあまりメインはないのでいいにしよう。
「猫の近縁種なども生まれていくな」
「あらかわいい」
「こいつらは進化して、猫獣人になるんだから、そろそろいないと困る」
「なるほどなのじゃ」
さてではヒューマンはというと。
「猿じゃな猿」
「まあまだ猿だ」
「エルフはもういるなのじゃ」
「だから、エルフは後で生まれた人間を下等種だと思ってるわけだ」
「なのじゃな」
さていろいろな種類が進化していく。
さて長かった猿の時代もようやく終わる。
「先にゴブリンじゃ」
「ゴブリンのほうが先なのじゃ?」
「なんとなくな」
ゴブリンが生まれる。
「そうこう言ってる間に、人間、獣人、リザードマンなどが平行進化していく」
「ふむ。別々の種が似たような進化をしていく過程のことじゃな」
「そうだ」
はい、こうしてヒューマンなどの人類が揃った。
「ところが人類がすぐには繁栄しない問題がある」
「それはなんじゃ?」
「まずモンスターが結構強い」
「そうじゃな」
「恐竜がそのまま絶滅した世界と違い、戦闘力が全体的に高い」
「むふ」
二人して渋い顔をする。
人類が絶滅する前に、なんとかしたいものだ。
「だが最大の問題は次のものだ。魔族と魔王が誕生する」
「あぁ、そうじゃったそうじゃった」
「これにて、人類王国の土地以外にも、魔王領ができて、戦闘が続くようになる」
「大変なのじゃ」
人類がまんべんなく生活した土地が、だんだん魔王領になっていく。
魔王領は思った以上に大国へと変わっていき、人々の生活を脅かしている。
さらに魔王領から敵が進軍して人類とぶつかり始める。
「うむ。まあそろそろゆっくり眺めようか」
「なのじゃ」
さて人類は魔王討伐のため、田舎のおっさんを勇者に立てるようだ。
「おっさんで大丈夫だか」
「でも聖女様もいるみたいなのじゃ」
「まあやってみてから考えよう」
「そうじゃな」
勇者と聖女一行は魔王領へと入り、戦闘を続けていく。
ボロボロの勇者たち。
レベルも上がっているが、それでも敵は多い。
そして魔王を目前に倒れ、残念ながら帰らぬ人となった。
「ほらやっぱりじゃ」
「ダメだったか」
「神託しよう、神託!」
「そんな投資信託みたいに言わないでくれ」
「はやくはやくなのじゃ」
神託ボタン、千ゴールド! 本日も課金ストアのご利用をありがとうございますだってさ。
「ほれ、神託ボタン」
「よしやるのじゃ。ワシにまかせておけ」
ごほごぼ。
「人類の諸君。ワシがめちゃんこかわいい女神、アイテールなのじゃ」
「はあああ、神様ぁああ」
「そうじゃ、ワシはかわいい」
「ははぁ」
「ところで、勇者を立てた魔王討伐、失敗したらしいのじゃ」
「それはもう、滅相もございません」
「ワシに提案がある。地球世界からこういうゲームの専門家であるオタク勇者を召喚するのじゃ」
「なんですと!!」
「きっと諸君の力になってくれる」
「そうですか、是非に」
「ではまた準備が出来たら、神に祈るのじゃ」
「ははあぁぁ」
おお、神殿を建て始めたね。
女神アイテール教が世界に広がっていく。
「女神、ほどほどにしておけよ」
「わかってますなのじゃ、ルンガ様」
「ほんとうだか」
「にしし」
一通り準備はできたようだ。
神官たちが一生懸命に神に祈っている。
魔王たち魔族の攻撃は今も続いていて、国土は脅かされているのだ。
「アイテール様。アイテール様。勇者召喚を今、この時に!」
「ハロハロー。聞こえているよ」
「アイテール様。勇者を、どうか、どうか勇者をお願いします」
「わかりましたのじゃ。では地球からちょろっと引っ張てくるのじゃ」
「は、なんだここは」
「「「おおおぉ勇者様」」」
日本のオタク男子、ここに見参。
周りを見渡すと、数多くの神官たち。それから王様がひとり。
「おお勇者よ。名前は?」
「俺は
「タクヤ殿と申されるか」
「まあ、それでいいや」
「是非、この国をいや世界をお救いください」
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