第46話 パーティー登録



 いきなりパーティーの話しを振られてシンヤ達3人が顔を見合わせてからリディーナの顔を見た



「どうしてパーティーの話しが出てきたんだ?」



「それは、ソロとパーティーではギルドなどからの支援が変わってくるからです」



 シンヤの問いにリディーナが答えると



「変わるのはどう変わってくるのですか?」



 「宿の宿泊料金の割引に武器、防具、日用品、家、素材などの売買に関するサービスですね。

 勿論限度はありますがパーティーランクが上がれば割引なども大きくなります

 更に10名以上になるとクランも立ち上げられます。人数やランクに応じて変わってきますよ」



 リディーナの説明を聞いて何度か頷くシンヤ



「ほぇ~冒険者ランクでも色々とあるんですね~

 でも数日前に私達、色々と買い物に行ったけど割引して貰えたのかな?」



「そう言えば行ったわね。特に聞かれなかったのは何故でしょうか?」



 話を聞いて疑問に思うヒカリとリリィ



「それは、店の大小に関わらずここランドールでは店に、ある魔導具が設置してあります。

 それは、店に入った時点で冒険者プレートを感知してランクやパーティー又はランクの有無がわかる様になる物です。冒険者本部があるからこその魔導具です。

 因みに他の国は武器、防具の割引に素材買取額が上がる位ですね。後は、冒険者プレートのランクを見せる必要があります。

 国などが絡んでくるので色々と変わるんですよ」



「なるほど……このメンバーで動くならパーティーの登録をするのもありだな。どうする?」



 リディーナの話を聞いて3人に確認するシンヤ



「私はシンヤさんが良いなら構いません。デメリットもないと思います」

 


 ユイナが言いながら2人を見るとそれぞれ頷いていた



「では、パーティーの登録をお願いします」



「分かりました。登録手続きの用紙に記入をお願いします。ご迷惑お掛けしたので色々と優遇出来るようにさせてもらいます。

 パーティーリーダーはシンヤさんで良いですか?」



 シンヤ達が座っているソファーの前にある机の上に書類を置きながら聞くリディーナ

 シンヤ以外の3人は同時に頷いた。思わず苦笑いするシンヤは



「分かった。それでお願いします」



「では、ここに記入をお願いします。皆さんはシンヤさんが書いた下にお願いします」



 シンヤがリーダー欄に書いた後、ユイナ ヒカリ リリィの順で書いた。

 因みにリリィはまず自分の名前が書けるように、ここ数日練習していた

 無事に名前が書けたとき嬉しくて内心ガッツポーズしていたのである

 何かに気付いたヒカリが


「あの~パーティー名はどうなるんですか?」



「パーティー名はあっても無くても構いません。パーティー名を付けるのは半々ですね。どうしますか?」



「俺は今すぐ付けなくても良いかと思う。必要になったら皆で考えて付ければ良いだろう

 (名前がない方が自由に動けそうだが関係ないのか? 前の時は勇者パーティーだったし冒険者ギルドそのものが無かったな)」



「私もそこまで重要では無いと思います

 (名前……名前……何も思い付きません)」←そもそも考えてない



「そうですね。私もユイナさんと同じです

 (それよりも、名前が書けた! こうやって少しずつでも楽しみを見つけれたら良いな)」



「付けなくても大丈夫なんですね。分かりました

 (付けてみたかったな……でも、いつか付けるそうだしそれまでに考えよう)」



 それぞれ考えながら話す4人



「分かりました。ギルド長権限で登録させてもらいました。」



「ありがとう。所であの2人は今、どんな様子だろうか?」



「まずダーネルは私の指示で動いてもらいながらクエストも熟しています

 エヴィリーナは体の調子を見ながらダーネルについてクエストは一緒にしています

 それと、本人の希望で冒険者のランクをSランクからBランクに下げて、もう一度やり直すそうです

 私も違う形ですがやり直して行きます」



 シンヤは表情を変えずに話を聞いていたが、3人はエヴィリーナがランクを下げた事に一瞬驚いた



「本人がそれで良いのなら俺がとやかく言うつもりはないよ。

 で、呼んだのはパーティーのこと以外にもあるのではないかな?」



「やはり気付かれてますね。そうです、むしろ此方が本題になります」



 表情を引き締めて机の中から1つの封書を取りだした

 今までと違う雰囲気になったリディーナに自然と背筋が伸びるシンヤ以外の3人

 リディーナは封書をシンヤに手渡しする

 封書を受け取り確認するシンヤ

 一見すると質素な見た目だが、上質な素材が使われていて封書から薄ら魔力を感じる



「これの送り主は?」



「……ヴァリアント砦最高責任者にしてカイルド帝国第1皇子アリュード・マイン・カイルド殿下です」

 


 名前を聞いて少しだけ目が開くシンヤ

 驚きの表情で目も口も思いっ切り開くヒカリ

 驚くも無表情のまま目だけ思いっ切り開くユイナ

 この前のゴブリンロードの報告かな位の考えで何時もの表情のリリィ達であった

 














 

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