第84話 クズとゴミ ○○と○○視点……それと
寧留に一撃を貰って目を回していた秋多が、自分の部屋で目を覚まして八つ当たりをしていた
備え付けの家具に八つ当たりしていたが、部屋にいる女の子達は隅に固まり恐怖で震えていた
秋多の好みを聞いて、帝都から人妻だろうと構わず攫って与えていた
「クソがぁ! 幾ら油断してたからって、勇者である俺があんな男にケツ振るしか能のねぇビッチにやられんだよ?! クソビッチが調子に乗りやがって!」
怒りに任せて暴れまわり、部屋の隅に固まる女の子達を睨みつけると、小さく悲鳴を上げる
大股で近付くと女の子達を掴み強引にベッドに放り投げた
秋多もベッドに上がると女の子の一人に
「なぁ、俺は誰だ?」
「えっ? ……えっと、秋ぶげっ?!」
いきなり女の子の頬にビンタを食らわした秋多。顔の左が大きく腫れた女の子の髪を掴んで持ち上げて、覗き込む秋多。
恐怖と痛みで涙を流す目を見ながら
「で、俺は誰だ?」
「ひっ?!……あっ……うっ……ゆ……勇者様……です」
「その通りだ、ちゃんと答えられたじゃねぇか……えらいぞ」
厭らしい笑いをしながら話しかける秋多に少し安堵の表情になる女の子
「じゃ……答えられたからサンドバッグで許してやるよ……運が良かったら助かるかもな」
「えっ? ぐっ?! ぶひゃ?! いたっ?! ひぎぃぃぃあぁぁぁぁ?!」
秋多の発言を聞いて固まる女の子の腹をいきなり殴ると、続いて胸 右頬 腰と殴られ無意識に体を守ろうと出した女の子の両腕を掴んだ秋多
力任せに両腕を握りつぶされた女の子は絶叫を上げた
その後も殴られ蹴られ続ける女の子。秋多の怒りが収まるまで暴力が振るわれた。
「……う……あ……は……」
身体中腫れ上がり手足はあらぬ方向に向いているが、一命を取り留めた女の子を、秋多は床に放り投げた
ベットの端で顔を真っ青にして震えている女の子達を見た。恐怖で涙を流す女の子達
「ノックをしても返事が無いので勝手に入らせて頂きました……随分お怒りのご様子ですわね?」
「んっ? あぁ、少しはスッキリしたけどな」
内心はクズを見る視線を向けながらも、表面上は微笑みながら頷くエレアナはメントに声を掛けると
「何だ、そいつらは? 見た事ねぇな」
「この者達は魔族の女達です。悪さや犯罪を侵して隷属の首輪を付けられた者達です。
元人妻なども含まれてます。償いとして、秋多様のお好きになさって下さい」
実際はゴブリンロードに攫われた魔族の女性達
その一部を連れて来ていた
布切れ1枚で体の前を隠している彼女達を見た秋多は、残虐かつ厭らしい笑みを浮かべて近付くと、全員ベッドに放り投げて襲い掛かった
秋多がベッドに放り投げてる時に部屋の外に出たエレアナは
「本当にクズね。だからこそ魔王復活の生贄に選ばられたのだけれど……どれだけ性欲強いのよ」
「処分しましょうか?」
「気持ち的には処分したいけど、それは駄目ね。
魔族と交わり続ければ、より魔王復活も近づくわね
それと処分だけど、その変なものは捨てておいてちょうだい」
メントの足元に転がるサンドバッグにされた女性を扇子で指して言うエレアナ
「宜しいのですか? 多立がまた見つけて匿うかも知れませんが」
「構わないわ。あれの足手まといが増えれば大人しくなるでしょ。頼んだわよ」
“畏まりました” とカーテシーをして騎士を呼ぶとゴミ捨て場に運ぶ指示を出したメントを連れて離れるエレアナであった
この魔族の女性は秋多だけでなく東城にも渡された。
しかも、ゴブリンロードに攫われて直ぐに回収された女性達でみんな隷属の首輪をつけられている
最初は驚いた東城だが、表面上は笑いながら、内心はゴミを見る目を向けたエレアナの話を聞いた
そして殆どが初めてと分かり嬉々として襲う
「何で……こんな……酷い……」「初めてなのに……」「私達……何もしてない……帰して」
「何を言ってるんだ。お前達は、罪を侵したから今があるんだろうが……どうやら自分達の立場が分かって無いようだな」
隷属の首輪の力で本当の事は話せない彼女達は口を噤んだ
東城は1人の女の子をうつ伏せにベッドへ押し倒すと、強引に両手を頭の上側に置き、アイスピックで手ごとベットに突き刺した
「いっ?! っ……!!」
声に成らない悲鳴を上げる女の子。痛みで涙が溢れ出していた
「いっちょ前に泣いてるのか? お前は色々と犯罪を起こしてんだろうが、これは罰だよ。お前の立場を分からせる為のな」
