第4話 集団召喚③説明とそして…
神殿から城内の会議室に移動してて中に入る。既に机と椅子が人数分用意されていた。驚くクラスメイト
「先に通達を出しておりました。人数分ご用意しております。どうぞお好きな所に、お座り下さい」
秋多、阿仁間、多立、東城が前に座り残るクラスメイトは、クラスで座っていた辺りに座る。
エレアナが皆の前に立ち改めて頭を下げる
「改めてカイルド帝国へようこそ。本来ならカイルド帝王と謁見して頂くのですが、執務がたて込んでいまして、後ほどお会いになられます。
私が、帝王に代わりご説明させて頂きます」
微笑んで話していたエレアナは、一旦区切り真面目な表情になると雰囲気が変わる。クラスメイトも自然と背筋が伸びた
「私達は、各国と強力して魔王と魔王率いる魔王軍と戦闘をしています。その戦いは、現在拮抗してる状態です。それを、打破するため皆さんの協力が必要なのです。皆さんは、直接魔王を討って頂きます」
直接、魔王を討伐して欲しいと、言われ動揺が走るも、エレアナは話を続ける
「勿論今すぐとは言いません。そこで、まず訓練と座学、実地訓練を熟して頂き魔王を討てる状態になったらお願いします。魔王城の側までは、騎士団も共に戦います。そこから、先の魔王討伐をお願いします」
阿仁間が手を上げる
「質問があります」
「どうぞ、何でしょうか?」
阿仁間に顔を向けるエレアナ
「ありがとうございます。1つは訓練は何をするのか、2つは魔王討伐は死ぬ事もある可能性があるでしょう。其れらの対策はあるのか、です」
「まず、訓練と座学は担当の者が、指導を行いその都度、説明致します。そして魔王討伐のさいには魔導具に1度は死んでも身代わりとなる物があります。それを、複数お渡しします。それ以外にも装備、道具の支援をさせて頂きます」
エレアナの話を聞いて何度か頷く阿仁間。
「なるほど、分かりました。僕からは以上です」
「はい。他の方からはございませんか?」
お互い顔を見合わせたりしながら、首を横に振ったり、無いです、と答えるクラスメイト。
それを見て、微笑み頷くエレアナ
「では、詳しい説明をさせて頂きます。今後の皆様の生活に全体の動きから戦闘、支援と言った細かい話しを担当の者含めてさせて頂きます」
これからの生活や訓練等の話を聞くクラスメイト。ある程度聞いたのち、寝泊まりする場所の案内を受けて食事を食べる。
それから、それぞれ分かれて訓練を受けるのであった
召喚されてから、なんやかんやありながらも、訓練と座学を受ける生活が1週間が経とうとしていた。日々、厳しい訓練が続くも、お互いを励まし熟している。そして、ある程度の力を身に付けて来たので、2日間の実地訓練に行くことに決まった。
実地訓練を翌日に控え、皆それぞれの用意などをしていた。その中で、結衣も用意をしていたが、余り表情は優れなかった
(結局、私の学者て何なのかしら? 魔法は覚えられない。戦闘スキルはおろか支援のスキルも無理。全部、中途半端以外……)
説明を聞いた後、色々と学び試したが、何一つ出来なくて、明日は後方支援をする事に決まった。数名を除いた視線が、足手まといを見るものに変わっていた。そこへ
「おお、永原。ちょうど良いところに、手が足りなくてな。少し貸してくれるか?」
「分かりました。東城先生」
東城の後についてある部屋に入る結衣。そこは、使ってないベッドなどが置いてあるだけであった
「東城先生? 何が……っ?! ひっ!」
東城に何があるのか聞こうとした瞬間、後から抱き着かれ胸を揉まれて悲鳴を上げる結衣
「何って決まってるだろ。こうやってお前と遊ぶ為だよ」
「いっ……ひぃ……い、いや」
結衣の耳元で話し、そのまま結衣の首筋を舐める東城。逃げようとするも、力の差がありベッドに押し倒される。
「何を嫌がっている。中学の時、売春してたんだろう」
「えっ?! ちが、違い……ます」
売春と言われ、驚く結衣。それは、違うがある意味当たってるとも言えた。結衣は、虐待とネグレクトをする両親の元に生まれた。
結衣には姉が居て日々姉と共に虐待を受けていた。だが、姉が小学校低学年、結衣が3歳の頃に虐待をしていると、知った祖父母がそれぞれ引き取った。親戚は、他に居なかったのもあり、姉は、父親の祖父母に、結衣は母親の祖父母に引き取られる。
離れ離れになったが、幸せな生活を送っていた。
けど、結衣が10歳のころに祖父母が相次いで亡くなり、色々な事が重なって、また両親に引き取られた。
結衣の姿を見た父親が娘に売春させて金を稼ぐことを思い付いた。そこから躾と言うなの、虐待をまた始めた。
結衣が中学になり、遂にその時が来た。嫌がる結衣に跨がる見知らぬ男。色々されて、初めてを奪われる瞬間、姉と警察官が突入してきた。
あっという間に両親と男は取り押さえられ、結衣は姉に抱きしめられていた
実は、姉と結衣はお互い連絡を取っていた。結衣を引き取った祖父母が、亡くなって音信不通になってしまう。そこで祖父母の家に行くと、初めて祖父母が亡くなった事、結衣が居なくなったと知る姉
そこから、祖父母と協力して結衣の行方を捜した。数年かけ探し当て、両親のボロアパートに行くと、結衣が襲われてるのを知って、警察に電話して助け出した。
その後、結衣は姉と祖父母と暮らす事になった。3人の支えと、回りの協力で立ち直った結衣は、近くの遥崎高校に入学して今に至る
そして
「何も違わないだろう。親と一緒に、してた癖に」
東城の下卑た笑いを見て、かつて押し倒して来た男の顔が重なる
「いや……いや……ひっ」
体が恐怖で震え、上下の歯が当たり音が鳴る。目に涙がたまっていく。
結衣の反応に、更に下卑た笑いを強め顔を近づけた所で
「何をしてるのですか。東城先生」
心の底から冷える程の声を掛けられ、上半身を起こして、扉の方を見る
「お、お前こそ何でここに……阿仁間」
東城が阿仁間を見ると、その横から結衣をベッドから引っ張り出し東城から距離をとる人がいた
「結衣ちゃん?! 結衣ちゃん?! もう、大丈夫だよ」
結衣を抱きしめて頭を撫でる陽菜。東城を睨み付ける
「さて東城先生、ここで、何を? 彼女は魔王討伐に大事なメンバーの1人ですよ。貴方のものではありません」
眼鏡の端を右手で上げながら淡々た話す阿仁間。
横で、結衣を抱きしめたまま、陽菜が、東城を睨み付けている。その雰囲気に耐えられなくなったのか
「……どけ!」
扉前に立っていた阿仁間を押しのけて出ていった
(あの、クソガキがぁ! いい気になりやがっていつかボコボコにしてやる! その時は、永原と橘を……グフフ)
阿仁間に対して、腸が煮えくりかえる程の怒りを抱えながらも、ゲスな事を考えて立ち去るゲス男であった
「永原さん」
「っ?!……っひ」
ゲス男が部屋から出て、阿仁間が陽菜に抱えられている結衣に近づくと、小さく声を出す結衣
「男である僕は近づかない方が良さそうですね。明日の用意は此方でやりますので、橘さんは側に居てあげて下さい」
「ありがとう、阿仁間君」
陽菜に支えられながら自分部屋に戻る結衣。少し離れた位置から2人が部屋に入るまでついていた阿仁間であった
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