第43話 終わって
1階に下りてユイナ達が居る部屋に向かうシンヤ
「全員、無事か?」
「シンヤさん、皆さん一応無事です。ヒカリさんが魔力切れを起こして気を失ってるのとエヴィリーナさん?が気を失っています」
ユイナがヒカリを膝枕して介抱してリディーナがエヴィリーナ抱きかかえていた
「3人とも無事で良かった。“御守り”はきちんと効果発揮したようだな。
リディーナさんも妹さんは手筈通り行けたみたいだな」
「シンヤさんに持たせて貰った“御守り”凄いですね。私達を守るだけでなく相手を動けなくするのですから
(しかも形が日本の御守りですね。大きさは4倍位大きいですが)」
「はい、お蔭様でと言いたいですが、私1人では無理でした。
ユイナさん達の助けがあって取り戻す事は出来ました
私のせいで皆さんを危険な目に合わせてしまったのに本当に申し訳ありません」
エヴィリーナを抱きかかえながら頭を下げるリディーナ。それぞれ反応を示す3人
「詳しい話は後だ。取り敢えずギルドに戻ろう」
シンヤは隠密ローブを取り出した
「ヒカリさんは俺が背負う。妹さんはリディーナさんが運んでくれ。ユイナさんとリリィさんで隠密ローブを持っていてくれ」
「隠密ローブ?」
「これで体を隠すと姿が隠れて風景に溶け込み感知されなくなる。これを、羽織ってギルドのリディーナさんの部屋に行こう」
「まさか、SS級魔導具?! こんなものがどうしてって……あっ! いや……その……」
驚くリディーナだが、シンヤの正体を思い出ししどろもどろになる
「詳しい話は後にして戻るぞ」
シンヤが言うと3人は頷いてギルドまで戻った
「ギルドの中にこんな通路があるなんて驚きですね」
「……えぇ、そうね」
ギルドの隠し通路を通るシンヤ達。ユイナとリリィの話を聞きながら
「取り敢えずユイナさん達3人は一旦資料室に戻って貰う
リディーナさんと妹さんが執務室に戻って俺は表からギルドに戻るからリディーナさんが俺達を呼んでくれ
それが1番違和感がないと思う」
話を聞いてそれぞれ頷くユイナ達。
先ずユイナ達3人を資料室に送り届けた。シンヤが表から動かせずに稼働部分が壊れた本棚を見て驚くリディーナ達と、気まずそうに視線を逸らすシンヤ
誰も特に突っ込む事もなくヒカリを椅子に座らせた、シンヤ
本棚を出来る限り元の場所に戻して3人で執務室に行った
エヴィリーナをソファーに横にして隣に座るリディーナ
真正面に腰を下ろすシンヤ
「時間は余り掛けられないから手短に話そうか」
「はい、改めてありがとうございます」
席を立ち深々と頭を下げるリディーナ。
頷いて座る様に言うシンヤ。席に座り直すのを見て
「妹さん……エヴィリーナさんだっけ? 彼女の奴隷紋の解除は彼女の目が覚めてから落ち着いてからしようと思う
それと、リディーナさんの事だな」
「はい、妹はそれでお願いします……私については覚悟、出来ています。
今まで彼奴らの指示でしたことなど全て話しギルド長を解任して罰を受けます」
覚悟を決めた顔でシンヤを見るリディーナに
「悪いがそう簡単に楽にはさせてあげられないな。貴女にはこれからもギルド長を続けて貰う。
俺の過去を知っている人がここのトップに立って貰えたら動きやすい
罰を受けるなら自分のした後始末をするべきだと思う」
「それは……その……ですが、私で良いのでしょうか?」
目を見開いたと思ったら不安そうな表情になり目が泳ぐリディーナ
「はっきり言うと俺も貴女の立場を利用しようとしている。
散々利用され続けた貴女が、それについて嫌悪感などがあると思うし俺を憎んでも構わない。
ただ、何もなく俺がこの時代に飛ばされたとは思えない。
何かが起こっている、それに対しても貴女の立場と力が必要だ
何より、助けたエヴィリーナさんが悲しい思いをすることになる」
「シンヤさんを憎むなんて……そんなことは、ありません
ですが……分かりました。私がした事についてきちんとけじめを付けます。
私にはこの世界で何が起きているのか分かりません。それでも、微力ながらお手伝いさせて頂きます」
話しの途中で少し目を閉じて深呼吸するリディーナ。
目を開くと先程とは違う覚悟を込めた目になり力になると約束した
「ありがとうございます。
そうそう俺の過去を知っているのはリディーナさんとユイナさんにヒカリさんだけです
リリィさんにはまだ話して居ないのでそこは合わせて下さい」
“分かりました”と頷くリディーナ、それから少し話をしてシンヤは隠し通路から外に出た
その後は、目を覚ましたヒカリがユイナとリリィから話を聞いた
粗方、話を聞いた所でエリナが3人を呼びに資料室に来てそのまま執務室に行った3人
入るとエヴィリーナが目を覚ましており、非常に申し訳無さそうに縮こまって席に座っていた
少し待って居るとシンヤが入って来たが
「ごめん、少し遅れたね。これからの話をするのに探していたんだ」
「いえ、それは大丈夫ですが、探すですか?」
リディーナの問いにシンヤは頷きながら何もない左肩上を摑んで前に放り投げた
すると、突然、全身ロープでぐるぐる巻きにされ猿轡を噛まされた男性が転がった
姿を見たエヴィリーナは驚いた表情になるが、それ以外は不思議そうに見ている
「んーんー!
(えっ? 何で俺、捕まってんの?! 俺は何もしてないから見逃されたんじゃねーのぉ?!)」
「えっと、誰ですか?」
「【
エヴィリーナとシンヤ以外驚いた顔になる。
リディーナは自分の椅子から立ち上がりダーネルを睨み付けている。
クランに登録した時に名前は知っていたが、顔を見るのがこれが初めてだった。
「んーふー!!
(なに、なに、なにぃ?! 俺どーなるのぉ?! いーーやーー!!)」
彼の本当の受難はこれから始まるかも知れない
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