「違っ……イタい……」
首を左右に振る女の子の頭を押さえつけて興奮した笑いをする東城
そのまま女の子に伸し掛かろうとした東城の横から
「あの……お願い……します。その子は私の妹……なんです。私が代わりに全て受けます……だから、妹を離して下さい……お願いします」
「お前達は姉妹か……姉妹揃って犯罪を起こすとは魔族はろくなのが居ないようだな。
姉のお前は妹より更に罰を与えてやるからそこで見ていろ」
姉を突き飛ばした東城は更に妹に伸し掛かった
「酷い……酷すぎる……私達が何をしたの……何もしてないのに……誰か……助けて……」
妹の姿を直視出来ずに目を瞑り耳を塞ぐ姉。
しかし東城は首輪の力を使い、最後まで見て聞くように命令をした
逆らえず涙を流しながら唇を噛み締めて見る姉であった
「ゴミを超えたクズゴミね、こいつ。だから、あれと一緒に選んだけど……やる事しか頭にないわね」
「ゴミを焼却処分しましょうか?」
「ええ、是非……と言いたいけど復活までは駄目ね。まぁ、玩具やゴミがどれだけ壊れても構わないわ。もう少しの辛抱よ。それより、あれはどうなったなの?」
「全ての手筈は整っております。出発する頃です」
「そう抜かりなくお願いするわ、メント」
「畏まりました、全てはエレアナ様の御心のままに」
優雅なカーテシーをするメントであった
その頃、カイルド帝国の帝都カーランドの城門の外に複数の騎士と首輪をつけられた佐木達の姿があった
ジェラルドに声を掛けた少し小太りの上級騎士が
「エレアナ様のご命令だ。装備は全部置いていけジェラルド。お前も馬鹿だな、要らない事さえしなければ、目をつけられなくて済んたのにな」
ニヤニヤした顔で言う上級騎士の話を聞いて装備を外すジェラルド。
外した鎧を地面に落とした時鈍い音がして鎧が地面にめり込んだ。ニヤついた顔から怪訝な顔になる上級騎士
構わずに次々と外していくたびに地面にめり込んでいた
最後に剣を上級騎士に片手で渡すと、咄嗟に両手で受け取った騎士は前に倒れた
「重た?! 何だこれは?! 持ち上がらないぞ!」
「鍛錬が足りないのでは無いか? 鎧はその剣と同じくらい重いからな。持って帰る時は大変だ。じゃ、世話になったな」
下から睨み付ける上級騎士を無視してジェラルドは後ろに並ぶ騎士達を見ると、全員 敬礼をしていた
ジェラルドも敬礼で返して騎士の横に立っている4組の男女を見た
ジェラルドと違い最低限の装備をしているが、佐木と遠藤以外は顔色が悪かった。これから起こる自分達の運命に気づいてるからだろう
ジェラルドは彼等に声を掛けて、一緒に森に向かって歩き出した
森に着いてそのまま入り少しして
「ここら辺かな?」
「何がですか?」
いきなり立ち止まり呟いたジェラルドに聞く佐木
突然、ジェラルドの前に人影が現れた。
驚いた佐木と遠藤は武器を構えるが、ジェラルドが手で制した
「時間通りだな、無理を言って悪かったよ。父上は何と?」
「は! トールベン様は “漸く息子が頼ってくれたわ!” と、仰っておいででした。装備一式も此方のマジック袋にそれぞれ入っています」
いくつかのマジック袋を差し出すと受け取り中を確認するジェラルド。満足そうに頷くと一袋取って残りを佐木に渡した。
何が何だか分からないまま受け取ると
「それと、もう一つお伝えすることがあります。
ジェラルド様にお渡しした袋には、【武神】平木様よりお預かりした、魔王復活を遅らせる魔導具が入っております。是非ご活用致しましょう」
「それは何とも心強いね。心置きなく倒せると、言うことだね」
「あの……ごめんなさい、ジェラルドさん。一体何が起こってるんですか?」
2人の話に割り込んで、代表で聞く佐木に
「ああ、ごめん。ここに来るのを優先したから、説明がまだだったね。途中で聞かれるのも不味かったしな。
取りあえずは、着替えようか。皆の装備も袋に入ってるよ。着替えながら話すからね。
女性用に小さなテントも入ってるから、その中で着替えようか、建てられそう?」
一気に話すジェラルドを呆然と見ている佐木達に
「やられっ放しは嫌だろう? だから、1つ暴れさせてもらおうと思ってね」
言って軽くウインクするジェラルドであった
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