第34話 スキルの本
ジャルドが離れるまでバルボッサ商会の中を見ていた3人。
そこであることに気付いたユイナとヒカリ
「私の短剣5万シルバー〈5ゴールド〉もするのですね……」
( 3000シルバーほどかと思ってました。
身体能力上げてくれる効果もありますから。
それ位はするのですね
兎に角、大切に扱いましょう……難しいでしょうが )
「この杖は3万シルバー〈3ゴールド〉もしてるよ……」
( 私が持つ杖なのに金額が1桁多くない?!
でも、魔法効果に魔力が上がるからこれ位はするのかな? でも……大事に使おう……うん )
それぞれ金額に驚く2人。付与がない短剣や木の杖は2~3000シルバー位なのでその差にも驚いていた
1階を見て回りある程度、時間を置いてギルドに戻る3人
「でも、バルボッサ商会は凄いわね。
まだ、1階しか見てないけど100万シルバー〈100ゴールド〉以上の武器や防具も置いていたね。」
「そうですね。鉄と鋼の素材が違うだけで、10倍近く金額に差がありましたね。勉強になりました」
( 私の本当の勉強はギルドに帰ってスキルを覚える事です。
シンヤさんが私に覚えやすいスキル本を探しているので頑張らないと )
「うん、それに付与が付いたりすると金額が跳ね上がったりしてるよね。
付与効果の強さでも変わるから色々あるね……」
バルボッサ商会の武器や防具について話す3人
ジャルドの事は忘れていたが、特に問題なくギルドに着いた
中に入り待ち合わせ場所に向かうと
「まだシンヤさんは来ていませんね。資料室にいるのでしょうか? 見に行きますか?」
ヒカリとリリィが頷いたので、3人で資料室に入った
資料室に入ったユイナ達は、本に挟まれて本を読んでいるシンヤを見つけた。
「すまないな。君達が戻って来たのは、分かったが手が離せなかったんだ。
もっと見てきても良かったんだけど、お金足りなかったかな?」
「私は欲しい物が買えたので充分です。
それに私の代わりに調べて頂いてますから、のんびりは出来ません」
「ええ、私も必要な物は買えました。 ありがとうございます。
ユイナさんから教えてもらいました。
調べ物は彼女の素質である学者のスキルを覚えるのに必要なことですね」
( 素質は良く分からないけど、スキルは魔族にもあるから分かるけど……本を読んだだけで覚えるなんて凄いわね。私のスキルは【家事】だけだもの )
「欲しい物は買えましたし、余り贅沢言えないですもんね~
あとお手伝い出来ることあったらやります」
3人からの話を聞いて頷いたシンヤは
「今はそんなに贅沢出来ないけど、かと言って無理に締め付けるつもりはないから
欲しい物は買える範囲なら買っていいしお金も出せるからね
それと、本は幾つか見繕ったから読んで貰えるかな
読んでる途中にエリナさんが呼びに来るからランク上げて報酬貰ったら昼食を食べよう
昼食後は引き続き本を読む予定で行きたいんだけどいいかな?」
( しかしリリィさんは問題ないからいいが、魔族に対してもそうだけど、迂闊に[学者]の話はしない方が良いだろうな
前回はそんなに問題無かったが、今回は女神が探してほしいと言ってた位だ。
女神にも視えない何かがあるかもしれん )
「分かりました、早速読ませて頂きます。
思ったより本は綺麗ですね。読む人は居ないのでしょうか?」
( 『スキル基礎』の本……思ったより厚いですね。
そう言えば、お城に居たとき座学を学びましたが、殆ど本を読まなくて口頭でした )
「……私は文字を読めないので、まずは文字の勉強から始めます」
( 私は人間の文字はおろか魔族の文字も読めないからね。 村長さんは両方の言葉を話せて文字も読めていたわね。
こんな事なら話し方だけで無く文字も習ってたら良かったわ…… )
本を読み始めるユイナと、本を持って固まるリリィ
「なら、文字を学べる本があったからそれで勉強したら良いね」
( 人と魔族では違うのか。【翻訳】スキルは便利だと再認識出来たな
じゃ、ゴブリンの巣で同じ警備隊の女性が、魔族の女性と話してたのは言葉が話せたからだな
なら、リリィさんも人間の言葉は分かるのか )
「えーと……これですね! ありま……した……」
本を見つけて渡そうとしたが、表紙を見て固まったヒカリ。不思議そうに見るシンヤとリリィ
「どうした? 本が違ってた?」
「あっ、いえ、違ってないですよ。リリィさんこれなら覚えられると思いますよ」
「ありがとうヒカリさん。それで、これは何て書いてあるの?」
「あ~これは……」
リリィの耳元で伝えるヒカリ。聞いた瞬間は目が開いたリリィだが、すぐ表情は戻った
題名 『子供以下の馬鹿でも分かる文字の本。これで分からなかったら……お前は本当のお馬鹿さん(笑)』
「……なるほど」
( 文字は絶対覚えてみせます! )
密かに闘志を燃やすリリィであった
*第24話でリリィが自分の名前を書く文章になっていましたが、7月25日に修正しました
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます